平成25年度 1級管工事施工管理技術検定試験  午前問題(問題A) Page1

※ 問題番号No.1〜No.14 までの14 問題は必須問題です。全問題を解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No 1 地球環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 二酸化炭素やメタンなどの大気中の温室効果ガス濃度が高くなると、干ばつや洪水などの異常気象を引き起こすおそれがある。
2 建築分野における地球温暖化に着目した評価では、ライフサイクルを通じての二酸化炭素の発生量を定量化したものであるLCCO2(ライフサイクル二酸化炭素排出量)がよく知られている。
3 指定フロンHCFC−22、123 などは、2020年までに補充用を除き、生産、輸出入が禁止されることになっている。
4 代替フロンHFC−134a は、オゾン層破壊係数は0(ゼロ)で、地球温暖化係数が二酸化炭素より小さい冷媒である。

解答と解説: 

答え--- 4
代替フロンHFC−134aも、モントリオール議定書において、オゾン層破壊物質に指定されている、強力な温室効果ガスである。


No 2 冬期における外壁の結露に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 室内空気の流動が大きくなると、壁面の表面温度が低下し、結露を生じやすい。
2 外壁に断熱材を用いると、熱貫流抵抗が大きくなり、結露を生じにくい。
3 外壁の室内側に繊維質の断熱材を設ける場合は、断熱材の室内側に防湿層を設ける。
4 多層壁の構造体の内部における各点の水蒸気圧を、その点における飽和水蒸気圧より低くすることにより、結露を防止することができる。

解答と解説: 

答え--- 1
表面結露防止の原則は、「空気中の湿度を下げる」、「壁体各部の温度を下げない」ことである。
1. 室内での水蒸気の発生を抑制し、局所排気を用いて拡散を防ぐ。
2. 換気によって室内の湿度を低下させる。
3. 壁体の断熱を強化して、室内側表面温度を下げない。
4. 直接加熱や気流の促進によって室内側表面温度を上げる。
室内空気の流動が小さくなると、壁面の表面温度が低下し、結露を生じやすい。

No 3 室内の空気環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 一酸化炭素は、二酸化炭素より比重が小さく、人体に有害なガスである。
2 ホルムアルデヒドは、化学物質過敏症の原因物質であるが、濃度が0.1 mg/m3 程度になると死に至ることもある。
3 浮遊粉じん(浮遊粒子状物質)とは、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」によれば、空気中に浮遊する粒径がおおむね10 μm 以下の物質のことである。
4 浮遊粉じんは、在室者の活動やその衣類の繊維やほこりなどが原因で発生し、その量は空気の乾燥によって増加する傾向がある。

解答と解説: 

答え--- 2
ホルムアルデヒドは、生命の危険は30ppm以上。欧州共同研究では50ppm以上で死亡する可能性がある。
0.1mg/m3をppmに換算すると、約0.08ppmとなる。この濃度の場合、喉の炎症が生じる恐れがある。


No 4 流体の性質に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 水の密度は、1気圧のとき、4℃付近で最大となる。
2 水の粘性係数は、水温の上昇とともに小さくなる。
3 一般に、水は圧縮性流体として扱われる場合が多い。
4 一般に、水はニュートン流体として扱われ、粘性による摩擦応力は速度勾配に比例する。

解答と解説: 

答え--- 3
圧縮性流体とは温度・圧力などにより密度変化が大きい流体である。水は非圧縮性流体である(一般に液体は非圧縮性流体である)


No 5 流体が管路の直管部を流れている場合、管径及び流速をそれぞれ2倍にしたとき、摩擦による圧力損失の変化の割合として、適当なものはどれか。
ただし、圧力損失はダルシー・ワイスバッハの式によるものとし、管摩擦係数は一定とする。
1 1/2倍
2 1 倍
3 2 倍
4 4 倍

解答と解説: 

答え--- 3
ダルシー・ワイスバッハの式は、h = f (L/d)(v^2/ 2g)で表す。
h :管の摩擦損失水頭(m)
f :摩擦係数
v :管内の平均流速(m/sec)
d :管の内径(m)
g :重力の加速度(9.8m/sec2)
L :管の長さ(m)

管の内径は分母側だが、管内の平均流速が2乗のため、摩擦損失水頭は2倍になる。



No 6 レイノルズ数に関する文中、内に当てはまる用語の組合せとして、適当なものはどれか。
   レイノルズ数は、流体に作用する と粘性力の比で表され、管内の流れにおいて、その値が小さいときは で、値が大きくなり臨界レイノルズ数を超えると に変わる。
(A) (B) (C)
1 慣性力  ---- 乱流  ---- 層流
2 慣性力  ---- 層流  ---- 乱流
3 圧縮力  ---- 乱流  ---- 層流
4 圧縮力  ---- 層流  ---- 乱流
   

解答と解説: 

答え--- 2

レイノルズ数は、流体に作用する慣性力と粘性力の比で表され、管内の流れにおいて、その値が小さいときは層流で、値が大きくなり臨界レイノルズ数を超えると乱流に変わる。



No 7 熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
 1 融解熱や気化熱のように、状態変化にのみ費やされる熱を潜熱という。
 2 等方性を有する物質においては、体膨張係数は線膨張係数のほぼ3倍である。
 3 比熱比とは定圧比熱を定容比熱で除した値であり、気体では常に1より大きい。
 4 気体を断熱膨張させても、その温度は変化しない。
 

