平成23年度 1級土木施工管理技術検定試験  午前問題(問題A) Page1

※ 問題番号No.1〜No.15 までの15 問題のうちから12 問題を選択し解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No 1 土質試験に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 圧密試験結果は,飽和した軟弱層の圧密沈下量及び圧密沈下の速さの推定に使用される。
2 粒度試験結果は,粗粒土については土の締固めや支持力特性をある程度表す指標となるが,細粒土についてはその関係は見られない。
3 コンシステンシー試験から求められる塑性指数(Ip)は,その値が小さいほど吸水による強度低下が大きくなる。
4 一軸圧縮試験結果は,飽和した粘性土地盤の強度を求め,構造物の安定性検討に使用される。

解答と解説: 

答え--- 3
塑性指数は、土が塑性状態である範囲の広さ Ip=WL−Wp にて求める。
WL(%) 液性限界
Wp(%) 塑性限界
大きいと粘性増加になる。よって大きいほど吸水による強度低下が大きくなる


No 2 建設機械に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 機械施工における施工単価は,機械の運転1時間当たり機械経費と運転1時間当たりの作業量の比であり,運転時間当たりの作業量を増やすと安くなる。
2 機械損料は,通常その稼働状況に応じて,運転時間当たりの損料と供用日当たりの損料に分けて適用するのが合理的とされている。
3 機械損料に含まれる維持修理費は,機械の効用を持続するために必要な整備,修理の費用で,運転経費を含むものである。
4 機械損料に含まれる管理費は,機械を保有していくために必要な自賠責保険や車両保険などの保険料,自動車税や固定資産税などの租税公課などの経費で,機械の稼働に関係なく必要となる固定費である。

解答と解説: 

答え--- 3
機械損料は、機械に必要な整備,修理の費用等であるが、運転経費は労務費である。
ただ、どちらも直接工事費になるので注意。


No 3 土工における土量の変化率に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 土量の変化率L及びC は,地山と締め固めた状態の体積を測定して求める。
2 土の掘削・運搬中の損失や基礎地盤の沈下による盛土量の増加は,原則的には土量の変化率に含まないものとしている。
3 土量の変化率は,測定する土量が少ないと誤差が生ずるので,信頼できる測定の地山土量は50 m3〜100 m3程度が望ましい。
4 土量の変化率C は,土の運搬計画を立てる上で重要な指標となっている。

解答と解説: 

答え--- 2
実際に運搬する量の算定が必要になるので変化率は含める。

No 4 建設発生土の再利用に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 掘削時点において自然含水比が高い建設発生土を盛土などに使用する場合は,水切りや天日乾燥は転圧を可能にする有効な手段である。
2 路床土に第3種,第4種の建設発生土を使用する場合は,セメントや石灰などによる安定処理が一般的に用いられている。
3 擁壁や橋台などの構造物の裏込めに建設発生土を使用する場合は,透水性の低い材料を使用することが望ましい。
4 従来盛土として使用が不適とされていた泥土の場合は,固化材を添加して構造物の裏込め土として使用することもできる。

解答と解説: 

答え--- 3
裏込めは透水性の高い材料を用いる。水を含んで荷重増加する材料は好ましくない。


No 5 軟弱地盤上における道路盛土の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 盛土は,自重及び間隙水圧の増加,あるいは施工機械の与える振動などの原因によって生じる破壊に対して安定であるとともに,橋台,擁壁などに過大な変形を及ぼさないような配慮が必要である。
2 盛土の施工方法の確認には,工事に先立ち実大規模の試験盛土を行い,沈下板,変位杭,地中変位計,間隙水圧計などから沈下や安定に関する測定を行い,予測値と実測値を比較する手法も用いられている。
3 片盛り部などの低い道路盛土で地盤の浅部に局部的な砂礫層が存在するような場合には,あらかじめプレロードを加え地盤を改良しておくことも必要である。
4 盛土構造は,盛土後の時間経過に応じて地盤強度が増し安定性が増すが,地震による液状化対策を要する基礎地盤では,密度や間隙水圧の増加をはかる必要がある。

解答と解説: 

