平成22年度 1級管工事施工管理技術検定試験  午前問題(問題A) Page1

※ 問題番号No.1〜No.14 までの14 問題は必須問題です。全問題を解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No 1 環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 光化学汚染物質は、大気中に窒素酸化物と炭化水素が共存するとき、太陽の紫外線によって生成し、目や気管支等に障害をもたらす。
2 地球の温暖化に影響を与える程度を示す地球温暖化係数(GWP)は、メタンより二酸化炭素の方が大きい。
3 HCFC-22などの指定フロンは、CFC-11などの特定フロンに比べてオゾン層への影響は少ないがゼロではないため、2020 年までに補充用を除き、生産・輸出入が禁止される。
4 酸性雨は、大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んでpH 5.6以下の酸性となった雨、霧などのことで、湖沼や森林の生態系に悪影響を与える。

解答と解説: 

答え--- 2
地球温暖化係数で、二酸化炭素を1とすると、メタンは21になる。
地球温暖化対策の推進に関する法律 施行令第4条

No 2 温熱環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 有効温度(ET)は、ヤグローが提唱したもので、乾球温度、湿球温度及び気流速度に関係する。
2 作用温度(OT)は、乾球温度、気流速度及び周囲の壁からの放射温度に関係するもので、実用上は周壁面の平均温度と室内温度との平均値で示される。
3 等価温度(EW)は、乾球温度、気流速度及び周囲の壁からの放射温度に関係するもので、実用上はグローブ温度計により求められる。
4 予想平均申告(PMV)は、大多数の人が感ずる温冷感を+5から-5までの数値で示すものである。

解答と解説: 

答え--- 4
予想平均申告(PMV)は、温冷感を+3から-3までの数値で示す。
+3 熱い
+2 暖かい
+1 やや暖かい
0 どちらでもない
-1 やや涼しい
-2 涼しい
-3 寒い


No 3 排水の水質に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 BODは、河川等の水質汚濁の指標として用いられ、水中に含まれる有機物が微生物によって酸化分解される際に消費される酸素量〔mg/L〕で表される。
2 CODは、湖沼や海域の水質汚濁の指標として用いられ、主に水中に含まれる有機物が酸化剤で化学的に酸化したときに消費される酸素量〔mg/L〕で表される。
3 SSは、水の汚濁度を判断する指標として用いられ、水中に存在する有機物質に含まれる炭素の総量〔mg/L〕で表される。
4 ノルマルヘキサン抽出物質含有量は、油脂類による水質汚濁の指標として用いられ、水中に含まれる油分等がヘキサンで抽出される量〔mg/L〕で表される。

解答と解説: 

答え--- 3
SSとは、浮遊物質量のこと。水中に混じっている直径2mm 以下の粒子状物質の量を示す。
水中に存在する有機物質に含まれる炭素の総量は、全有機炭素(TOC)の量のこと。


No 4 計測器具の原理に関する文中、内に当てはまる用語の組合せとして、適当なものはどれか。
ピトー管は、管路内の流れに平行に置かれた2重管の先端部の測定孔による と側壁に設けられた測定孔による の差により、流速を算出することができる。
また、ベンチュリー管は、大口径部と小口径部における の差により、流量を算出することができる。
(A) (B) (C)
1 大気圧 動圧 静圧
2 大気圧 静圧 動圧
3 全圧 動圧 静圧
4 全圧 静圧 動圧

解答と解説: 

答え--- 4
ピトー管は、管路内の流れに平行に置かれた2重管の先端部の測定孔による全圧と側壁に設けられた測定孔による静圧の差により、流速を算出することができる。
ベンチュリー管は、大口径部と小口径部における静圧の差により、流量を算出することができる。


No 5 流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 管内の流れは、レイノルズ数が小さいときに層流で、大きいときに乱流となる。
2 管内を流れる流体の密度が大きいほど、管路閉止時の水撃圧は高くなる。
3 キャビテーションは、流れの中で局部的に液体の圧力がその液体の飽和蒸気圧以下まで低下すると発生する。
4 粘性流体の運動に影響を及ぼす動粘性係数は、粘性係数に流体の密度を乗じた値である。

解答と解説: 

答え--- 4
動粘性係数は、絶対粘度を密度で割ったもので求める指標。動粘度ともいう。


No 6 図に示す管路を空気が流れる場合において、B点における静圧として、適当なものはどれか。
ただし、A点における動圧は10 Pa、静圧は60 Pa、B点における風速は10 m/s、A点とB点との間の圧力損失は5Pa、空気の密度は1.2 kg/m3 とする。
1 5Pa
2 10Pa
3 15Pa
4 20Pa

解答と解説: 

答え--- 1
動圧の求め方
Pv=(1/2)×ρ×V2 
ρ:空気の密度kg/u
V:流速でm/s
これにより、Pv=60Pa

A点の全圧は10+60=70Paなので
圧力損失5Paなら、静圧Psは、70-60-5=5Pa となる。


No 7 熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 異なる2種類の金属線を接合した回路において、2つの接合点に温度差を与えると、熱起電力が生じる。
2 融解熱や気化熱などのように、状態変化のみに費やされる熱量を潜熱という。
3 液体の定圧比熱と定容比熱は、ほとんど同じ値である。
4 気体を断熱膨張させても、その温度は変化しない。

