平成26年度 2級土木施工管理技術検定試験  種別:薬液注入 学科試験問題 Page1

※ 問題番号No.1〜No.18 までの18 問題のうちから16 問題を選択し解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No.01 地盤の液状化に影響を及ぼす要因となる地盤特性として、次のうち適当でないものはどれか。
1 ポアソン比
2 塑性指数
3 地下水位
4 平均粒径

解答と解説: 

答え--- 1

ポアソン比は鋼材などの材料の、応力に直角方向に発生するひずみと応力方向に沿って発生するひずみの比のことであり、地盤に関してのものではない。


No.02 地盤材料の工学的分類方法(日本統一分類法)で定められた粒径区分された呼び名の粒径の大小の関係について、次のうち適当なものはどれか。
1 シルト< 砂< 粘土
2 粘土< シルト< 砂
3 粘土< 砂< シルト
4 シルト< 粘土< 砂

解答と解説: 

答え--- 2

粘土の粒径は0.005mm以下、シルトは0.005〜0.075mm、砂は0.075〜2.0mm以下である。


No.03 標準貫入試験で得られたN値から直接推定できる事項として、次のうち適当でないものはどれか。
1 砂地盤の内部摩擦角
2 粘土地盤の一軸圧縮強度
3 粘土地盤のコンシステンシー
4 砂地盤の透水係数

解答と解説: 

答え--- 4

標準貫入試験は強度の試験で現場実施の試験あり、透水係数試験は室内試験である。コンシステンシーは柔らかさの程度なので、ある程度は推察可能である。



No.04 土留め壁を用いた掘削に伴って掘削底面の安定が損なわれる現象に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 パイピングは、土中の浸透水によって水みちができることによって生じる土粒子の移動現象をいう。
2 盤ぶくれは、粘性土などの難透水性地盤の下に被圧帯水層がある場合に、被圧地下水によって掘削底面がふくれ上がる現象をいう。
3 ヒービングは、ゆるい砂質土地盤を掘削する場合に、掘削底面下の土の強度不足から掘削底面が隆起し、土留め壁の背面地盤で大きな地表面沈下が生じる現象をいう。
4 ボイリングは、砂質土地盤において掘削底面から水と土砂が湧き出して掘削底面下の地盤が受動抵抗を失い、土留め壁の安定を損ねる現象をいう。

解答と解説: 

答え--- 3

ヒービングは粘性土地盤を掘削する場合に生じる。砂質土地盤ではない。




No.05 地盤改良工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 凍結工法は、地中に設置した凍結管の中で冷媒を循環させて、土粒子間の間隙水を固化する工法で、よく締まった砂や粘性土での凍上、融解沈下の問題を除けば、全地盤に適用できる。
2 薬液注入工法は、任意に固化時間を調整できる材料を地盤中に注入し、軟弱地盤から岩盤まで全土質に適用可能であり、他の固結工法に比較し、地盤条件に左右されない。
3 機械かくはん方法による深層混合処理工法は、かくはん翼で地盤をゆるめながら、同時にセメントなどを混合固化させる工法で施工効率がよい。
4 高圧噴射かくはん工法は、ロッド先端に取付けられたノズルから高圧で噴射される固化材などで地盤を切削し、同時に切削された軟弱土と固化材とを原位置で混合し改良する。

解答と解説: 

答え--- 2

地盤改良工法による薬液注入工は、任意に固化時間を調整できる材料である。土質条件により良好な浸透固結が得られるが、条件によって止水効果が得られない場合もある。


No.06 シールド工法の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 立坑からのシールドの発進方法での仮壁撤去工法の場合、地盤強化及び止水を目的とした薬液注入の範囲は、シールドが完全に地山に貫入し、裏込め注入工と併せて止水を図れる長さとする。
2 立坑からのシールドの発進方法での直接切削工法の場合、エントランスパッキンの止水性などを考慮して、止水性が確保できる改良範囲を設定して薬液注入を行う。
3 シールドの裏込注入工は同時注入又は即時注入で行われており、即時注入とは掘進後速やかにセグメントの注入孔から裏込注入を行う方法である。
4 既設構造物に近接してシールド工事を行う場合、両者の中間地盤へ実施する防護対策として、鋼矢板工法による地盤強化、改良防護がある。
 

解答と解説: 

