平成24年度 1級管工事施工管理技術検定試験  午前問題(問題A) Page1

※ 問題番号No.1〜No.14 までの14 問題は必須問題です。全問題を解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
Google
No 1 日射に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 大気中の透過率は、大気中に含まれる水蒸気よりも二酸化炭素の量に影響される。
2 日射により加熱された地表から放射される遠赤外線は、大気中の二酸化炭素などの温室効果ガスに吸収される。
3 日射の熱エネルギーは、紫外線部よりも赤外線部及び可視線部に多く存在する。
4 大気を透過して直接地表に到達する日射を直達日射といい、大気中で散乱して地表に到達する日射を天空日射という。

解答と解説: 

答え--- 1
大気中の透過率は、雲が多ければ透過しにくい訳で、水蒸気のほうが影響が大きい。


No 2 温熱環境の評価に関する用語の説明として、適当でないものはどれか。
1 基礎代謝量とは、一定の条件のもとにおける生命保持のために必要な最低限の代謝量をいう。
2 clo(クロ)とは、各作業強度に対する人体の消費熱量を示す単位である。
3 エネルギー代謝率とは、作業時と安静時との代謝量の差を基礎代謝量で除した値をいう。
4 met(メット)とは、人体の単位体表面積当たりの代謝量を示す単位である。

解答と解説: 

答え--- 2
clo(クロ)とは、人の着衣量の単位。1クロは、気温21℃、相対湿度50%、気流0.1m/sの状況で断熱値0.155m2K/Wのことをいう。
作業強度に対する人体の消費熱量は作業強度。

No 3 排水の水質に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 CODは、水中に含まれる有機物質の量を示す指標として用いられ、微生物によって酸化分解される際に消費する酸素量で表される。
2 SS とは、不溶性懸濁物質のことで、全蒸発残留物から溶解性残留物を除いたものである。
3 ノルマルヘキサン抽出物質含有量は、水質汚濁の指標として用いられ、水中に含まれる油分等がノルマルヘキサンで抽出される量で表される。
4 窒素及びりんは、湖沼、海域等の閉鎖性水域における富栄養化の主な原因物質である。

解答と解説: 

答え--- 1
CODとは化学的酸素要求量のこと。水中の被酸化性物質を酸化するために必要とする酸素量で示したものである。
微生物によって酸化分解される際に消費する酸素量で表す指標は、BODである。


No 4 管路内の流体の流れに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 円管の直管部における摩擦損失は、流体の動圧に比例する。
2 管路内の流れを急に止めた場合に生じる圧力上昇は、流体の密度が大きいほど高くなる。
3 水平に置かれた管路の管径を縮小すると、流れの上流域よりも下流域のほうが静圧は低くなる。
4 管路内の流れは、レイノルズ数が臨界レイノルズ数より大きいときに層流で、小さいときに乱流となる。

解答と解説: 

答え--- 4
レイノルズ数は、低いレイノルズ数で発生するのが層流。高いレイノルズ数において発生するのが乱流である。


No 5 直管路の圧力損失に関する文中、内に当てはまる用語の組合せとして、適当なものはどれか。
流体が直管路を流れるとき、 のために流体摩擦が働き、運動を妨げる抵抗となって圧力損失を生じる。この圧力損失はダルシー・ワイスバッハの式により、管径に することが知られている。
   (A)  (B)
 1  粘性    比例
 2  粘性  反比例
 3  慣性  比例
 4  慣性  反比例

解答と解説: 

答え--- 2
流体が直管路を流れるとき、粘性のために流体摩擦が働き、運動を妨げる抵抗となって圧力損失を生じる。この圧力損失はダルシー・ワイスバッハの式により、管径に反比例することが知られている。



No 6 図に示す管路内を流体が流れる場合において、B点の流速の値として、適当なものはどれか。ただし、A点の全圧は90 Pa、B点の静圧は30 Pa、A点とB点との間の圧力損失は10 Pa、流体の密度は1kg/m3とする。
   
1 7 m/s
2 9 m/s
3 10m/s
4 13m/s
   

解答と解説: 

答え--- 3
ベルヌーイの定理により、V=(2×P÷ρ)0.5
V:流速
P:圧力の差圧
ρ:流体密度

圧力損失 = 入口の全圧 - 出口の全圧(出口の動圧+出口の静圧)であるので
Pb:B点の動圧
10=90-(Pb+30)
Pb=50

A点の全圧は80Paとなる。
流速にB点の動圧を代入するとV=(2×50÷1)0.5=10m/sとなる


No 7 熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
 1  気体の定容比熱と定圧比熱は、ほぼ同じ値である。
 2  気体を断熱膨張させた場合、温度は低下する。
 3  白金は、温度が高くなると電気抵抗が大きくなるので、温度計として利用される。
 4  2種類の金属を接合した回路に電圧をかけると、一方の接点の温度が下がり、他方が上がるが、これをペルチェ効果という。
 

