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海水浴場の店、休憩所等(海の家) |
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建築物の定義 |
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海水浴場の休憩所等において、上部を天幕、ビニール等で葺いた場合で、それらが容易に取りはずし自由である場合は建築物に該当しない。 |
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解 説 |
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従前、海水浴場の休憩所等において、上部を天幕、ビニール等で葺いた場合であっても、雨覆いの効用があり、法2 条の建築物の定義における、「屋根及び柱若しくは壁を有するもの。」に該当し、屋内的空間も形成していることから、上部を容易に取りはずし自由である場合を除き、建築物と解される。しかし、すだれ、よしず等で葺いた場合は、日よけの効用があり建築的利用を目的とする屋内的空間を形成しているといえるが、建築物の定義の一つである「屋根」とは雨覆いの効用が有るものをさすとされていたので、雨覆いの効用がないすだれ、よしず等で上部を葺いた場合は屋根にはあたらないというのが従前の通説であった。
しかし、平成4年の法改正により、建築物の定義である「土地に定着する工作物のうち屋根及び柱又は壁を有するもの」に「これに類する構造のもの」を含むことが法文に追記され、「これに類する構造」の屋根等に該当するものとして、「穴あき鋼板等であっても一定の拡がりのある板であり、その下部に建築的な利用を行う空間を存しているようなものは、建築物に該当し、当然に建築物としての規制を受けるものである。」と解されるとされた。
よって、一概に上部が雨覆いの機能が無い構造であることをもって、建築物に該当しないとの判断ではなく、上部覆いの機能と下部の使用目的が建築的空間となりえる場合は、それらが容易に取りはずし自由である場合等を除き、法第2条第1号に規定する「これに類する構造のもの」に該当すると解され、建築物に該当するものと解される。 |
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参 考 |
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1. |
(昭和37年9月25日住指発第86号) |
2. |
(国土交通省住宅局建築指導課・市街地建築課編集『問答式建築法規の実務』新日本法規) |
3. |
(『改訂建築基準法(特別法コンメンタール)』荒秀・関哲夫・矢吹茂郎編著、第一法規) |
4. |
(『建築基準法体系』島田信次・関哲夫著、酒井書店) |
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