Page2



※ 問題番号No.15 からNo.37までの23問題のうちから12問題を選択し、解答してください。


No15 空調システムの省エネルギーに効果がある建築的手法の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 窓は、ひさし、高遮熱ガラス、ブラインド等による日射遮へい性能の高いものを採用し、日射熱取得を減らす。
2 建物の平面形状は、東西面を長辺とした場合、長辺の短辺に対する比率を大きくする。
3 屋上緑化は、植物や土壌による熱の遮断だけでなく、屋外空間の温度上昇を緩和する効果がある。
4 外壁の塗装には、赤外線を反射し、建物の温度上昇を抑制する効果のある塗料を採用する。

解答と解説: 

答え--- 2
省エネでの平面計画では、南北方向が長くなるほうが効率は良くなる。東西面が長辺であるなら、できる限り長辺の短辺に対する比率は小さい方が望ましい。


No16 空気調和方式に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 定風量単一ダクト方式は、送風温度を変化させるため、各室の負荷変動パターンが異なる建物の空調に適している。
2 大温度差送風(低温送風)方式は、送風量の低減によりダクトサイズを小さくすることができる。
3 床吹き出し方式は、居住域空間を効率的に空調することができるが、冷房運転時には室内の垂直温度差が大きくなる。
4 天井放射冷房方式は、ドラフトが生じないため快適性が高いが、結露防止に配慮する必要がある。

解答と解説: 

答え--- 1
定風量単一ダクト方式は、各々の室の温度を変えることはできない。単一用途の大空間向きである。


No17 図に示す冷房時の湿り空気線図における空気調和機のコイルの冷却負荷の値として、適当なものはどれか。
ただし、送風量は6,000 m3/h、空気の密度は1.2 kg/m3とする。
1 28kW
2 40kW
3 50kW
4 78kW

解答と解説: 

答え--- 2
冷却コイル負荷はqc=1.2Q(h3-h4)より、
エンタルピーはh1=60、h2=85、h3=66、h4=46
1kW=3600kJより、
コイルの負荷、h3-h4=66-46=20
qc=1.2×6000×20×1/3600=40kW
となる。


No18 冷房熱負荷計算に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 人体からの発熱量は、室内温度が下がると顕熱分が大きくなり、潜熱分が小さくなる。
2 土間床、地中壁からの通過熱負荷は、一般的に、年中熱損失側であるため無視する。
3 北面のガラス窓からの日射負荷は、一般的に、直達日射が当たらないため無視する。
4 日射及び夜間放射の影響を受ける外壁の負荷計算には、通常の温度差の代わりに、実効温度差を用いる。

解答と解説: 

答え--- 3
北面であっても夏の15時以降19時くらいまで西日が当たり続けるため、日射負荷を考慮する必要がある。


No19 変風量単一ダクト方式の自動制御において、「制御する機器」と「検出要素」の組合せのうち、適当でないものはどれか。
(制御する機器) (検出要素)
1 空気調和機の冷温水コイルの制御弁  ----  空気調和機入口空気の温度
2 VAVユニット空調  ----  室内の温度
3 外気及び排気用電動ダンパー  ----  還気ダクト内の二酸化炭素濃度
4 空気調和機のファン  ----  VAVユニットの風量

解答と解説: 

答え--- 1
冷温水コイルの制御弁には空気温度でなく冷温水である。


No20 コージェネレーションシステムに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 受電並列運転(系統連系)は、コージェネレーションシステムによる電力を商用電力と接続し、一体的に電力を供給する方式である。
2 燃料電池を用いるシステムは、原動機式と比べて発電効率が高く、騒音や振動が小さい。
3 熱機関からの排熱は、高温から低温に向けて順次多段階に活用するように計画する。
4 マイクロガスタービン発電機を用いたシステムでは、工事、維持、運用に係る保安の監督を行う者として、ボイラー・タービン主任技術者の選任が必要である。

解答と解説: 

答え--- 4
小型ガスタービン発電設備(出力300kW未満等)は、主任技術者選任不要である。(経済産業省告示第99号)マイクロガスタービンの発電量は20 kw〜300 kwのものをいう。





No21 蓄熱方式に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 蓄熱を利用した空調方式では、ピークカットにより熱源機器の容量を低減することができる。
2 二次側配管系を開放回路とした場合、ポンプの揚程には循環の摩擦損失のほかに押上げ揚程が加わるため、ポンプの動力が大きくなる。
3 氷蓄熱方式は、氷の融解潜熱を利用するため、水蓄熱方式に比べて蓄熱槽の容量が大きくなる。
4 蓄熱槽を利用することで、熱源機器を低効率で連続運転することがなくなり、最適な効率で運転できる。

解答と解説: 

答え--- 3
蓄熱槽の容量が大きくなるとは、同じエネルギーを得るために貯める大きさが大きくなるということ。氷蓄熱と水蓄熱で比較すると冷房時の冷風を得るなら、感覚的にも氷でエネルギーを保存していおくほうが小さい貯蔵庫で足りる。


No22 在室人員24人の居室の二酸化炭素濃度を1,000 ppm以下に保つために必要な最小の換気量として、適当なものはどれか。
ただし、外気中の二酸化炭素の濃度は400 ppm、人体からの二酸化炭素発生量は0.03 m3/(h・人)とする。
1 400 m3/h
2 600 m3/h
3 800 m3/h
4 1,200 m3/h

解答と解説: 

