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水準測量の誤差に関する記述のうち誤っているものはどれか。 |
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1 |
一つの水準路線の水準測量は,往復観測とし,往復の高低差がこの測量の誤差となる。 |
2 |
水準路線がはじめの測点にもどる閉合路線では,後視の総和と前視の総和との差がこの測量の誤差となる。 |
3 |
レベルの視準線と気ほう管軸線が平行でないときは,レベルと両標尺との距離を等しくしても,これによる誤差は除かれない。 |
4 |
水準測量の誤差が許容誤差以内であるとき,各測点の誤差の調整は,距離に比例するものとして配分する。 |
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解答 (3)
視準軸誤差は,視準距離を等しくすることにより消去する。
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標高の最確値 |
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図の水準路線においてT点の標高の最確値はどれか。但し,既知点 A,Bの標高は表2のとおり。 |
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表-1
路線 |
距離 |
観測比高 |
A→T |
10km |
+20.20m |
T→B |
5km |
-27.50m |
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表-2
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1 |
32.25m |
2 |
32.30m |
3 |
32.40m |
4 |
42.45m |
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解答 (3)
A→T観測:Hr=32.20m,T→B観測:Hr=32.50mより、軽重率pは測定距離に反比例するから,pa:pb=1/10 : 1/5 =1:2となる。
よって,Hr=(32.20×1+32.50×2)/(1+2)=32.40m
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トランシットの器械誤差と消去法 |
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トランシットによる水平角観測に関して適当でないものはどれか。 |
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1 |
観測回数を増やし,その観測値を平均することにより不定誤差(偶然誤差)を小さくすることができる。 |
2 |
目盛板の位置を概ね等間隔(180°/n)に変えて観測し,全観測値を平均することにより目盛誤差を小さくすることができる。 |
3 |
望遠鏡正位,反位の観測値を平均することによって,目盛板の偏心誤差を消去することができる。 |
4 |
目標が鉛直軸の最大傾斜方向にあるとき,鉛直軸誤差が最大となる。 |
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解答 (4)
最大傾斜方向に視準線が向いたときには,その方向では誤差を生じないが,最大傾斜の方向から90°の方向では最大の誤差を生ずる。
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解説 |
水準測量の誤差 |
1 |
水準測量の許容誤差 |
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水準測量は往復観測を原則とし,往復の高低差つまり往復差(較差)が誤差で,この較差が許容制限内であれば平均値を最確値とする。また,出発点にもどる閉合路線の場合は,後視の総和と前視の総和との差,つまり閉合差が誤差で,やはり制限内になければならない。 |
2 |
誤差の調整 |
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水準測量では,路線の距離に応じて誤差が累積するから,距離に比例して補正値を求める。 |
3 |
誤差の原因とその消去 |
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区 分 |
誤 差 の 原 因 |
誤差の種類 |
消 去 法 |
レベルに関するもの |
視差による誤差 |
不定誤差 |
接眼レンズで十字線をはつきり映し出し,次に対物レンズで像を十字線上に結ぶ。 |
望遠鏡の視準軸と気ほう管軸が平行でないための誤差(視準軸誤差) |
定誤差 |
前視・後視の視準距離を等しくする。 |
レベルの三脚の沈下による誤差 |
定誤差 |
堅固な地盤にすえる。 |
読み取り誤差 |
不定誤差 |
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標尺に関するもの |
目盛の不正による誤差(目盛誤差) |
定誤差 |
基準尺と比較し,尺定数を求めて補正する。 |
標尺の零点誤差 |
定誤差 |
出発点に立てた標尺を致着点に立てる。 |
標尺の傾きによる誤差 |
定誤差 |
標尺を常に鉛直に立てる。 |
標尺の沈下による誤差 |
定誤差 |
堅固な地盤にすえる。又は標尺台を用いる。 |
自然現象に関するもの |
球差・気差による誤差 |
定誤差 |
前視・後視の視準距離を等しくする。 |
かげろうによる誤差 |
不定誤差 |
地上・水面から視準線をはなす。 |
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トランシットの器械誤差と消去法 |
誤差の種類 |
誤差の原因 |
消 去 法 |
水平軸誤差 |
水平軸が鉛直軸に直交していないために生ずる誤差。 |
望遠鏡の正,反観測の平均をとる。 |
視準軸誤差 |
視準軸が水平軸に直交していないために生ずる誤差。 |
望遠鏡の正,反観測の平均をとる。 |
鉛直軸誤差 |
上盤気ほう管が鉛直軸に直交していない,又は製作上の不備のため。 |
なし。(誤差を小さくするには各視準ごとに整準する。) |
目盛盤の偏心誤差 |
トランシットの鉛直軸の中心と目盛盤の中心が一致していないため。 |
A・Bバーニヤの読みの平均又は望遠鏡正反の平均をとる。 |
視準軸の偏心誤差 |
望遠鏡の視準線が回転軸の中心に一致していない。(外心誤差) |
望遠鏡の正・反観測の平均をとる。 |
目盛誤差 |
目盛盤の刻みが正確でない。 |
なし。(目盛盤の全周を使うことにより影響を小さくする。) |
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