平成26年度 1級建築施工管理技術検定試験  午前問題

No1〜No15までの15問題の内から12問題を選択し、解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No1 換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 汚染物質が局所的に発生する場所では、汚染物質が拡散する前に捕集し排気する方法が有効である。
2 必要換気量は、換気をする室の1時間に必要とする外気量で表すことができる。
3 室内の換気を効率よく行うためには、給気口から排気口に至る換気経路を短くする方がよい。
4 熱交換器は、冷暖房時に換気による熱損失を軽減するために用いられる。

解答と解説:      

答え--- 3
室内の換気を効率よく行うためには、給気口から排気口に至る換気経路を長くする方がよい。短くすると換気されない部分が発生しやすい。

No2 採光及び照明に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 光束とは、単位時間当たり、発散、透過又は入射する光のエネルギー量をいう。
2 演色性とは、照明光による物体色の見え方についての光源の性質をいう。
3 光度とは、反射面を有する受照面の光の面積密度をいう。
4 昼光率とは、全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比をいう。

解答と解説:      

答え--- 3
"光度"とは点光源からある方向の単位立体角内に放射される光束の大きさ
反射面を有する受照面の光の面積密度は"照度"である。


No3 音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 単層壁の透過損失は、一般に壁の面密度が大きいほど大きくなる。
2 グラスウールなど多孔質の吸音材は、一般に高音域に比べて低音域の吸音率が大きい。
3 残響時間は、室の容積が大きいほど長くなり、室内の平均吸音率が大きいほど短くなる。
4 コインシデンス効果とは、入射音波と板材の共振により、遮音性能が低下する現象をいう。

解答と解説:      

答え--- 2
多孔質の吸音材は高音域のほうが吸音率が良い。低音域の低音率を高めるなら密度が大きいほうが効果的になる。



No4 鉄筋コンクリート造の構造計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 柱の変形能力を高めるため、曲げ降伏強度がせん断強度を上回るように計画する。
2 垂れ壁や腰壁により短柱となる柱は、水平力が集中するので、壁と柱の間を構造的に縁を切るなど考慮する。
3 壁に小さな開口がある場合でも、その壁を耐震壁として扱うことができる。
4 平面形状が極めて長い建物には、コンクリートの乾燥収縮や不同沈下等による問題が生じやすいので、エキスパンションジョイントを設ける。

解答と解説:      

答え--- 1
柱について柱の変形能力を高めるためなら、せん断強度の方が強くなければならない。


No5 鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 壁板のせん断補強筋比は、直交する各方向に関して、それぞれ0.0025以上とする。
2 普通コンクリートを使用する場合の柱の小径は、原則としてその構造耐力上主要な支点間の距離の1/15以上とする。
3 床スラブの配筋は、各方向の全幅について、鉄筋全断面積のコンクリート全断面積に対する割合を0.1 % 以上とする。
4 柱梁接合部内の帯筋間隔は、原則として150 mm以下とし、かつ、隣接する柱の帯筋間隔の1.5 倍以下とする。

解答と解説:      

答え--- 3
スラブ各方向の全幅について、鉄筋全断面積のコンクリート全断面積に対する割合は0.2%以上とする。


No6 鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 H形鋼は、フランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると局部座屈を生じやすい。
2 角形鋼管柱とH形鋼梁の剛接合の仕口部には、ダイアフラムを設けて力が円滑に流れるようにする。
3 中間スチフナは、梁の材軸と直角方向に配置し、主としてウェブプレートのせん断座屈補強として用いる。
4 部材の引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合の場合より普通ボルト接合の方が少ない。

解答と解説:      

答え--- 4
高力ボルトの摩擦接合は、材片間の接合面での摩擦抵抗により力を伝達するので、一般的に部材の引張力によってボルト穴周辺に生じる応力集中の度合は、普通ボルト接合の場合より高力ボルト摩擦接合の方が少ない。

No7 杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 支持杭を用いた杭基礎の許容支持力には、基礎スラブ底面における地盤の支持力を加算する。
2 埋込み杭は、打込み杭に比べて極限支持力に達するまでの沈下量が大きい。
3 地盤から求める杭の引抜き抵抗力に杭の自重を加える場合は、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。
4 地震時に杭が曲げ破壊する場合には、破壊は一般に杭上部に発生しやすい。

解答と解説:      

答え--- 1
支持杭の許容応力にスラブ等の底面の支持力は加算しない。杭のみで支持力を検討する。

No8 建築物に作用する荷重及び外力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 積雪荷重は、積雪の単位荷重に屋根の水平投影面積及びその地方における垂直積雪量を乗じて計算する。
2 風圧力を求めるために用いる風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積により算出する。
3 地震層せん断力は、2階に生じる地震層せん断力より1階に生じる地震層せん断力の方が大きい。
4 劇場、映画館等の客席の積載荷重は、固定席の方が固定されていない場合より小さい。

解答と解説:      