答え--- 4

鋼矢板工法は掘削が必要なシールド工事ではあまり採用されない。薬液注入工のようなものが採用される。


No.07 掘削時に用いる土留め工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 鋼矢板工法は、地中に鋼矢板を連続して構築し、鋼矢板の継ぎ手部のかみ合わせで止水性が確保される。
2 親杭横矢板工法は、H型鋼の親杭と土留め板により壁を構築するもので、地下水位が高い場所や軟弱地盤で用いられる。
3 地中連続壁工法は、地盤変形が問題となる場合に適し、本体構造物の一部として利用されることもある。
4 自立式土留め工法は、掘削側の地盤の抵抗によって、土留め壁を支持する工法であり、比較的良質な地盤で浅い掘削に用いられる。

解答と解説: 

答え--- 2

親杭横矢板工法は止水性の良い土留工法ではない。地下水位が高い場所や軟弱地盤では鋼矢板工法が採用される。


No.08 薬液注入に必要な注入材料としての条件に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 地盤中で固化したものは、一定の必要な期間は、安定していること。
2 使用する材料のみならず、混合したものや固化したものは、高い安全性を確保できること。
3 どこでも容易に入手が可能で、取り扱いが簡単なこと。
4 主剤の水ガラスを固める硬化剤の種類や使用量を変化させても、硬化時間が変化しないこと。

解答と解説: 

答え--- 4

硬化剤の種類や使用量を変化させることでゲルタイム(硬化時間)を調整できる。



No.09 溶液型薬液の硬化剤に使用される反応材料として次の組合せのうち、適当でないものはどれか。
[硬化剤] [使用される反応材料]
1 中性・酸性系無機系硬化剤 ……………… 塩化ナトリウム
2 中性・酸性系無機系硬化剤 ……………… 硫酸
3 アルカリ系有機系硬化剤 ……………… エチレンカーボネート
4 アルカリ系有機系硬化剤 ……………… グリオキザール

解答と解説: 

答え--- 1

塩化ナトリウムは一般に「塩」のこと。恐らく設問は、珪酸ナトリウムなどでアルカリ系が正解枝。


No.10 薬液注入における注入形態に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
 1 浸透注入とは、砂地盤など透水性が高い地盤で見られる注入形態であり、均一な土の場合には薬液がほぼ球形状に浸透する。
 2 割裂浸透注入とは、割裂が吐出口付近で発生し注入形態はやや歪んだいびつな形状となり、ゲルタイムが長く注入中にゲル化しない限り割裂脈から遠方まで浸入しつづける。
 3 割裂注入とは、粘土地盤など透水性が低い地盤で見られる注入形態であり、亀裂内に薬液が脈状に浸入して進展する。
 4 境界注入とは、地盤中に土層の異なる地層が存在する境界面に沿って薬液が浸入する形態であり、軟弱な粘土層が存在していると薬液が遠方まで逸走する。
 

解答と解説: 

答え--- 2

割裂浸透注入では割裂脈に添って浸透するもの。遠方まで浸入しつづけるようなことはない。簡単ではあるが、設計範囲に薬液が十分浸透せず、未固結部分が残り、掘削時に出水事故などが発生することもありうる。


No.11 地盤と注入材に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
 1 砂質土地盤では、地盤への浸透性に優れる溶液型注入材を選定して、浸透注入で土粒子間隙を埋めて地盤を一体化する。
 2 粘性土地盤では、もともと透水性が小さいことから浸透注入が困難であるため、注入形態は割裂注入となる。
 3 軟弱粘性土地盤では、止水効果が目的となり懸濁型注入材より止水効果の高い溶液型注入材を選定する。
 4 礫質土などで大きな間隙のある地盤では、大間隙への充てん注入を目的として浸透性よりも注入材強度を重視した懸濁型注入材を選定する。
   

解答と解説: 

答え--- 3

粘性土系地盤には固化時間調整可能な水ガラス系で、溶液型でなく懸濁型である。


No.12 二重管ストレーナ工法(複相型)の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
 1 削孔は、削孔水を利用して、所定深度まで削孔する。
 2 一次注入は、削孔完了後、緩結性薬液による浸透注入で、注入管周囲のシール及び粗詰め注入を行う。
 3 二次注入は、一次注入と同じステップで、緩結性薬液による浸透注入を行う。
 4 注入完了は、ステップアップしながら、一次注入、二次注入の手順を繰り返し、所定区間の注入を行う。
   

解答と解説: 

