土木専門 RC・鋼構造物 3


溶接

溶接に関する記述のうち適当でないものはどれか。
1 仮付け溶接は,ルートからボンドに洽ってわれが発生し易いので,できるかぎり短く行うのがよい。
2 開封後一定時間以上経過した被覆アーク溶接棒は,適当な温度で十分に乾燥させてから用いるのがよい。
3 マグ(MAG)溶接は,炭酸ガスアーク溶接法と同様で,ガスシールドアーク溶接法の一種である。
4 サブマージアーク溶接は,湿気,ミルスケース,錆,プライマーなどに対して手溶接より敏感であるため,溶接前の清掃が重要である。
解答 (1)
仮付け溶接はわれ防止のため80mm以上とする。
ガス圧接
鉄筋のガス圧接の施工に関して適当でないものはどれか。
1 圧接作業に従事する圧接工の氏名・写真及び証明書番号を,あらかじめ文書で担当技術者に提出し,その承認を得た。
2 圧接作業に従事する圧接工以外の補助員は,圧接作業に必要な知識と経験のある作業員を配置した。
3 圧接面の研削は,圧接作業当日に行い,圧接工が圧接作業直前にその状態を確認するようにした。
4 鉄筋の切断は,圧接端面の切断代及び一圧接箇所について圧接する鉄筋径の半分程度の縮み代を見込んだ。


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解答 (4)
鉄筋の圧接後の形状・寸法が設計図に一致するよう切断又は加工する。但し,圧接端面の切断代及び一圧接箇所について,圧接する鉄筋径程度の縮み代を見込む。 
高力ボルト
鋼材の接合に関して適当でないものはどれか。
1 回転法により締付けた高カボルトの締付け検査の方法は,各ボルト群の10%の本数をマーキングによる外観検査で行う。
2 溶接と高カボルト摩擦接合とを併用する場合は,溶接の完了後に高カボルトを締付けるのを原則とする。
3 ボルトの締付けをトルク法で行う場合は,締付けボルト軸力が各ボルトに均一に導入されるよう締付けトルクを調整しなくてはならない。
4 ボルトを1回で所定の軸力まで締付けると,先に締付けたボルトが緩むことがあるので,2回に分けて締付けるのがよい。
解答 (1)
マーキングによる外観検査は全数で行う。
解説
溶接の施工法
1 被覆アーク溶接
溶接の際の溶融金属の酸化・窒化を防ぎ,酸化物を スラグとして除去するためのフラックスを溶接棒に被覆したものをいう。
2 サブマージアーク溶接
溶接材にワイヤを用い,別送のフラックス中で溶接するものをいう。
3 ガスシールドアーク溶接法
C02,Arガスでシールドし,大気を遮断するもので、以下の方法がある。
@ 炭酸ガスアーク溶接法
A MIG溶接法
B MAG溶接法
4 仮付け溶接
本溶接と同等の技術を持つ者が行う。仮付け溶接の長さは,われを防ぐため80o以上とし,すみ肉のサイズは4mm以上とする。
5 溶接に際し,黒皮・錆・塗料・油等があってはならない。また材片に水分があってはならない。十分乾燥させた状態で溶接を行う。
6 現場溶接の条件
次の条件下で溶接をしてはならない。
@ 雨天時又は作業中に雨天になる恐れがあるとき
A 雨上り直後,あるいは風が強いとき。
B 気温5℃以下のとき。
ガス圧接
ガス圧接法は,接合する両部材を酸素アセチレンガスで加熱し,溶融温度に達する直前に圧力を加えて接合する(鉄筋のふくらみは直径の1.4倍以上,長さは1.2倍以上とする)もので,鉄筋の現場溶接に用いられる。
1 鉄筋の端部はコンクリート中に十分埋込んで,鉄筋とコンクリートとの付着力によって定着するか,フックを付けて定着するか,又は機械的に定着する。引張鉄筋に普通丸鋼を用いる場合には,その端部に必ず半円形フックを付けて定着する。圧縮鉄筋の定着においてはフックの効果は無視する。
2 引張鉄筋の端は,原則としてコンクリートの圧細部に定着する。
3 スターラップは正鉄筋又は負鉄筋を取り囲み,その端を圧細部のコンクリートに定着する。圧縮鉄筋がある場合には,スターラップは引張鉄筋及び圧縮鉄筋を取り囲まなければならない。
高力ボルト
1 ボルトの締付
@ トルク法
締仕けトルクによって軸力を管理する。締付け検査は,自動記録計の場合はボルトの全数を,トルクレンチの場合は各ボルト群の10%を標準とする。
A 回転法
手締めの後さらに180゜〜270゜程度ナットを回転させると,鋼の伸び性状によって,ボルト軸力がほぼ一定値に落ち着くことを利用する。トルクレンチ,スパナで力いっぱい締付けた状態から次の回転力を与える。なお,検査は,マーキングによる外観検査(全数)を行う。
(イ) ボルト長20cm以下 1/2回転
(ロ) ボルト長20cm以上 2/3回転
2 ボルトの締付方法
@ ボルト群の締付けは,中央のボルトから端部のボルトに向かって行い,原則として2度締めを行う。
A 締付けボルト軸力は設計ボルト軸力の10%増しを原則とする。但し,ナット回転法による場合は10%増しの必要はない。ボルトの軸力の導入は,ナットを回して行う。
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