解答と解説: 

答え--- 4
気体を断熱膨張させると、温度が低下する。

No 8 燃焼に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 一般に、気体燃料より液体燃料の方が理論空気量に近い空気量で完全燃焼する。
2 高発熱量とは、燃焼によって生じる蒸気の潜熱分を含んだ熱量である。
3 燃焼ガス中の窒素酸化物の量は、低温燃焼時より高温燃焼時の方が多い。
4 空気過剰率が大きすぎると、排ガスによる熱損失が増大する。

解答と解説: 

答え--- 1
燃焼効率を考えると良い。
@気体燃料や燃料蒸気が、充分かつ適当な量の空気と一様に混合されている場合は、完全燃焼に近い燃焼をする。
A完全燃焼とは、発熱量を有する物質が排出されないこと。
B液体燃料を噴射して燃焼する場合や固体燃料の場合は混合が不十分なので完全燃焼するとは限らない。
以上のことから、理論空気量に近い(完全燃焼しやすい)順番は気体燃料>液体燃料>固体燃料となる。


No 9 湿り空気に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 乾球温度が一定の場合、相対湿度が上昇すると絶対湿度も上昇する。
2 顕熱比とは、顕熱の変化量と潜熱の変化量との比をいう。
3 熱水分比とは、比エンタルピーの変化量と絶対湿度の変化量との比をいう。
4 飽和湿り空気では、アスマン通風乾湿計の乾球温度と湿球温度は等しい。

解答と解説: 

答え--- 2
顕熱比(SHF)とは、湿り空気の温度と湿度を同時に変化する場合の顕熱と潜熱の変化関係を示すもので、顕熱負荷/全熱(顕熱+潜熱)によって求められる。
SHF=顕熱/(顕熱+潜熱)


No10 金属材料の腐食に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 亜鉛は、鉄よりもイオン化傾向が小さいので、腐食しにくい。
2 SUS 304 製受水タンクは、気相と液相の境界で腐食を生じやすい。
3 異種金属を水中で接触させた場合、陽極となる金属が腐食する。
4 コンクリート中の鉄は、土に埋設された鉄より腐食しにくい。

解答と解説: 

答え--- 1
金属のイオン化傾向は、亜鉛 (Zn)はE°= -0.7626V、鉄(Fe)はE°= -0.44 V
よって比較すれば亜鉛の方がイオン化しやすい。


No11 電動機のインバータ制御に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 速度を連続的に制御できるため、負荷に応じた最適の速度を選択することができる。
2 直入始動方式よりも始動電流を小さくできるため、電源設備容量が小さくなる。
3 高調波が発生しないため、フィルタなどの高調波除去対策が不要である。
4 三相かご形誘導電動機を使用することができる。

解答と解説: 

答え--- 3
高調波のノイズが発生するのが電動機のインバータ制御の欠点である。よって、高調波除去対策が必要。


No12 図に示す低圧三相誘導電動機の分岐回路において、電動機の過負荷及び欠相の保護を行う装置として、適当なものはどれか。
1 52 及びA
2 52 及び2E
3 A及びC
4 2E 及びC

解答と解説: 

答え--- 2
52は接触器(電動機の過負荷遮断器)
2Eはモーターリレー(欠相の保護)


No13 図に示す鉄筋コンクリート梁における梁貫通孔に関する記述のうち、適当でないものはどれか。ただし、梁せいは、1,000 mm とする。
1 Aは、1,000 mm 以上必要である。
2 Bは、750 mm 以上必要である。
3 Cは、250 mm 以上必要である。
4 梁貫通孔aには、補強が必要である。

解答と解説: 

答え--- 1

梁貫通孔に関する一般要領
  (a) 貫通孔の大きさは梁成の 1/3 以下
  (b) 連続して貫通する場合は孔の中心間隔は原則として孔径(φ)の3倍以上。
  (c) 梁貫通の位置は原則として右上図の範囲とする。
  (d) 小梁が取り付く場合は、小梁の際からD(梁成)/2の範囲には貫通孔を設けない。
柱に直交する梁又は小梁場合は原則として面から 1.2D 以上離す。
  (e) 孔径が梁成の 1/10 以下の場合は原則として補強を必要としない。
  (f) 孔の上下方向の位置は右下図のように梁成の中心付近とる。
  (g) 補強筋は、主筋の内側とする。
  (h) 孔の径が梁成の 1/10 以下、かつ 150mm 未満のものは、補強筋を省略することができる

これにより、1000/2=500以上の範囲の取り付けが正しい。


No14 コンクリートの性状に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 単位セメント量が過少になると、ワーカビリティーが悪くなる。
2 水セメント比が小さくなると、コンクリートの強度が小さくなる。
3 スランプが大きくなると、ブリージング量が大きくなる。
4 急激な表面乾燥が生じると、表面ひび割れの発生が多くなる。

解答と解説: 

答え--- 2
水セメント比が大きくなると、コンクリートの強度が小さくなる。

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