答え--- 4
内外二酸化炭素濃度の差が1000 ppm-400 ppm=0.1%-0.04%=0.06%
一人あたりの換気量 0.03 m3/(h・人)÷0.06%=50 m3/(h・人)
必要換気量 50×24人=1,200 m3/h


No23 換気設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 開放式燃焼器具を使用した調理室は、燃焼空気の供給のため、機械換気で室内を正圧にする。
2 喫煙室は、発生する有害ガスや粉じんを除去し、室外に拡散させないため、空気清浄機を設置し、機械換気で室内を負圧にする。
3 火気使用室の換気を自然換気方式で行う場合、排気筒の有効断面積は、燃料の燃焼に伴う理論廃ガス量、排気筒の高さ等から算出する。
4 エレベーター機械室の換気は、熱の除去が主な目的であり、サーモスタットにて換気ファンの発停を行い、室温が許容値以下となるようにする。

解答と解説: 

答え--- 1
調理室は臭気や水蒸気が発生するため、室内は負圧にして他室へ空気が漏れないようにする。
ボイラー室のように燃焼に必要な空気を計画的に供給するほどの火気は使用しない。


No24 排煙設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
ただし、本設備は「建築基準法」上の「階及び全館避難安全検証法」及び「特殊な構造」によらないものとする。
1 排煙ダクトに設ける防火ダンパーは、作動温度280 ℃のものを使用する。
2 同一の防煙区画において、自然排煙と機械排煙を併用してはならない。
3 常時開放型の排煙口は、2以上の防煙区画を1台の排煙機で受け持つ場合に適した形式である。
4 同一防煙区画内に可動間仕切りがある場合、間仕切られる室それぞれに排煙口を設け連動させる。

解答と解説: 

答え--- 3
常時開放型の排煙口は自然排煙口として利用するもので、排煙機による機械排煙口には通常は適さない。

No25 排煙設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
ただし、本設備は「建築基準法」上の「階及び全館避難安全検証法」及び「特殊な構造」によらないものとする。
1 排煙設備が設置対象となる建築物において、一般事務室の防煙区画の床面積は、1,000 m2 以下とする。
2 天井高さが3m以上の居室に設ける排煙口は、床面からの高さが2.1 m 以上で、かつ天井高さの1/2以上の壁の部分に設けることができる。
3 排煙口の位置は、避難方向と煙の流れが反対になるように配置する。
4 高さ31 m を超える建築物における排煙設備の制御及び作動状態の監視は、中央管理室において行うことができるものとする。

解答と解説: 

答え--- 1
防煙区画の床面積は、500 m2 以下とする。




No26 上水道の配水管路に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 2階建て建物への直結の給水を確保するためには、配水管の最小動水圧は0.15 〜0.2 MPaを標準とする。
2 伸縮自在でない継手を用いた管路の露出配管部には、40 〜50 m の間隔で伸縮継手を設ける。
3 公道に埋設する配水管の土被りは、1.2 m を標準とする。
4 公道に埋設する外径80 mm以上の配水管には、原則として、占用物件の名称、管理者名、埋設した年等を明示するテープを取り付ける。

解答と解説: 

答え--- 2
塩ビパイプでも熱による伸縮は1mあたり0.7mm程度発生する。素材により伸び率の違うため計算によって求めるが通常は10〜20m程度ごとに設ける。

No27 下水道に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 合流式の下水道では、降雨の規模によっては、処理施設を経ない下水が公共用水域に放流されることがある。
2 地表勾配が急な場合の管きょの接合は、原則として、地表勾配に応じて段差接合又は階段接合とする。
3 硬質塩化ビニル管、強化プラスチック複合管等の可とう性のある管きょの基礎は、原則として、自由支承の砂又は砕石基礎とする。
4 分流式の下水道において、管きょ内の必要最小流速は、雨水管きょに比べて、汚水管きょの方が大きい。

解答と解説: 

答え--- 4
分流式の下水道は雨水と汚水を分ける方式。合流式は雨水も流す必要があるため流速が大きくなる。


No28 上水の給水設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 給水量の算定をする場合、1人1日当たりの単位給水量は、事務所の方が集合住宅より多い。
2 受水タンクには、地震時の対応として緊急遮断弁を設ける。
3 高置タンク方式における揚水ポンプの揚水量は、時間最大予想給水量に基づき決定する。
4 受水タンクの容量は、一般的に、1日予想給水量の半分程度とする。

解答と解説: 

答え--- 1
事務所は浴室、洗濯など不要なため集合住宅のほうが多くなる。事務所は60〜100リットル、集合住宅は200〜350リットル程度必要。


No29 給水設備に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 高層建築物では、高層部、低層部等の給水系統のゾーニング等により、給水圧力が400〜500 kPaを超えないようにする。
2 揚水ポンプの吐出側の逆止め弁は、揚程が30 m を超える場合、ウォーターハンマーの発生を防止するため衝撃吸収式とする。
3 クロスコネクションの防止対策には、飲料用とその他の配管との区分表示のほか、減圧式逆流防止装置の使用等がある。
4 大気圧式のバキュームブレーカーは、常時水圧のかかる配管部分に設ける。

解答と解説: 

答え--- 4
バキュームブレーカーは、常時水圧のかかる配管部分でなく通気管のように水圧のかからない箇所に設ける。





TOP 次のページへ
令和02年度1級管工事施工管理技士 学科午前問題No1 No.01〜No.14
学科午前問題No2 No.15〜No.29
学科午前問題No3 No.30〜No.44
学科午後問題No1 No.01〜No.15
学科午後問題No2 No.16〜No.29
実地問題