平成21年度 1級建築施工管理技術検定試験  午前問題

No1〜No15までの15問題の内から12問題を選択し、解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No1 湿り空気,湿度に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1 乾燥空気と共存できる水蒸気の量は,気温が低いときよりも高いときの方が多い。
2 相対湿度は,湿り空気中に含まれている水蒸気分圧のその温度における飽和水蒸気分圧に対する割合で示される。
3 露点温度とは,湿り空気が冷やされて空気中に存在する一部の水蒸気が凝縮し水滴となり始める温度をいう。
4 絶対湿度を一定に保ったまま乾球温度を上昇させると,相対湿度は高くなる。

解答と解説: 

答え--- 4
絶対湿度とは、飽和水蒸気量であるので、温度が上がると飽和水蒸気量も多くなる。
絶対湿度を一定に保ったままとは文章的に変なところもあるが、空気1m3中の水蒸気量が全く変わらないということなら相対湿度は低くなる。
乾球温度10度のとき飽和水蒸気量は9.4g/m3
乾球温度30度のとき飽和水蒸気量は30.4g/m3
乾球温度10度時の湿度=9.4/9.4×100=100%
そのまま30度になると=9.4/30.4×100=30.9%
これにより相対湿度は低くなる。

No2 次の場所と照度の組合せとして,日本工業規格(JIS)に定める人工照明による照度基準に照らし,最も不適当なものはどれか。
1 事務所の製図室  1,000 lx
2 学校の廊下      150 lx
3 劇場のロビー     100 lx
4 事務所の屋内非常階段 50 lx

解答と解説: 

答え--- 3
劇場のロビーは150〜300lxがJISにて推奨されている

No3 音に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1 直接音から1/20秒以上遅れて大きな反射音があることによって,音が二重に聞こえる現象をエコー(反響)という。
2 同じ周波数の音波が2つ同時に存在するとき,全体の音圧が同位相の場合大きくなり,逆位相の場合小さくなる現象を干渉という。
3 障害物が音波の波長より小さいと,音波が障害物の背後に回り込む現象を回折という。
4 聞こうとしている音が,それ以外の音の影響によって聞きにくくなることをカクテルパーティ効果という。

解答と解説: 

答え--- 4
カクテルパーティー効果は雑踏のなかでも、興味のある人の会話や自分の名前・うわさなどは、自然と聞き取ることができること。地獄耳のような効果である。
設問はマスキング効果のこと。

No4 鉄筋コンクリート造建築物の構造計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1 平面的に長大な建物には,コンクリートの乾燥収縮や不同沈下等の問題が生じやすいので,エキスパンションジョイントを設ける。
2 耐震壁の立面配置は,耐震計画上,市松模様状に分散して配置することは望ましくない。
3 柱は,地震時のぜい性破壊の危険を避けるため,軸方向圧縮応力度を小さくすることが重要である。
4 煙突等の屋上突出部は,剛性が急変するため大きな地震力が作用するので,設計震度を増大させて計画する。

解答と解説: 

答え--- 2
市松模様状へ耐震壁に配置するならXY両方向に配置されることになるので、むしろ望ましい。

No5 鉄筋コンクリート構造に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1 柱の引張鉄筋比を小さくすると,付着割裂破壊が生じやすくなる。
2 大梁は大地震に対しねばりで抵抗させるため,原則として,両端での曲げ降伏がせん断破壊に先行するよう設計される。
3 柱に腰壁や垂れ壁が接続されていると,柱のせん断破壊が生じやすくなる。
4 一般に梁の圧縮鉄筋は,じん性の確保やクリープによるたわみの防止に有効である。

解答と解説: 

答え--- 1
付着割裂破壊は引張鉄筋比の大小に比例するので大きくなると破壊が生じやすい。

No6 鉄骨構造に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1 中間スチフナは,梁の材軸と直角方向に配置し,主としてウェブプレートのせん断座屈補強として用いる。
2 部分溶込み溶接は,溶接線と直角方向に引張応力を生じる継目に用いる。
3 溶接と高力ボルトを併用する継手で,溶接を後で行う場合は両方の許容耐力を加算してよい。
4 引張力とせん断力を同時に受ける高力ボルトの許容せん断応力度は,引張力を受けないときの許容値より低減させる。

解答と解説: 

答え--- 2
部分溶込み溶接は開先のルート部に不溶着部分が残ることを前提とした溶接で、引張力及び曲げ応力が生じるところへ適用できない。

No7 直接基礎に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1 建物に水平力が作用するときは,基礎の滑動抵抗の検討を行う。
2 地盤の調査深度は,基礎スラブの大きさや形状を考慮して決める。
3 基礎梁の剛性を大きくすることにより,基礎フーチングの沈下を平均化できる。
4 圧密沈下の許容値は,独立基礎の方がべた基礎に比べて大きい。

解答と解説: 

