鉄筋工事 1

学習するポイント
鉄筋の種類
組立て上の留意点

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1 鉄筋の種類
区  分 種類の記号(SI単位)
丸  鋼 SR235
SR295
異形棒鋼 SD295A
SD295B
SD345
SD390
SD490
再生丸鋼 SRR235
SRR295
再生異形体鋼 SDR235
SDR295
SDR345

鉄筋の加工
@ 加工切断 鉄筋の切断,曲げなどの加工は,鉄筋工作図に従って正確に行う。加工は常温冷間加工を原則とする。切断はシャーカッタまたは電動のこによって行う。やむを得ない場合を除いてガス切断をしてはならない。
A 折り曲げ加工 折り曲げ加工は冷間加工とし,その形成および寸法は下表のとおりである。なお,折り曲げには折曲げ機を使用する。
末端部
中間部
SRR:再生体鋼,SDR:再生異形体鋼
1 dは,丸鋼では径,異形鉄筋では呼び名に用いた数値とする
2 折り曲げ角度90°は,スラブ筋・壁筋末端部またはスラブと同時に打ち込むT形およびL形ばりに用いるU字形あばら筋とともに用いるタイのみに用いる
3 片持ちスラブの上端筋の先端,壁の自由端に用いる先端は,余長は4d以上でよい
(日本建築学会編「建築工事標準仕様書(JASS5)」による)

組  立  て
@ 鉄筋の清掃:組立てに先立ち,浮きさび,油類,ごみ,土などのコンクリートの付着を妨げるおそれのあるものを除去する。
A 柱,はり筋のかぶりは,主筋の外周りを包んでいる帯筋,あばら筋から測定する。
B 結束:通常は0.8〜0.85mmのなまし鉄線を用いて結束する。
C スペーサ:鉄筋のかぶり厚さを保つために使用される(JASS5参照)。
スペーサーの配置基準
部位 スラブ
数量または配置 上端筋、下端筋それぞれ1.3個/u程度
面積 
4u程度8個 ・ 16u程度20個
間隔は1.5m程度
端部は1.5m以内
上段は梁下より0.5m程度
中段は柱脚と上段の中間柱幅
1.0mまで2個
1.0m以上3個
側梁以外の梁は上又は下に設置。側梁は側面にも設置
使用部位や所要かぶり厚さに応じて,スペーサの材種,形状,サイズを使い分ける。断熱材打込み部スペーサは断熱材にくい込むため,かぶり厚さの確保が難しいので,めり込み防止用スペーサを使う。
D 鉄筋の間隔(あき):鉄筋の相互のあきは,粗骨材の最大寸法の1.25倍以上かつ25mm以上,また丸鋼では径,異形鉄筋では呼び名の数値の1.5倍以上とする。
E かぶり厚さ:かぶり厚さは仕上げの有無,屋内と屋外,また土に接しているかどうかにより異なる
部     位 かぶり厚さ(mm)
土に接しない部分 屋根スラブ
床 ス ラ ブ
非 耐 力 壁
屋  内 30
屋  外 40
   柱
は     り
耐  力  壁
屋  内 40
屋  外 50
擁  壁 50
土に接する部分 柱・はり・床スラブ・耐力壁 50
基  礎  ・  擁  壁 70
1 耐久性上有効な仕上げのある場合,係員の承認を受けて30mmとすることができる。
2 耐久性上有効な仕上げのある場合,係員の承認を受けて40mmとすることができる。
3 コンクリートの品質および施工方法に応じ,係員の承認を受けて40mmとすることができる。
(日本建築学会編「建築工事標準仕様書(JASS5)」による)
F 鉄筋の定着長さ,重ね継手
鉄筋の定着
鉄筋の定着とは,仕口において部材相互の一体化を図るため,一方の部材の鉄筋を応力伝達を目的として,他方の部材内に延長して埋め込む。
2 重ね継手
a 鉄筋の継手は原則として応力の小さい位置で,かつ常時圧縮力が生じている部分に設ける。
b フックの長さは継手の長さに含まれない。
c 鉄筋径が28mm以上の丸鋼またはD29以上の異形鉄筋においては,重ね継手としてはならない。
d 径の異なる鉄筋の重ね継手の長さは,細いほうの鉄筋径による。
鉄筋の定着および重ね継手の長さ
種 類 コンクリー卜の
設計基準強度
(kg/cu)
重ね継手の長さ
   (L1)
定着の長さ種類
一  般
(L2)
下端筋(L3)
小 ば り 床・屋根
スラブ
SR235
SRR235
150
180
45dフック付き 45dフック付き 25dフック付き 150 mm
フック付き
210
225
240
35dフック付き 35dフック付き
SD295A
SD295B
SDR295
SD345
SDR345
150
180
45dまたは
35dフック付き
40dまたは
30dフック付き
25dまたは
15dフック付き
10dかつ
150mm以上
210
225
240
40dまたは
30dフック付き
35dまたは
25dフック付き
270
300
360
35dまたは
25dフック付き
30dまたは
20dフック付き
SD390 210
225
240
45dまたは
35dフック付き
40dまたは
30dフック付き
270
300
360
40dまたは
30dフック付き
35dまたは
25dフック付き
1 末端のフックは定着長さに含まない。
2 dは,丸鋼では径,異形鉄筋では呼び名に用いた数値とする。
3 耐圧スラブの下端筋の定着長さは一般定着(L2)とする。
4 直径の異なる重ね継手長さは細いほうのdによる。
(日本建築学会編「建築工事標準仕様書(JASS5)による)
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