解答と解説: 

答え--- 1
定圧比熱は、膨張仕事量の分が多くなるので
定圧比熱 cp>定容比熱 cv の関係性になる。

No 8 伝熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 単一固体内部における熱伝導による熱移動量は、その固体内の温度勾配に比例する。
2 自然対流は、流体温度の異なる部分の密度の差により、上昇流と下降流が起こることで生じる。
3 熱放射は、電磁波により伝達されるため、媒体を必要としない。
4 固体壁両側の流体間の熱通過による熱移動量は、固体壁の厚さに反比例する。

解答と解説: 

答え--- 4
熱通過量は、熱抵抗係数に反比例するのであり、外壁の厚さのみではない。


No 9 図に示す湿り空気線図における状態変化に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
   
1 除湿のない冷却は、状態点から湿り空気線図上の左へ、の移動で示される。
2 加湿のない加熱は、状態点から湿り空気線図上の右へ、の移動で示される。
3 蒸気スプレーによる加湿は、状態点から湿り空気線図上の左上へ、の移動で示される。
4 液体吸収剤による除湿は、状態点から湿り空気線図上の右下へ、の移動で示される。

解答と解説: 

答え--- 3
h-x線図に対する問題である。
の移動で示されるのは、水で加湿をするときの変化である。水で加湿をするときの変化を示す状態線は、湿球温度一定の線上にある。
蒸気で加湿をするときの変化は状態点に対し垂直方向に移動する変化になる。
状態点から右方向へ移動するのは水分量の変化を伴わない温度変化であり、左方向へ移動するのは除湿のない温度変化である。
液体吸収剤による除湿であれば、湿度も低くなり、温度も低くなる。


No10 金属材料の腐食に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 一般に、水中で腐食しやすい金属は、イオン化傾向が小さい。
2 水中で異なる金属を接触させたときに、腐食する方が陽極である。
3 開放系配管における炭素鋼の腐食は、水の温度の上昇とともに80 ℃くらいまでは増大する。
4 水中における炭素鋼の腐食は、pH4 以下になると急激に増大する。

解答と解説: 

答え--- 1

イオン化傾向が小さいとは、電子を放出しにくいことであり、酸化されにくいことである。腐食しやすい金属とは酸化されやすい性質のものなので、イオン化傾向が大きいものになる。


No11 電動機のインバータ制御に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 インバータによる運転は、電圧波形にひずみを含むため、インバータを用いない運転よりも電動機の温度が高くなる。
2 高調波が発生するため、フィルター等による高調波除去対策が必要である。
3 三相かご形誘導電動機を使用することができる。
4 直入始動方式よりも始動電流が大きいため、電源設備容量を大きくする必要がある。

解答と解説: 

答え--- 4

電動機のインバータ制御は直入始動方式よりも始動電流が小さくてすむ。



No12 低圧屋内配線工事に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 金属管工事で、同一回路の電線は、同一の管内に収めて電磁的平衡を保った。
2 CD管を天井内に直接転がして施設した。
3 金属管相互及び金属管とボックスの間には、ボンディングを施し、電気的に接続する。
4 CD管はオレンジ色であるため、PF 管(合成樹脂製可とう管)と判別できる。

解答と解説: 

答え--- 2

弱電ケーブル等の保護目的であれば天井内に直接転がして施設も可能だが、低圧屋内配線であれば不可。



No13 鉄筋コンクリートの梁貫通孔に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 梁貫通孔は、梁のせん断強度の低下を生じさせる。
2 梁貫通孔は、梁せいの中心付近とし、その径の大きさは梁せいの1/3以下とする。
3 梁貫通孔の周囲は応力が集中するため、梁の上下の主筋の量を増やさなければならない。
4 梁貫通孔の径が梁せいの1/10以下で、かつ、150 mm 未満の場合は、補強筋を必要としない。

解答と解説: 

答え--- 3

梁貫通孔の周囲はひび割れ等が発生しやすい。よって補強筋または補強装置を用いる。
梁の上下の主筋の量は関係性が薄い。



No14 鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 鉄筋のかぶり厚さは、土に接する部分や高熱を受ける部分を、その他の部分に比べて大きくする。
2 柱の鉄筋のかぶり厚さは、主筋の外側からコンクリートの表面までの最短距離をいう。
3 スペーサーは、鉄筋のかぶり厚さを保つためのものである。
4 基礎において、捨てコンクリート部分は鉄筋のかぶり厚さに算入できない。

解答と解説: 

答え--- 2

柱の鉄筋のかぶり厚さは、主筋でなくフープ筋などの外側からの距離になる。


TOP 次のページへ
平成24年度 一級管工事施工管理技士試験  学科試験 午前問題1_No.01〜No.14
午前問題2_No.15〜No.29
午前問題3_No.30〜No.44
午後問題1_No.01〜No.15
午後問題2_No.16〜No.29
 実地試験 問題 No.1〜No.6