土木専門 路盤工事 1


フィルダム

フィルダムの盛立等に関する記述のうち適当でないものはどれか。
1 透水ゾーンの基礎の掘削は,必ずしも岩まで掘削しないで,河床堆積層などを残しておくことが多い。
2 差水ゾーンの盛立面に差水材料をダンプトラックでまき出すときは,できるだけ半透水ゾーンを走行させる。
3 遮水ゾーンの基礎には,支持力,せん断力及びパイピングに対する抵抗性が要求される。
4 半透水ゾーンの材料のまき出しに当っては,かみ合わせをよくするために,下層の表面をかき起こしてから次層をまき出す。
解答 (3)
支持力,せん断力及びパイピングに対する抵抗性は特に要求されるものではない。

ダムの基礎処理(グラウト工)
ダムの基礎処理に関する記述のうち適当でないものはどれか。
1 グラウトの注入は,濃度の薄いものから濃いものへ順次切り替えつつ進めるのが一般的である。
2 軟岩へのグラウトの注入は,注入圧力が限界圧力を超えてはならない。
3 地表のリーク箇所が多い場合には,モルタル又はコンクリート吹付けを行うこともある。
4 水押しは,注入系統のチェック,リーク箇所の発見のため行うものであり,透水試験として利用することは適切でない。


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解答 (1)
グラウトの注入は,濃度の濃いものから薄いものへ進める。
フィルダムの品質管理項目
フィルダムに開する記述のうち適当でないものはどれか。
1 仮排水路は,10〜30年確率流量の通水能力を見込んだトンネル方式とするのが一般的である。
2 土質材料に要求される性質は,締固め後の遮水性やせん断強さであり,締固め度や背水比による品質管理が一般的である。
3 フィルターゾーンに要求される性質は,パイピング防止と排水性であり,背水比による品質管理が一般的である。
4 洪水吐きは,フィル堤体に設けることが厳禁されているので,隣接する地山に開水路として設置されるのが一般的である。
解答 (3)
フィルターゾーン(半透水ゾーン)に要求される性質は,排水性とせん断強度であり,粒度分布による管理が行われる。

解説
フィルダム
1 フィルダム
基礎地盤の制約が少なく,現地材料の特性に合ったダムを作ることができる。大型機械による大規模土工が中心となる。
2 遮水ゾーン(コア)
コア材料は流水機能やパイピングに対する抵抗性があり,せん断強度が大きいこと。
コアの締固めにはダンピングローラが使用され,河川と直角方向(ダム軸方向)に転圧する。浸透水の抑制を目的としてブランケットグラウトを行う。
3 半透水ゾーンの基礎地盤
基礎地盤の凹凸部分はコンクリート等で整形して掘削面を平滑に仕上げる。
4 ロックソーン(透水ゾーン,半透水ゾーン)
着岩部,遮水ゾーン部との境界付近(中間層)では,岩盤及び盛立て材料とのなじみを良くするため細粒な材料(フィルター材)で盛立てる。各層間のなじみをよくするため,レーキドーザでかき起こす。
品質管理項目
土質材料
@ 粒度,液性限界,塑性限界,比重
A 自然含水比,締固め特性
B 透水性,せん断強度,圧密特性
砂礫材料
@ 粒度,比重,吸水率
A 締固め又は密度
B 透水性,せん断強度
ロック材料
@ 粒度
A 比重,吸水率,耐久性,圧縮強度
B 密度
C せん断強度
ダムの基礎処理(グラウト工)
1 グラウトの注入
@ 最初に予定深さまでせん孔して孔口より一度に注入する一段式グラウチング
A ある深さまでせん孔し,そのステージまでの注入を行い,さらにその孔を深くせん孔して次のステージの注入を行うステージグラウト
B ステージグラウトの第1段として,まず濃いグラウトを注入し,大きな割目を填充し,同じステージに薄いグラウトを注入する重複式グラウチング
2 リーク箇所(漏水箇所),水押し(孔の水洗い)。基礎地盤の透水試験には,ルジオンテストが用いられる。
フィルダムの品質管理項目
仮排水路の設計対象流量はコンクリートダムで年に1〜2回生起する流量であり,フィルダムの場合は20年に1回生起する流量である。
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