答え--- 2

1次注入は、瞬結型注入材による2ショットの混合方式とする。緩結性薬液は誤り。


No.13 薬液注入における改良目的に応じた注入孔への注入順序に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
 1 平面的に改良範囲が広い場合には、改良範囲の外側から注入を開始する。
 2 深さ方向への二重管ストレーナ工法での注入は、上昇式ステップでは対象地盤内の上部から下部へと注入を進める。
 3 注入対象の地盤内に地下水の流れがある場合には、地下水流の下流側から注入を開始する。
 4 既設構造物に近接して注入を行う場合には、構造物の近傍から注入を開始する。
   

解答と解説: 

答え--- 4

既設構造物に近接して注入を行う場合には、構造物の近傍から注入を開始する。は正しい。 地下水の流れがある場合は上流側から開始する。平面的に改良範囲が広い場合には,改良範囲の内側から注入を開始する。二重管ストレーナ工法では,対象地盤内の深い場所から注入を開始する。


No.14 薬液注入工事における削孔の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
 1 削孔位置の確認は、確実な改良効果を得るため、また埋設物に対する影響を避けるために削孔位置を正確に管理することが必要である。
 2 機械の据付けは、削孔機の安定が悪い場合には、削孔効率・削孔精度の低下などの影響が生じるため、施工足場を良好にすることが必要である。
 3 削孔深度の確認は、使用ロッド長(ロッド長+グラウトモニタ吐出口までの長さ)の測定値のみにより確認することが必要である。
 4 削孔は、任意の角度に削孔を行うことができるが、精度をよく削孔するために傾斜計などで計画通りの角度で削孔されているかを確認することが必要である。
   

解答と解説: 

答え--- 3

削孔深度の確認は、ロッドの全長、残尺の関係から、深度の確認をする。


No.15 薬液注入工事に係る施工管理等における注入時の管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
 1 チャート紙は、発注者の検印のあるものを用い、これに施工管理担当者が日々作業開始前にサイン及び日付を記入し、原則として切断せず1ロール使用毎に監督職員に提出する。
 2 注入量1000 キロリットル以上の大規模注入工事の場合は、プラントのタンクからミキサーまでの間に流量積算計を設置し、水ガラス注入時点の使用量等を管理する。
 3 監督職員等は、適宜注入深度の検尺に立ち会い、注入の施工状況がチャート紙に適切に記録されていることを把握する。
 4 使用する薬液を適正な配合とするためには、ゲルタイムを原則として作業開始前、午前、午後の各1回以上測定する。
   

解答と解説: 

答え--- 2

大型工事においては、水ガラス原液貯蔵タンクとA液調合槽との間に、流量積算計を設置し、水ガラスの使用量を確認する。


No.16 薬液注入における注入材のゲルタイム、注入速度に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 粘性土に対する注入材は、ゲルタイムの短い瞬結性のものがよい。
2 砂質土に対する注入材は、ゲルタイムの長い緩結性のものがよい。
3 砂質土に対する注入速度は、注入材のゲルタイムに無関係に速く設定することができる。
4 粘性土に対する注入速度は、経済性の許す範囲で遅く設定することが望ましい。
   

解答と解説: 

答え--- 3

「無関係に速く設定」は、さすがに変な記述である。


No.17
砂質地盤で、長さ20 m、幅20 m、深さ10 m の領域を対象として薬液注入を行う。
砂質地盤の間隙率50 %、注入材のてん充率60%とした場合の注入率λと注入量Qの次の組合せのうち適当なものはどれか。ただし、重要度率は、100% とする。
λ(%) Q(m3)
1 30 ………………… 1200
2 50 ………………… 2000
3 60 ………………… 2400
4 80 ………………… 3500
   

解答と解説: 

答え--- 1

注入量Q=V×λで求める。 Vは注入対象土量である。
注入対象土量は20×20×10=4000m3
注入率λはn(間隙率)×α(充てん率)から求めるので、
λ=0.5×0.6=0.3=30%
Q=4000×0.3=1200m3 となる。


No.18 薬液注入を効果的に行うために実施する現場注入試験に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
 1 現場注入試験の試験項目としては、工法、注入材、注入率、注入孔間隔、注入速度、注入圧力、改良特性などが挙げられる。
 2 施工実績が乏しく、重要度の高い工事では、現場に適した施工方法の選定を目的として現場注入試験を行う。
 3 現場注入試験における注入速度は、あらかじめ求めた限界注入速度以下に設定することが望ましい。
 4 周辺に施工実績があり、規模や重要度が一般的な工事では、施工計画の妥当性を確認するための現場注入試験は省略できる。
   

解答と解説: 

答え--- 4

周辺の状況がどのような状況で実績があったとしても省略は出来ない。


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