平成21年度 1級管工事施工管理技術検定試験  午前問題(問題A) Page1

※ 問題番号No.1〜No.14 までの14 問題は必須問題です。全問題を解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No 1 地球環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 京都議定書による削減の対象となる温室効果ガスは、二酸化炭素、メタン、代替フロン等の6種類である。
2 京都議定書では、日本が他国に協力して実施した事業における温室効果ガスの削減量は、日本の削減実績に繰り入れることができる。
3 日本の2005 年度の温室効果ガス総排出量は、1990 年度比で約3%減である。
4 アンモニアは、地球温暖化係数が小さく、オゾン破壊係数も0の自然冷媒である。

解答と解説: 

答え--- 3
京都議定書基準年の1990年の温室効果ガス総排出量は12億6100万トン、2005年は13億6400万トンに増加している。約8%の増加である。

No 2 冬期における外壁の結露に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 室内空気の絶対湿度が同じ場合、室内空気の温度の高い方が、表面結露が生じやすい。
2 外壁に面した室の隅の部分は、他の部分より伝熱量が増すため、表面結露が生じやすい。
3 外壁の室内側に断熱材を設ける場合、防湿層は断熱材の屋外側より室内側に設けた方が、内部結露が生じにくい。
4 外壁の室内側に設ける断熱材は、グラスウールよりポリスチレンフォームの方が、内部結露が生じにくい。

解答と解説: 

答え--- 1
表面結露は絶対湿度に大きく作用される。
絶対湿度に対して相対湿度があるが、相対湿度はその温度の飽和水蒸気量に対しての割合をいい、同じ湿度でも温度によって含まれている水蒸気の量は異なる。
通常、冬の空気は温度が低く相対湿度が高い場合でも絶対湿度は低い、よってその空気を暖めたときの相対湿度は低いこととなり、乾燥していることになる。
よって、室内空気の温度の高い方が、表面結露が生じにくい。

No 3 室内環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 空気中の二酸化炭素濃度が18%程度以上になると、人体に致命的となる。
2 空気中の一酸化炭素濃度が1%程度になると、20 分で人体に頭痛、目まいが生じる。
3 臭気は、臭気強度や臭気指数で表され、空気汚染を知る指標とされている。
4 ホルムアルデヒドやトルエン、キシレン等の揮発性有機化合物(VOC)は、シックハウス症候群の原因物質である。

解答と解説: 

答え--- 2
一酸化炭素濃度で、記述内容の症状が出るのは0.16%程度のころである。1%もあれば1〜2分で死亡してしまいます。

No 4 流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 動粘性係数は、粘性係数をその流体の密度で除したものである。
2 粘性による摩擦応力の影響は、一般に、境界層の近くで顕著に現れる。
3 密閉された容器内に静止している流体の一部に加えられた圧力は、すべての方向に等しく作用する。
4 鋼管よりも硬質塩化ビニル管の方が、ウォータハンマが発生しやすい。

解答と解説: 

答え--- 4
ウォータハンマは素材の硬いほうが発生しやすい。鋼管の場合はエルボ等の接続箇所による吸収効果も期待できない。


No 5 流体に関する用語の組合せのうち、関係のないものはどれか。
1
レイノルズ数  --- 慣性力
2
ムーディ線図  --- 管摩擦係数
3
トリチェリの定理  --- 毛管現象
4
ダルシー・ワイスバッハの式  --- 圧力損失

解答と解説: 

答え--- 3
トリチェリの定理は、液体を入れた容器の側面に比較的小さな穴を空けたときの液体の流出速度に関するものである。毛管現象とは全く関係ない。


No 6 ベルヌーイの定理に関する文中、内に当てはまる用語の組合せとして、適当なものはどれか。
ベルヌーイの定理は、重力の場において、定常流である非圧縮性の に適用されるエネルギー保存の法則であり、 で表される。
ただし、v:流速、g:重力加速度、P:圧力、ρ:流体の密度、H:基準面からの高さとする。
1 完全流体 -
2 完全流体 -
3 粘性流体 -
4 粘性流体 -

解答と解説: 

答え--- 1
これはベルヌーイの定理のうち圧力による表現である。
設問でもあるが、ベルヌーイの定理の仮定は
1 粘性がないこと
2 定常流れであること
3 非圧縮性であること
以上の3つの条件が必要である。覚えておきましょう。

No 7 熱に関する用語の組合せのうち、最も関係の少ないものはどれか。
 1  熱力学の第二法則  --- エントロピー
 2  熱伝導  --- ステファン・ボルツマン定数
 3  モリエ線図  --- 冷凍サイクル
 4  気体の状態式  --- ボイル・シャルルの法則

解答と解説: 

答え--- 2
ステファン・ボルツマンの法則とは・・・
黒体の表面から単位面積、単位時間当たりに放出される電磁波のエネルギー I が、その黒体の熱力学温度 T の 4 乗に比例するという物理法則である。
放射に関するものなので熱伝導とは直接関係は無い。
ちなみに、ステファン・ボルツマン定数は宇宙空間など物質の無い真空中でも熱エネルギーは放射の形で伝わる仮定での定数であり、宇宙自然学などに用いられているが、地球の温室効果を太陽の輻射当から求めることにも使われています。
少なくとも管工事資格で利用される方はいないでしょう(いらっしゃるのかな?)