答え--- 4
圧密沈下の許容値は地盤の地耐力関係がある。普通はべた基礎の方が大きくなる。

No8 建築物に加わる荷重及び外力に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1 固定荷重は,容易に取り外したり移動することのない建築物の構成部分の重さによる荷重であり,これには仕上材の荷重を含めない。
2 多雪区域における地震層せん断力は,固定荷重,積載荷重及び積雪荷重の和に地震層せん断力係数を乗じて計算する。
3 積雪荷重は,積雪の単位荷重に屋根の水平投影面積及びその地方における垂直積雪量を乗じて計算する。
4 劇場,映画館等の客席の積載荷重は,固定席の方が固定されていない場合より小さい。

解答と解説: 

答え--- 1
固定荷重は仕上げ材の荷重も含まれる。

No9 図に示す架構のAC間の任意の点E にモーメント荷重M が作用する場合の記述として,誤っているものはどれか。
1 支点B と節点Dの曲げモーメントの大きさは,常に0 である。
2 節点C と荷重点E の曲げモーメントの大きさは,常に同じである。
3 支点A と支点B の鉛直方向の反力は,常に同じ大きさであり,向きも同じである。
4 節点C と節点Dに作用するせん断力の大きさは,常に同じである。

解答と解説: 

答え--- 3
鉛直荷重はMC間に距離があるので同じ大きさにはなりえない。

No10 図に示す架構のC 点及びE点にそれぞれ集中荷重Pが作用したときの曲げモーメント図として,正しいものはどれか。
ただし,曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。
1   2
3   4

解答と解説: 

答え--- 2
考え方としては、Pに力が発生しているのに変化が起きていない1と3は除外して考えよう。継ぎに接点D位置で逆に作用するような力が発生していないもで、Pから距離に対して比例的に減少している2が正解。

No11 鋼材に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1 引張強さは,200 〜300 ℃ で最大となり,それ以上温度が上がると急激に低下する。
2 引張強さに対する降伏点の割合を降伏比と呼び,一般に高張力鋼になるとその値は大きくなる。
3 建築構造用圧延鋼材SN400A の数値400 は,上降伏点を示す。
4 建築構造用圧延鋼材のB種及びC種は,炭素当量の上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。

解答と解説: 

答え--- 3
SN材の数値400 は,引張強さの下限値を表す。ちなみにBCR、BCPは降伏点の下限値である。

No12 左官材料に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1 せっこうプラスターは,乾燥が困難な場所や乾湿の繰返しを受ける部位では硬化不良となりやすい。
2 ドロマイトプラスターは,それ自体に粘りがないため、のりを必要とする。
3 セメントモルタルの混和材として消石灰を用いると,こて伸びがよく,平滑な面が得られる。
4 しっくい用ののり剤には,海草又はその加工品と,水溶性高分子がある。

解答と解説: 

答え--- 2
ドロマイトプラスターには粘りがあるので施工性にも優れている。

No13 外壁面に用いる金属製建具と性能項目の組合せとして,日本工業規格(JIS)に規定されていないものはどれか。
1   スイングドアセット ねじり強さ
2 スライディングドアセット  鉛直荷重強さ
3 スイングサッシ 耐風圧性
4 スライディングサッシ 水密性

解答と解説: 

答え--- 2
金属製建具の性能項目では、スライディングドアセットの鉛直荷重強さは規定されていない。スライディングドアは引き戸のことである。但し通常のドアセットでは、1.ねじり強さ試験 2.鉛直荷重強さ試験 3.面内変形追従性試験は規定されている。

No14 日本工業規格(JIS)に規定される屋根材料に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1 粘土がわらの製法による区分は,ゆう薬がわら(塩焼がわらを含む),いぶしがわら,無ゆうがわらである。
2 繊維強化セメント板(スレート波板)について規定されている曲げ破壊荷重は,大波板より小波板の方が大きい。
3 住宅屋根用化粧スレートについて規定されている吸水率は,平形,波形とも同じである。
4 プレスセメントがわらの種類は,形状及び塗装の有無によって区分されている。

解答と解説: 

答え--- 2
JISに規定されている曲げ破壊強度では、
小波 : 1470N以上
大波 : 3920N以上
と定められている。
数値を覚える必要は無いと思うが、通常、大波の方が肉厚があるので強度も高い。

No15 建築用シーリング材に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1 日本工業規格(JIS)による建築用シーリング材のタイプFは,グレイジング以外に使用するシーリング材である。
2 不定形シーリング材とは,施工時に粘着性のあるペースト状のシーリング材のことである。
3 2成分形不定形シーリング材は,空気中の水分や酸素と反応して表面から硬化する。
4 クレージングとは,ウェザリングなどによって生じたシーリング材表面の細かい亀甲状のひび割れをいう。

解答と解説: 

答え--- 3
設問は1液タイプの空気中の水分と反応して表面から硬化する湿気硬化型についての説明。2成分形不定形シーリングは反応硬化であり、コンクリートなどと同じで表面から硬化することはない。
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