建築基準法 解釈と説明

特殊形式の倉庫の扱い
ラック式倉庫(立体自動倉庫)等の取扱い
ラック式倉庫、多層式倉庫の階数の算定、床面積の合計の算定、形態の構造制限、防火区画、開口部の防火措置、避難施設等については、昭和60年5月8日全国建築行政連絡会議において、「特殊な形式の倉庫の扱いについて」(「ラック式倉庫(立体自動倉庫)の取扱い」)が定められている。
ラック式倉庫
[1] 多層式倉庫
多層式倉庫については、人が作業可能な部分を通常の床とみなして階数の算定を行い、これに基づいて建築基準法の規定を適用する。
[2] ラック(Rack)式倉庫
ラック式倉庫とは、「物品の出し入れを搬送する施設によって自動的に行い、通常、人の出入りが少ないもので、かつ、ラック自体が建物の構造体になっているもの」をいう。
消防法では、「棚又はこれに類するものを設け、昇降機により収納物の搬送を行う装置を備えた倉庫」をいうとしている(令12-1-4)。
ラック式倉庫と多層式倉庫を複合した形式の倉庫については、取扱いを勘案して、安全側で判断される。

[1] 階数の算定
階数は1とする
[2] 床面積の合計の算定
1 建築基準法 第3章-都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途 (第5節-防火地域を除く)の規定を適用する場合の床面積の合計の算定については、当該部分の高さ5mごとに床があるものとして算定する。
2 前項以外の場合の当該部分の床面積の合計の算定については、当該部分の階数を1として算定する。
[3] 形態による構造制限
本建築物の構造は、当該部分の高さ及び床面積の合計に応じて、次の表による。ただし、軒高が10メートルをこえるもので、令109の3-1-1に掲げる技術的基準に適合する準耐火建築物とするものにあっては、当該部分の外周に配置される主要構造部である柱は、耐火構造としなければならない。

当該部分の床面積の合計

500m2未満

500m2以上
1,000m2未満

1,000m2以上
1,500m2未満

1,500m2以上








10m未満

10m以上
15m未満

耐火建築物又は
準耐火建築物
耐火建築物又は令109の3-1-1に掲げる技術的基準に適合する準耐火建築物
15m以上

[4] 危険物を収納する場合の構造制限
建築基準法施行者第116条の表に指定する数量以上の危険物を収納するものは、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。屋根の構造については、消防機関と協議すること。
[5] 防火区画
1 主要構造部を耐火構造とした建築物(令第112条第1項から第4項まで)の適用にあっては、当該部分は劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場の客席、体育館、工場その他これらに類する用途に供する建築物の部分の建築物の部分とする。
2 当該部分の高さが15mを超えるものにあっては、準耐火構造の床若しくは壁又は法第2条第9号の2 ロに規定(令112条第9項)により防火区画とする。
3 当該部分とその他の用途部分は、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない特殊建築物(令第112条第13項)に該当する場合は第115条の2の2第1項第1号に規定される基準より防火区画とする。
[6] 開口部の防火措置について
外壁に設ける開口部は、防火戸その他の政令で定める防火設備(法第2条第9号の2ロ)に規定する防火設備とする。
[7] 避難施設等について
1 当該部分には、原則として直通階段、避難階段、特別避難階段、非常用の照明装置、非常用の進人口及び非常用のエレベータの設置は要しない。
2 排煙設備については、当該部分が令第126条の2第1項第2号又は平成12年建設省告示第1436号第4号の規定に適合する場合は設置を要しない。
[8] 構造計算のうち積載荷重について
1 当該部分の積載荷重は、積載物の種類及び各棚の充実率の実況に応じて計算する。
2 各棚の充実率は、応力及び外力の種類に応じて、次の表によることができる。
応力の種類 荷重及び外力について想定する状態 ラックの充実率 備   考
長期の応力 常時 100%
短期の応力 積雪時 100%
暴風時 80% 建築物の転倒、柱の引披等を検討する場合は50としなければならない。
地震時 80%
[9] 荷役運搬機械について
もっぱら荷役運搬の用に供する特殊な搬送施設は、法第2条第3号に該当する昇降機とはみなさない。
[10] 備 考
1 床面積の合計の算定の床面積はラック部分全体の床面積を算定するものとし、スタッカークレーンの移動部分を含む。
2 防火区画[5]-3の「当該部分」には原則として作業の用途に供する部分を含まないものとし、物品保管の用途に供する部分と作業の用途に供する部分は防火区画を要する。

ラック式倉庫に設けるスプリンクラー設備に係る技術基準の合理化(消防法)
1 趣旨と経緯
1995年11月8日に埼玉県の東洋製罐埼玉工場において、スプリンクラー設備が消防法令の技術基準に従って設置されており、当該設備が作動したにもかかわらず、ラック式倉庫が全焼し、死傷者を生じるという火災が発生した。
 消防庁では、「ラック式倉庫のスプリンクラー設備あり方検討委員会」を設置してラック式倉庫に設けるスプリンクラー設備に係る技術基準のあり方について検討を行った。
2 内容
A ラック式倉庫に設けるスプリンクラーヘッドの設置方法等(第13条の5関係)
1 スプリンクラーヘッドの種別について、標準型ヘッド(有効散水半径が2.3であって、ヘッドの呼びが20のものに限る。)とすること。
2 ラック式倉庫を収納物等の種類(収納物と収納容器、梱包材等の組み合わせ)により4つの等級に区分すること。
3 ラック等を設けた部分には原則として水平遮へい板を設けることとし、ラック式倉庫の等級及び水平遮へい板の設置状況に応じたスプリンクラーヘッドの設置方法を規定すること。
B ラック式倉庫に設けるスプリンクラー設備の水源水量及び性能(第13条の6関係)
1 水源水量について、ラック式倉庫の等級に応じた同時開放個数に、等級及び水平遮へい板の設置状況に応じた単位水量(2.28m3又は3.42m3)を乗じて得た量とすること。
2 性能について、放水圧力が1kgf/cm2以上で、かつ、放水量が114リットル/分以上で放水することができるものとすること。
C  ラック式倉庫に設けるスプリンクラー設備に関する基準の細目(第14条関係)
1 配管の系統ごとに所要の附属装置(制御弁及び自動警報装置の発信部)を設けることとすること。
2 流水検知装置を予作動式以外のものとすること。
3 ポンプの吐出量について、ラック式倉庫の等級に応じた同時開放個数に、130リットル/分を乗じて得た量以上の量とすること。
同時開放個数とは
等級T〜V: 30個(標準型ヘッドのうち感度種別が1種のものにあっては、24個)
等級W: 20個(標準型ヘッドのうち感度種別が1種のものにあっては、16個)
   
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