答え--- 4
液状化対策には間隙水圧を消散させる必要がある。


No 6 コンクリートの配合に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 水セメント比の設定において,コンクリートに要求される耐久性を満足するため,強度から定まる水セメント比よりも小さい値を設定した。
2 コンクリートの品質のバラツキを考慮して,配合強度を割り増して設計基準強度を定めた。
3 粗骨材の最大寸法が40 mmの場合と20 mmの場合を比較すると,40 mmの方が単位水量は大きくなる傾向にあると判断した。
4 コンクリートの練上りの目標スランプの設定において,打込みまでの運搬にかかわるスランプの低下を考慮してはならないと判断した。

解答と解説: 

答え--- 1
コンクリートの品質によるバラツキを考慮するなら低い方の基準にするべき
最大粗骨材が大きくなるほど単位水量は小さくなる
スランプ管理は強度に強く影響がある。よって低下する値は考慮すべき

No 7 コンクリート用骨材に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 砕砂の粒形の良否は,粒形判定実積率の値によって判断できる。
2 細骨材中に含まれる粘土塊量の試験に用いる試料は,微粒分量試験を行った後にふるいに残存したものを用いる。
3 細骨材の吸水率試験の結果は,アルカリ骨材反応の可能性を評価するうえで参考となる。
4 細骨材に含まれる有機不純物は,JIS A 1105 細骨材の有機不純物試験方法によって試験し,砂の上部における溶液の色合いが標準色よりも薄くなる細骨材を用いるのが一般的である。

解答と解説: 

答え--- 3
アルカリ骨材反応は文字通り骨材を調べる。アルカリシリカ反応、アルカリ炭酸塩反応を起こす成分が骨材中に含まれていないかを確認するもの。

No 8 コンクリートに用いる混和材の名称と特徴との組合せについて,適当でないものはどれか。
[名称] [特徴]
1 高炉スラグ微粉末  ………… ポゾラン活性の利用
2 フライアッシュ  ………… 水和発熱の低減・温度応力によるひび割れ抑制
3 石灰石微粉末  ………… 材料分離の低減・ブリーディングの減少
4 けい酸質微粉末  ………… オートクレーブ養生によって高強度を生じさせる

解答と解説: 

答え--- 1
ポゾラン活性はフライアッシュやシリカフュームが関係性が高い。
高炉スラグは潜在水硬性と関連がある。
ただ、高炉スラグもポゾラン反応に近いんですけどね。


No 9 コンクリートの打込み・締固め方法に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 打込み計画では,コンクリートを打ち込む1層の高さを0.5 m と設定した。
2 コンクリートと接して吸水のおそれのある型枠の部分をあらかじめ湿らせた。
3 打込み時の気温が25℃を超えることが予想されたので,2層に分けてコンクリートを打ち込む際の打重ね時間間隔を3時間以内となるように計画した。
4 締固めにあたっては,内部振動機を下層のコンクリート中に10 cm程度挿入するようにした。

解答と解説: 

答え--- 3
外気温が25℃を超える場合の打重ね時間の間隔は2.0時間 25℃以下でも2.5時間とすべき。(コンクリート標準示方書施工編)


No10 鉄筋継手に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 重ね継手部分において,焼なまし鉄線で巻く長さが長すぎるとコンクリートと鉄筋との付着強度が低下するおそれがあるのでできるだけ短くする方がよい。
2 継手位置を軸方向に相互にずらす距離は,継手の長さに鉄筋直径の25 倍を加えた長さ以上とするのが標準である。
3 軸方向鉄筋の重ね継手の重ね合せ長さは,鉄筋直径の20 倍以上とする。
4 継手部と隣接する鉄筋とのあき又は継手部相互のあきは,応力伝達を円滑にするため,粗骨材の最大寸法よりも狭めるのがよい。

解答と解説: 

答え--- 4
粗骨材の最大寸法より狭いと骨材が回り込まない。不良の原因になるので粗骨材の最大寸法より鉄筋間隔は広くする。


No11 コンクリートの養生に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 日平均気温が15℃以上の場合,普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの湿潤養生期間は5日を標準とする。
2 日平均気温が4℃以下の寒中コンクリートにおいては,構造物の露出状態が連続,あるいはしばしば水で飽和される場合には,普通の露出状態の場合よりも養生期間は短く設定できる。
3 混合セメントB種を用いたコンクリートの湿潤養生期間は,普通ポルトランドセメントを用いた場合よりも長く設定するのが標準である。
4 コンクリートの表面が海水,アルカリや酸性の土又は水などの侵食作用を受ける場合には,通常の場合よりも養生期間を延ばすことが望ましい。