No 8 湿り空気に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 湿り空気の全圧は、その湿り空気中の乾き空気の分圧と水蒸気の分圧の和で表される。
2 飽和湿り空気では、水分の蒸発がないので、乾球温度と湿球温度が等しくなる。
3 熱水分比とは、乾き空気のエンタルピーの変化量と水蒸気のエンタルピーの変化量との比をいう。
4 圧力一定のもとで湿り空気を電気加熱器で加熱すると、エンタルピーは増加するが、絶対湿度は変化しない。

解答と解説: 

答え--- 3
熱水分比とは、エンタルピの変化量と絶対湿度の変化の比のことをいう。
乾き空気ではない。


No 9 図のような固体壁の両側の流体間の熱伝達における熱通過率(K)として、正しいものはどれか。
ただし、壁1、壁2の熱伝導率、厚さ及び表面熱伝達率は、λ1、L1、α1及びλ2、L2、α2とする。
1
2
3
4

解答と解説: 

答え--- 4
気体のような流体でも固定されたものでも基本は同じと考える。
固体の場合、表面熱伝達率/熱伝導率。流体の場合、1/表面熱伝達率
壁の熱伝導率がそれぞれ違う場合はそれを合算したものを、1から除することにより熱通過率を求めることが出来る。

No10 音に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 騒音計には、A特性、C特性及び平坦特性があるが、騒音レベルは、一般に、平坦特性を用いて測定した音圧レベルである。
2 音の強さとは、音の進行方向に垂直な平面内の単位面積を単位時間に通過する音のエネルギー量をいい、単位はW/m2 で表示される。
3 音の大きさとは、その音と同じ大きさに聞こえる周波数が1,000 Hzの純音の音圧レベルの値である。
4 残響時間とは、音源を停止した後、音圧レベルが60 dB減衰するまでの時間をいう。

解答と解説: 

答え--- 1
騒音レベルの測定では常に A特性を使って測定を行なう。
ちなみに平坦特性はFLAT特性ともいうが、新たな規格としてZ特性というものがある。
ただ、許容差を考慮すればFLAT特性とみなしてもかまわない。

No11 三相誘導電動機のスターデルタ始動方式の特徴として、適当でないものはどれか。
1 巻線をスター結線で始動させ、デルタ結線で運転する方式で、減電圧始動方式の中では、比較的安価である。
2 全電圧直入れ始動方式と比較して、始動電流を1/3に低減できる。
3 始動から運転に入るときに、電気的、機械的ショックを生じる。
4 一般に、軽負荷で始動できる5.5 kW 未満の電動機に多く用いられる。

解答と解説: 

答え--- 4
スターデルタ始動方式は主に7.5kWから45kW程度までの電動機で採用される。
オープンスターデルタ始動方式のことを一般的に示す。
ちなみに7.5kw以下なら全電圧始動、
45kWを超えるならリアクトル始動
100kW以上ならコンドルファ始動が適している。

No12 電気工事の施工に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 PF管(合成樹脂製可とう電線管)を直接コンクリートに埋め込んで敷設した。
2 人が触れるおそれがある使用電圧が400 Vの低圧回路の金属管に、D種接地工事を施した。
3 電線の接続は、プルボックスの内部で行った。
4 浄化槽の分岐回路に、漏電遮断器を設けた。

解答と解説: 

答え--- 2
D種接地工事は、 300V以下の機器の鉄台、金属製外箱、金属管などに用いるので、設問の400Vの場合はC種接地工事以上になる。

No13 鉄筋コンクリートに関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 水セメント比が大きくなると、コンクリートの強度は低下し、乾燥収縮によるひび割れを誘発することがある。
2 コンクリートを打ち込む場合、1箇所に多量に打ち込んでバイブレータ等により横流しをしてはならない。
3 床版に最大径が700 mm 以下の開口を設ける場合で、鉄筋を切断するときは、開口の周囲や隅角部を鉄筋で補強する。
4 柱の鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、主筋の外側からコンクリートの表面までの最短距離をいう。

解答と解説: 

答え--- 4
コンクリートのかぶり厚さは、帯筋の外側からコンクリート表面までをいう。

No14 集中荷重P 又は等分布荷重wが作用する梁の曲げモーメント図として、適当でないものはどれか。

1 両端支持梁に集中荷重P が作用する場合
2 両端固定梁に等分布荷重wが作用する場合
3 片持ち梁に集中荷重P が作用する場合
4 片持ち梁に等分布荷重wが作用する場合


解答と解説: 

答え--- 2
両端固定に荷重がかかる場合、モーメント力は端部では(-)力が働く。

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平成21年 一級管工事施工管理技士試験  学科試験 午前問題1_No.01〜No.14
午前問題2_No.15〜No.29
午前問題3_No.30〜No.44
午後問題1_No.01〜No.15
午後問題2_No.16〜No.29
 実地試験 問題 No.1〜No.6