1 |
基礎工法の種類と施工上の注意 |
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@ |
既成コンクリートくい |
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a |
遠心力鉄筋コンクリートくいは,JIS A5310で1種および2種に区分され,1種は主として輔方向荷重に対し,2種は軸方向荷重のほかに水平荷重に対しても耐えられる。 |
b |
遠心カプレストレストコンクリートくいは,JIS A5335で,ひび割れ曲げモーメントの大きさによりA,B,C種に区分される。 |
c |
高強度プレストレストコンクリートくいには,JIS A5337(プレテンション方式遠心力高強度プレストレストコンクリートくい)による製品と,建築基準法第38条(特殊の材料または構法)に基づき認定された製品がある。 |
d |
くい先端部の形には,閉塞形、開放形、半開放形がある。 |
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くい先端部 |
地盤の成層状態 |
注意点 |
閉 塞 形 |
岩盤等、堅固な支持地盤がある場合 |
打撃による破損が無いように施工時の管理が必要 |
開 放 形 |
腐食性粘土,土丹などの土質および転石などがある場合 |
くい内の土の上昇および地下水位が高い場合,その内圧により縦き裂が発生するので,内圧に対応する十分な空気抜き孔を設ける。 |
半 開 放 形 |
中間層のリバウンド量が大きい土質の場合 |
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2 |
施工法の種類 |
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施工法には支持層まで設置する方法と先端支持力を発現させる方法とがあるが,分類すると下表のようになる。 |
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施工法 |
設置方法 |
支持力発現方法 |
機種 |
工法名 |
打ち込み杭工法 |
打ち込み |
打撃 |
ドロップハンマ |
打ち込み工法 |
ディーゼルハンマ |
油圧(低騒音) |
埋め込み杭工法 |
中掘り |
打撃 |
ドロップハンマ |
中掘り工法 |
ディーゼルハンマ |
油圧(低騒音) |
セメントミルク注入 |
低圧普通球根 |
低圧拡大球根 |
高圧拡大球根 |
プレボーリング |
打撃 |
ドロップハンマ |
プレボーリング打撃工法 |
ディーゼルハンマ |
油圧(低騒音) |
セメントミルク注入 |
セメントミルク工法 |
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3 |
打込み工法 |
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a |
打撃工法 |
一般にくい径600 mm 以下の施工に用いられる。ハンマーを使用するため,地盤を緩めることがなく耐力は期待できるが,騒音,振動が大きい。騒音規制法,振動規制法による規制基準がある。 |
b |
中掘り工法 |
くい中空部にオーガなどを挿入し,くい先端部の地層を掘削し,排土しながらくいを設置する方式で,比較的くい径の大きなものに適する。くいの排土を促進するために圧縮空気または水をヘッドから噴出させ,施工機械の自重を利用した圧入やドロップハンマーなどの軽打ちを併用する場合が多い。 |
c |
プレボーリング打撃工法 |
プレボーリング打撃工法:スクリュオーガで掘削し,くいを掘削孔内に建て込み打撃する。この工法は貫入の困難な中間層があるときに用いられていたが,振動,騒音を低減させる工法の一つである。 |
d |
セメントミルク工法 |
セメントミルク工法:プレボーリングエ法の一種で,スクリュオーガでくい径より大きく掘削し,くい周固定液および根固め液を満たした孔内にくいを建込む。 |
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4 |
場所打ちコンクリートくい |
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場所打ちコンクリートくいは,地盤を所定の深度まで掘削し,その中に鉄筋かごを挿入し,コンクリートを打設してくいを築造する工法である。低騒音,低振動で大径,かつ大深度にわたって継目のないくいの施工が可能である。 |
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a |
オールケーシング(ベノト)工法 |
掘削に際して,特殊なケーシングチューブを振動して地中に圧入し,ハンマグラブをケーシング内に落下させて土砂を掘削,排土する。掘削完了後,鉄筋かごを挿入し,ケーシングを引抜きながらドレミ一管を使用してコンクリートを打設する。 |
b |
アースドリル工法 |
掘削の場合,孔壁保護のための安定液としてベントナイト液を使用し,掘削,排土は回転式ドリングバケットを用いる。完了後に鉄筋かごを挿入し,トレミー管でコンクリートを打設する。 |
c |
リバースサーキュレーション工法 |
特殊回転ピットをゆっくり回転させて掘削し,排土は水に混じった掘削孔の土砂(スライム)を水と一緒に吸い上げて処理する。原則として孔壁防護には水を用いるが,ペントナイト溶液を使用することもある。 |
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5 |
鋼 く い |
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鋼くいには鋼管ぐいとH形鋼くいがある。 |
@ |
鋼くいの特徴 |
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a |
継ぎくいにより長尺くいが可能。 |
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b |
材料の強度が高く,支持層に深く貫入でき,支持力が大きい。 |
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c |
曲げに強く,水平力を受けるくいに適する。 |
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d |
くい頭部を上部構造と直結できる。 |
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e |
くい径が大きくなると管の局部座屈が生じることがある。特に先端開放くいでは支持層の根入れが十分でないと,支持力が低下する場合がある。 |
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A |
鋼くいの打込み |
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a |
鋼くいの打込みは既製コンクリートくいに準ずるが,鋼くいの中心間隔はくい頭の径,または幅の2.0倍以上(閉端ぐいは2.5倍以上)かつ75 cm以上とする。 |
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b |
H型鋼くいでH型の方向が指定された場合は,その方向を規正するキャップを用いるか,その他適当な方法によりくいの断面形状を指定された方向に一致させる。 |
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c |
くい先端部は,補強を行う場合,行わない場合,および先端部にシューを付ける場合とがある。特記のない場合は開放形とし,補強板はJISの解説による。 |
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d |
くい頭部の処置は,ハンマーの選択が適当で作業が適正な場合は,頭部の補強は必要としない。 |
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e |
鋼くいの防食方法には次のような方法がある。 |
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1 |
腐食しろを加算する(最も一般的なものは2〜3mm増しておく)。 |
2 |
タールエポキシ塗料や厚膜型ジンクリッチペイントを塗る。 |
3 |
コンクリートを厚さ60mm程度以上包み込む。 |
4 |
電気防食による。 |
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