建築基準法 告示

準不燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げに関する告示
平成21年2月27日 第225号
第一 第4号 いろり
準不燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げを定める件
この告示は、和風居室にいろりなどを設置する際に室内全てが準不燃材で仕上げる必要があった従来の建築基準法の扱いを緩和する告示である。ただし、この告示の扱いは住宅に限定されている。よって店舗や旅館などに用いることが出来ない。(兼用住宅で店舗部分1/2未満かつ50m2未満ならば適用可能)
扱いとなる火気は4種類
第一号  コンロ(電熱器コンロ)
第二号  ストーブ
第三号  壁付暖炉
第四号  いろり
第一 第3号 いろり
告示内容
 いろり(長幅が90cm以下のものに限る。)を設けた室(いろりの端の各点を水平方向に95cm移動したときにできる軌跡上の各点を、垂直上方に130cm移動したときにできる軌跡の範囲内の部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を含む場合にあっては、当該部分の仕上げを特定不燃材料でしたものに限る。以下この号において「いろり可燃物燃焼部分」という。)に壁又は天井が含まれる場合にあっては、当該壁又は天井の間柱及び下地を特定不燃材料としたものに限る。)
解説
 いろり(囲炉裏)は田舎民家風のインテリアとして採用される場合があるが、裸火を扱う特性上内装制限の対象となる。ただ、田舎民家風ならそれなりの雰囲気にしたい。といった声によりこの告示が生まれた。
最近はインテリアとして火鉢などを販売していることがあるが、これについても同様の考え方とみなすべきです。


いろりのある室の壁・天井
いろり可燃物燃焼部分の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを特定不燃材料ですること。

いろりのある室の可燃物燃焼部分以外の部分
いろり可燃物燃焼部分以外の部分(いろりの端の各点を水平方向に150cm移動したときにできる軌跡上の各点を、垂直上方に420cm移動したときにできる軌跡の範囲内の部分に限る。)の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを難燃材料等ですること。


以下にいろりのある室の各不燃仕上げ範囲を表す
平面図
側面図
オレンジ部分は特定不燃物の範囲を示す
黄色部分は難燃材料等の範囲を示す

それより外は内装の規定無し



 計画する場合、いろりの端から95cmまでに壁などがある場合は下地仕上げ共不燃材にしなければならない。普通いろり端には座るスペース設ける計画が多いだろうからほとんど心配ないでしょうね。
 150cmまでに壁があれば準不燃などで仕上げれば良い。それ以上なら仕上げの規制はありません。注意しなければならないところは建具でしょう。民家風で防火建具では絵になりません。やっぱり木製建具を採用したいでしょうから。

 天井について420cm以上なら難燃にする必要がない。実際に応用しようとするなら吹抜でしょうね。茅葺き天井でも可能ということですね。
まあ、通常の客室なら天井高240cmくらいでしょうから準不燃で応用できそうです。
下地が石膏ボードなどなら木板張り仕上げも可能みたいですのでインテリア設計上支障ないでしょう。



 民家風の囲炉裏を計画する場合に火棚を設ける場合があります。炉の上部に木材で井桁に組んだものです。実用性は煙を拡散させることで熱を長い時間停滞させる効果があるようですが、装飾などで用いることもあるでしょう。この場合は鉄など不燃材では味気ないです。やっぱり木材で計画したいですね。その場合H12年建告第1439号第1第2号の規定でいけるでしょうか。
高さは135cm。4尺5寸なら違和感ありません。あとは難燃である証明ができればOKです。木材等の厚さが25mm以上である場合においては、この限りでない。この文面からいけば火棚作れそうです。
ただ、竹などを敷き並べたような火棚の場合、安全を証明する必要があるかもしれません。このような用途に利用できる認定商品があればいいですね。
火棚は内装と見るのか?という意見もあるでしょう。あくまで内装制限なので内装でないなら規制対象でないと見られるかもしれませんが、この辺は各行政の指導により異なるところでしょう。
次の問題点は鍋などを吊る自在鉤ですが、昔民家風なら木材製のものが用いられましたが、これは不燃でないのでアウトっぽいです。金属製のものにする必要があります。実際の商品ではほとんど金属製なので問題ないでしょう。

それと上写真のような横木です。魚の彫り物の横木など風情があって採用したいところですが位置的には135cm以下になるでしょうから、木製ならアウトでしょうか。いや、これは内装製品ではないので今回の規制では関係のないものです。
ただ、各地の消防署の担当者次第で何か一言あるかもしれませんが。(住宅は消防同意物件ではないので実際は規制無しですが)
この規制は囲炉裏規制と呼ぶべきでしょうが、直接火を扱う火鉢や炭火焼き炉端テーブルなどもこれに準じると考えるべきなのか? 恐らく行政庁判断では「準防火にしてね」と言われそうです。

S44年住指発149 号とS45年住指発35号の規定で「天井面又は壁面の木製柱・梁及び照明器具カバー等については天井・壁の見附面積の1/10以下の場合制限の対象から免除される規定がある。これも応用することが可能でしょう。
1号 コンロ
2号 ストーブ
3号 壁付暖炉
4号 いろり
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