解答と解説: 

答え--- 2
寒中コンクリートの養生期間は通常より長くなる。

No12 中掘り杭工法及びプレボーリング杭工法に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 プレボーリング杭工法において,杭を沈設する際は,孔壁を削ることのないよう確実に行い,注入した杭周固定液が杭頭部からあふれ出ることを確認しなければならない。
2 中掘り杭工法における根固め球根築造後のオーガの引上げ時は,吸引現象防止のため貧配合の安定液を噴出しながらゆっくりと引き上げることが必要である。
3 中掘り杭工法におけるセメントミルク噴出攪拌方式では,過掘り防止のため,先端処理部の根固め球根の径は杭径以上としてはならない。
4 プレボーリング杭工法において,プラントより採取した根固め液の圧縮強度はσ28≧20 N/mm2とするのが望ましい。

解答と解説: 

答え--- 3
プレボーリング杭工法などはセメントミルクで杭先端の応力増を期待するので一般的に根固め球根の径は杭径以上なる。

No13 鋼管杭基礎の施工に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 打撃を伴わない中掘り杭工法では,鋼管の取扱いや運搬などを考慮して板厚径比(t/D)が1%以上かつ6mm 以上の板厚とする。
2 鋼管杭施工時の打込みに対する補強及び打込み性向上のためには,杭の先端外面に板厚12 mm以上の補強バンドを付ける。
3 鋼管杭の内面は,閉鎖環境にあり酸素が供給されないことから,ほとんど腐食しないので,一般的な土壌条件にある腐食しろとしては外面1mm を見込んでおけばよい。
4 打撃力によって杭頭部に座屈が生じる場合は,原則として杭頭部に補強バンドを使用する。

解答と解説: 

答え--- 3
補強バンドは、障害物による損傷を受けるおそれがある場合や、硬質地盤への押込みを容易にする場合に使用する。むしろ座屈防止については応力が集中しやすいので悪影響では?

No14 場所打ち杭の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 コンクリート打込み完了後にケーシングチューブを引抜くと,コンクリートの天端が下がるので,配筋に配慮するとともに流動性の低いコンクリートを使用する。
2 オールケーシング工法では,鉄筋かご共上がりの予防対策として,鉄筋かごの最大外径とケーシングチューブ内壁との間隔は粗骨材最大寸法の2倍以上とする。
3 軟弱地盤でのオールケーシング工法を適用する場合は,事前に地盤改良やコンクリート打込み時の孔内水位の管理や余盛コンクリート高さの割増しをする。
4 コンクリート打上りに伴い,コンクリート内にレイタンスや孔内水の混入を防止するため,トレミー管の先端はコンクリート内に2m 以上挿入しておく。

解答と解説: 

答え--- 1
天端が下がった分のコンクリートは流動性が高いコンクリートを用いる


No15 鉄筋コンクリート地中連続壁工法の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 鉄筋かご建込み直前には,二次スライム処理時に新たなスライムの発生を極力抑えるため,溝内安定液を良液に置換する工法もある。
2 ベントナイト系安定液は,砂質土層が多い場合は泥膜形成性が高い安定液が用いられ,その配合は掘削地盤の平均の透水係数を考慮して求められる。
3 溝壁の安定確保には,溝壁の周辺地盤の地下水位を低下させ,溝壁内外の水位差を利用する地下水位低下工法が一般に用いられている。
4 コンクリートの打上りは,その速度が小さすぎると安定液との接触時間が長くなり,ゲル化した安定液をコンクリート中へ巻き込み品質低下につながる。

解答と解説: 

答え--- 2
ベントナイト系安定液の調合及び品質管理には、掘削深さ、地質等に応じて安定液の材料及び濃度、比重を定めて調合計画し、配合及び安定液の濃度、比重、粘性、ph等、管理のための試験項目、試験方法、頻度等について記述する。
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