土木一般 基礎工 4


ケーソン基礎

ケーソン基礎の施工に関する記述のうち適当でないものはどれか。
1 オープンケーソンでは,底版コンクリート打設後,原則としてケーソン内の湛水を排除しなければならない。
2 ニューマチックケーソンの沈下掘削は,砂質及び砂疎地盤では刃口周囲を掘削して,ケーソンを沈下させてから中央部を掘削する。
3 オープンケーソンでは,施工中は常に内外の水位観測を行い,不足する場合は注水することが必要である。
4 ニューマチックケーソンでは,作業室内において,作業室天井と地山との間にジャッキを入れて平板蔵荷試験をすることができる。

解答 (1)
オープンケーソンでは地盤を緩めないため内部排水は行わない。

ニューマチックケーソンの施工に関して適当でないものはどれか。
1 圧気圧が1 kgf/cm2以上のニューマチックケーソンを施工する場合は,ホスピタルロックの設置が義務づけられている。
2 ケーソンの沈設は,ケーソン自重,載荷荷重,摩擦抵抗の低減などによって行うのを原則とするが,やむを得ず減圧沈下を行う場合は,函内作業中の作業員の安全を十分確認して行う。
3 シャフトは,安全施工上,マテリアルロック用とマンロック用に分けて設置するのを標準とする。
4 掘削順序は,一般に中央から始めて周辺に向かって行い,周囲を刃口より50cm程度の範囲を除いて,均等に一定の深さに掘る。

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解答 (2)
函内作業中の作業員の安全を十分確認しては×。作業員の退出を確認してからが〇。

ニューマチックケーソンの施工に関して適当でないものはどれか。
1 ケーソン作業室のコンクリートの打込みは,連続して行い,原則として打継目を作ってはならない。
2 コンプレッサ用受電設備は,2系統受電とするのが望ましい。
3 中埋めコンクリートの打設は,圧気をかけたままの打込みになり,打設に伴って函内の圧力は増加するので圧力を調整する必要がある。
4 本体構築時は,掘削や沈設作業を中止するので,作業室内の気圧を保持する必要はない。

解答 (4)
スライム処理は鉄筋建て込み前に行う
解説
オープンケーソノン(井筒工法)
1 掘削はケーソンの沈下に必要な量とし,刃口の下を余掘して周囲の地盤をゆるめないこと。掘削は,一般にグラブバケット,クラムシェルによる水中掘削となる。この場合,地盤を緩めないためケーソン内を湛水しておく。
2 沈下が困難な時は載荷により徐々に沈下させる。沈下促進のため内部排水,余掘等は行わないこと。ケーソン基礎は沈下完了後,底コンクリートを打設,中詰に土砂を入れ,蓋コンクリート等の上部工を行う。
ニューマチックケーソン(空気ケーソン工法)
1 施工順序
@ 作業室の構築
A シャフト(マンロック,マテリアルロック),エアロック,送気管,排気管の装備
B 掘削
C 沈下
D ケーソンの継ぎ足しを行って支持地盤に致着
E 中詰コンクリート打設
2 掘削は中央から周辺部へ,周囲を刃口より50cm程度の範囲を除いて,均等に一定の深さに振る。なお,砂質及び砂倅地盤では,漏気防止のため刃口周囲を掘削してケーソンを沈下させてから中央部を掘削する。
3 ニューマチックケーソンの施工に際しては,再圧治療設備としてホスピタルロック(1 kgf/cm2以上)を設置し,作業員の出入りのためのマンロックと材科や掘削土砂の搬入搬出等に使用されるマテリアルロックとを分ける。
4 ケーソンを減圧沈下する場合には,ケーソン本体の安全性及び作業員の退出を確認する。
5 安全対策
作業室は,刃口と天井スラブコンクリートの気密性を保つため一体として施工する。ケーソンの継たし中は荷重が増加し,安全対策上,掘削や沈設作業を中止するとともに,作業室の気圧は保持する。
両工法の比較

オープンケーソン ニューマチックケーソン
周辺地盤への影響 地下水位の低下を呼び,外山をよび易く, 地盤を緩めることが多い。 地下水位の低下などがなく,周辺地盤を緩めることが少ない。
施工深さ 周辺摩擦を減殺できると,相当の深さまで施工可能、−60m位の例ある。 高圧作業になり,労務管理から,施工深さは地下水位30mが限度である。
地盤の確認 水中作業になることが多く確認困難 作業室に作業員が下りるので,確認容易。
機械設備 比較的簡単で工費が割安 送気設備を含めて機械電気設備が大がかり。従って工費割高。
工期(障害物除去) 沈下途中に障害物が出ると除去に手間取り,工期が不安定 障害物の除去が容易,しかも沈下が計画的にできて工期が安定。
環境対策 騒音,振動源をもたす,地盤への影響が少ないので市街地施工に適する。 コンプレッサーの騒音・振動,エアロックからの排気音が問題になる。
工事の確実性 一般に水中掘削作業になるため手探り作業になり,確実性に乏しい。重要な構造物では沈下完了後止水し,コンクリート打設が考慮される。 作業室内は排水しての作業になり,確実性が高い。
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