答え--- 2
風力係数Cfは外圧係数と内圧係数との差で算定される。積(×)ではない。



No9 図のような荷重を受ける3ヒンジラーメンの支点A及びBに生じる垂直反力をそれぞれVA及びVBとしたときの反力の組合せとして、正しいものはどれか。
1 VA=2 kN(下向き) VB=6 kN(上向き)
2 VA=1 kN(下向き) VB=5 kN(上向き)
3 VA=5 kN(上向き) VB=1 kN(下向き)
4 VA=6 kN(上向き) VB=2 kN(下向き)

解答と解説:      

答え--- 2
F点のモーメントはヒンジなので0である。式にMF=0を条件としておく。
F点から、左側、右側と分けて反力を求めると仮定して、
反力は
ΣX=0 HA+HB-8=0 ----(1)
ΣY=0 -VA+4-VB=0 ----(2)
ΣMA=0 -8VB+4×2+8×4=0
上記式より、VB=5KN(上向き)
(2)より、-VA+4-5=0 VA=-1KN(下向き)


No10 単純梁に荷重が作用したときの梁のせん断力図が下図となるとき、その曲げモーメント図として、正しいものはどれか。
ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。
1
2
3
4

解答と解説:      

答え--- 2
この剪断図で判断できる事は、L/3の位置にある荷重qは両端VA、VBと同じになるが方向のみ違う場合である。
VA=VB=-qとなる2点集中荷重型になる。
両端AB、ABは上方向荷重、qはそれぞれ下方向で、VA=-qが成立するパターンになる。この場合は下方向の台形が適当である。



No11 コンクリートに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 コンクリートにAE剤を混入すると、凍結融解作用に対する抵抗性が改善される。
2 コンクリートのポアソン比は0.2 程度である。
3 空気量が1%増加すると、コンクリートの圧縮強度は4 〜6 %低下する。
4 コンクリートのヤング係数は、単位容積質量が大きくなるほど、小さくなる。

解答と解説:      

答え--- 4
ヤング係数は一般的に、単位容積質量が大きくなるほど、大きくなる。

No12 左官材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 メチルセルロースは、水溶性粉末でセメントモルタルに混入して、作業性の向上のために用いられる。
2 パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕し、高温で急激に加熱し膨張させた軽量骨材である。
3 ドロマイトプラスターは、それ自体に粘りがないため糊を必要とする。
4 せっこうプラスターは、主成分である焼せっこうが水和反応を起こし、余剰水が発散して硬化する塗り壁材料である。

解答と解説:      

答え--- 3
ドロマイトプラスターは、糊材を必要としないため混練りが容易で作業性が良いのが特徴である。


No13 建築用ガラスに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 複層ガラスは、2枚の板ガラスの間に乾燥空気層を設けて密封したもので、結露防止に効果のあるガラスである。
2 熱線吸収板ガラスは、板ガラスに鉄、ニッケル、コバルトなどを微量添加したもので、冷房負荷の軽減に効果のあるガラスである。
3 合わせガラスは、2枚以上の板ガラスに中間膜を挟み全面接着したもので、外力の作用によって破損しても、破片の大部分が飛び散らないようにしたガラスである。
4 倍強度ガラスは、板ガラスを熱処理してガラス表面に適切な大きさの圧縮応力層をつくり、破壊強度を増大させ、かつ、破損したときに細片となるようにしたガラスである。

解答と解説:      

答え--- 4
板ガラスを熱処理して破損したときに細片となるようにしたガラスは、強化ガラス又は耐熱強化ガラスのこと。倍強度ガラスは、普通フロートガラスと同じようなヒビ割れを起こす。倍強度ガラスは、強化ガラスと表面の圧縮応力層は異なっているので粉々になるようなことがない。


No14 アスファルト防水材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 砂付ストレッチルーフィング800の数値800は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)の呼びを表している。
2 有機溶剤タイプのアスファルトプライマーは、ブローンアスファルトなどを揮発性溶剤に溶解したものである。
3 改質アスファルトは、合成ゴム又はプラスチックを添加して性質を改良したアスファルトである。
4 改質アスファルトルーフィングシートには、温度特性による区分でT類とU類があり、T類の方が低温時の耐折り曲げ性がよい。

解答と解説:      

答え--- 4
JIS A 6013 改質アスファルトルーフィングシートより、耐折り曲げ性はT類が−5 ℃で,き裂が生じないこと。
U類が−15 ℃で,き裂が生じないこと。なので、U類のほうが低温時の性能が良い。

No15 床材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 コンポジションビニル床タイルは、単層ビニル床タイルよりバインダー量を多くした床タイルである。
2 複層ビニル床タイルは、耐水性、耐薬品性、耐磨耗性に優れているが、反面、熱による伸縮性が大きい。
3 ウィルトンカーペットは、機械織りカーペットで、数色のパイル糸を使って模様を織り出すことができる。
4 リノリウムシートは、あまに油、松脂、コルク粉、木粉、炭酸カルシウム等を練り込んで、麻布を裏打ち材として成形した床シートである。

解答と解説:      

答え--- 1
コンポジションビニル床タイルも単層ビニル床タイルの一種ではあるが、バインダー(ビニル樹脂,可塑剤,安定剤)の含有率30%未満を呼ぶ。含有率30%以上はホモジニアスビニル床タイルである。バインダー量が少ないので安価ではあるが、耐摩耗性に劣り、割れやすい性質になる。

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