土木専門 河川工事 1


河川堤防の施工

河川堤防の施工に関する記述のうち適当でないものはどれか。
1 堤防の盛土に利用土を使用する場合は,搬入された盛土材料の敷均し及び締固めの作業を整然と行い,盛土作業場を複雑にしない。
2 堤防拡築時の段切り部は,掘削後長時間放置することは避け,盛土に先だって必要な分ずつ逐次施工する。
3 堤防嵩上げ工事では,既設堤防の天端部分の砕石などは盛土に先だって撤去したり,かき起こしたりして,新しい盛土とのなじみをよくする。
4 堤防断面の拡築工事で,旧規に腹付けを行う場合,土砂を旧堤天端からまき出し,できる限り堤防法線に直角方向に締固める。
解答 (4)
旧堤防天端からのまき出しは,高まきとなり締固め不足の原因となる。堤防法線方向にブルドーザでまき出し,タイヤローラ等で所定の密度まで転圧する。

河川護岸工
河川護岸工に関する記述のうち適当でないものはどれか。
1 沈下が予想される箇所の護岸は,コンクリートブロック張などの屈とう性のある工法が適している。
2 護岸を設置したときは,両端部で洗掘がおこり,護岸が破壊される恐れがあるので,河岸になじむように,蛇かご等で両端末を巻き込む。
3 コンクリート張護岸の表面は,流水の疎通をよくするため平滑にすることが望ましい。
4 護岸の破壊の原因は,基礎の洗掘によるものが多いので,根入れについては十分余裕をもって設計しておく必要がある。


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解答 (3)
護岸表面は,適当な粗度を持たせて護岸付近の流速をおさえる。
鋼橋の架設
河川工事における水割に関する記述のうち適当でないものはどれか。
1 くい出し水割は緩流河川に,ブロック水割は主として大河川の急流部に,多く用いられる。
2 水割の元付け部付近に堆砂させるためには,水割を流向に対して上流に向けて施工する。
3 低水路幅の狭い河川では,一般に水割を設置しない。
4 水割群を施工する場合は,流速の減少を考えて上流の水割ほど粗度を大きくしなければならない。
解答 (4)
水割群を設ける場合は,上流の水割ほど粗度を小さくする。
解説
河川堤防の施工
1 旧堤防を利用し,堤防の拡築をする場合にはすべりを防ぐため,のり面を段切りする。腹付けは,堤防の裏のりに行う。築堤土は,一層50cm位にまき出し,締固める。漏水,滑動,沈下を防ぐため堤防敷の雑草,雑木等の除根を行い,基礎地盤のかき起こしを行って盛土との接着を図る。
2 軟弱地盤上では,置換工法,押え盛土による沈下・滑動の防止,敷そだ,そだ沈床を敷設してすべり破壊等を防止する。
3 盛土完了後の基礎地盤の圧密沈下,堤体の圧縮による沈下を見込み,計画堤防高(天端,のり面,小股等)に余盛をする。
河川護岸工
1 護岸とは,河岸,堤防を被覆して流水による災害から直接保護する施設をいう。
2 護岸表面には,適当な粗度を持たせ,護岸付近の流速をおさえる。低水護岸の基礎は,計画河床よりさらに0.5〜1.5m位深く埋め込む。
3 のり面を被覆して保護するのり覆工には,@芝付工,A石張り工,B石積み工,Cコンクリート張り工,Dコンクリートブロック張り工,E蛇かご工,F柳技工などがある。
水制
1 水制とは,流水に対して流れの方向,流速を制御し河床の洗掘防止等,河道の安定を図り,間接的に堤防を保護する工作物である。
2 透過水制は,流れの一部が透過するように作られたもので,維持が容易で水割による流速の減少のため土砂沈殿に有効である。
3 不透過水制は,流れを透過させない構造で水はね効果が著しく,流水に強く抵抗するため充分な強度と重量が必要となる。
4 流れに対して水割の設置方向により,直角水割,上向水割,下向水割に分類される。流れを河岸から離すには上向きがよく,下向きは避けること。
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