実地試験の経験記述について
原則として実務経験者の方でなければ受験資格の無い資格ですが、グレーゾーンで受験される方もいらっしゃいます。
現場監督として実務に付かなくても、会社内で積算を専門にされている方とかだと経験記述に自信がないと思います。
経験記述例をそのまま書く訳にはいきませんが、どのようにまとめると良いかのみ書かせて頂きます。
文章は試験担当者が直接読んで採点します。
文字は読みやすい方が良いのはあたりまえです。
大事なのは文章の構成です。コツとして、
1 どのような工事で、
2 どんな問題があって、
3 どんな対策を実施して、
4 どのようになったか。
これらの要点をまとめる方がいいでしょう。
それから、文章内に何点かは専門用語を入れましょう。
現場の工程が遅れたので、このように改善したといった内容は良いです。
現場ではトラブルは付き物です。想定外のトラブルを回避出来る能力が無ければ現場代理人は務まりません。
ですから、このようなトラブルがあり、具体的に施した対策を記述するほうがベターです。
良い内容の現場状況のみを羅列するより効果的だと思えます。
トラブルがあり、市役所の担当者と協議して工法を変更した結果、遅延工程の短縮が出来ました。とか。
工期は短縮はできませんでしたが、工期内、工程内で施工できました。 などは良い記述でしょう。
トラブルを起こす現場は悪い現場代理人だから心象悪くなるので書かない方が無難と考えていらっしゃる方もいるかもしれません。
ですが、私としてはこのような場合の対策を書く方が良い記述だと思います。
ダメな例として、
何々をしました。といった内容のみを羅列したりすると、あまりよろしくないでしょう。
自分にとって良い出来だったと自慢しているだけの記述などは逆に印象が悪いでしょう。
私が思うところのダメな記述例を書いてみます。
「残土搬出時において作業能率を上げるために小回りのきくように大型車両を小型作業に変更しました。
それにより作業能率が上がり、コストダウンも出来て良い施工になりました。」
これがダメな最大な点は作業能率が具体的に何で向上したのかが解りにくいでしょう。
通常の現場なら大型車の方が効率が良く、コストダウンにはつながらないのが普通です。
採点員には理解出来ない内容と考えられます。
小型車の有利な現場状況もあるでしょうから、その点をもっと具体的に書いてみましょう。
例えば搬出土量の具体的数値だとかは書いた方が良いですね。
他にも他工事との工事調整の結果で、この方法を選ばなければならない理由などが書かれると合格に近くなります。
最後に・・・
たとえ経験記述が苦手だとしても、参考書や受験学校からもらった回答例を丸写しだけはしないこと。
これをすると絶対に落とされます。
他の受験者と一文一句同じ(もしくは非常に近い)解答が出てきた場合はその解答を書いた者は他の問題が合格点であっても落とされるそうです。
あらかじめ経験記述を自分なりに2〜3程度書いておく方がいいと思います。