解答と解説: 

答え--- 4

気体を断熱膨張させると気体の温度は下がる。反対に気体を断熱 圧縮すると、気体の温度は上がる。



No 8 蒸気圧縮冷凍機の冷凍サイクルをモリエ線図上に示すと次の図のようになる。この図に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 過程は、蒸発器における変化であり、蒸発器の蒸発温度が低くなると冷凍効果は大きくなる。
2 過程は、圧縮機における変化であり、近似的に等エントロピー変化である。
3 過程は、凝縮器における変化であり、凝縮器の凝縮温度が低くなると冷凍効果は大きくなる。
4 過程は、膨張弁における変化であり、近似的に等エンタルピー変化である。

解答と解説: 

答え--- 1

モリエ線図は、p−h線図とも呼ばれる。
過程は、蒸発行程であり、蒸発器の中で、被冷却物から熱を得て飽和蒸気まで蒸発し5〜10℃の過熱蒸気状態で圧縮機に戻る。
過程は圧縮行程になるので、が吸入蒸気の状態になる。
冷凍効果(Wr)で、周囲から熱を奪う量は、p−h線図上のの比エンタルピー差となる。
Wr=h−h [kJ/kg]
よって、の蒸発温度が低くなると冷凍効果は小さくなる。



No 9 燃焼に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
 
1 燃焼ガス中の窒素酸化物の量は、低温燃焼時より高温燃焼時の方が少ない。
2 燃料の低発熱量とは、水蒸気の潜熱分を除いた熱量である。
3 燃料が理論空気量で完全燃焼した際に生じる燃焼ガス量を、理論燃焼ガス量という。
4 一般に、液体燃料より気体燃料の方が空気過剰率が小さい。

解答と解説: 

答え--- 1

窒素酸化物の量は、高温燃焼時にサーマルNOxが生成される。窒素酸化物の量を少なくするには局所的高温域を無くし、火炎温度を低くすることが有効である。高温域での燃焼ガスの滞留時間を短くすことが可能なら尚有効性が高い。他に、有機窒素化合物含有率の低い燃料を使用する。燃焼域での酸素濃度を低くすることも大切である。


No10 音に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 マスキング効果は、マスクする音の周波数がマスクされる音の周波数に近いほど大きい。
2 音圧レベル50 dBの音を2つ合成すると、53 dBになる。
3 音は、気流により屈折するので、風下側へよく伝わり風上側には伝わりにくい。
4 音の大きさは、その音と同じ大きさに聞こえる500 Hz の純音の音圧レベルの数値で表す。

解答と解説: 

答え--- 4

音の大きさ、周波数が1000Hzで音圧レベルがxデシベルの純音を聞いた時の音の大きさをxホンと定義する。


No11 電気工事に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 PF管(合成樹脂製可とう管)を、直接コンクリートに埋め込んで施設した。
2 PF管内に収める電線を、EM−IE電線(600 V 耐燃性ポリエチレン絶縁電線)とした。
3 人が触れるおそれがある使用電圧が400Vの低圧回路の金属管に、D種接地工事を施した。
4 屋外に設置するコンセント回路に、漏電遮断器を設けた。

解答と解説: 

答え--- 3

D種接地工事は300V以下のものである。400VはC種。



No12 三相誘導電動機に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 スターデルタ始動方式は、全電圧直入れ始動方式と比較して、始動電流を1/3に低減できる。
2 低圧電動機の過負荷及び欠相の保護のために、過負荷欠相運転防止継電器と電磁接触器を組み合わせて使用した。
3 一般に、建築設備に使用される三相誘導電動機の電源には、三相3線式200 Vが使用される。
4 一般に、スターデルタ始動方式は、5.5 kW 未満の電動機に多く用いられる。

解答と解説: 

答え--- 4

スターデルタ始動方式は、5.5kW以上の電動機で軽負荷または無負荷始動のものに使用される。5.5kW 未満の電動機なら通常は直入始動法で良い。他の負荷への影響が大きいであれば始動方式を検討する。



No13 コンクリートの性状に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 単位セメント量が少ないほど、水和熱や乾燥収縮によるひび割れの発生が少ない。
2 水セメント比が小さいほど、コンクリートの中性化が早くなる。
3 単位セメント量が過少になると、ワーカビリティーが悪くなる。
4 水セメント比が小さいほど、コンクリートの強度が大きくなる。

解答と解説: 

答え--- 2

水セメント比が小さいとは、水の量を少なくしたコンクリートのことで、良質で中性化が遅いコンクリートができる。



No14 鉄筋コンクリートに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 高炉セメントB種は、普通ポルトランドセメントに比べ強度の発現が早い。
2 加水によりコンクリートのスランプを大きくすると、鉄筋への付着強度が低下する。
3 ジャンカは、鉄筋の腐食の原因になりやすい。
4 柱、梁の鉄筋のかぶり厚さは、帯筋、あばら筋の外側からコンクリートの表面までの最短距離をいう。

解答と解説: 

答え--- 1

高炉セメントは、普通ポルトランドセメントと比較して初期強度は小さい。初期強度の発現が遅いため、養生期間を長くとる必要があるが、緻密で水を通しにくいので土木工作物に採用される。高炉セメントには、A種、B種、C種とあるが、A種のほうが初期強度が強い。4週目にはどの種類もほぼ同じ強度になる。


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