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※ 問題番号No.1〜No.15 までの15 問題のうちから12 問題を選択し解答してください。


No1 換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる。
2 室内外の温度差による自然換気の場合、換気量は上下の開口部の高低差に比例する。
3 室内空気の一酸化炭素の濃度は、10 ppm 以下となるようにする。
4 室内空気の二酸化炭素の濃度は、1,000 ppm 以下となるようにする。

解答と解説: 

答え--- 2
室内外の温度差による換気量は、二つの開口部の高さの差の平方根に比例する。


No2 採光及び照明に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 演色性とは、照明光による物体色の見え方についての光源の性質をいう。
2 グレアとは、高輝度な部分、極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいう。
3 照度とは、受照面の単位面積当たりの入射光束をいい、単位はlx(ルクス)である。
4 全天空照度とは、天空光が遮蔽されることのない状況で、直射日光を含めた全天空によるある点の水平面照度をいう。

解答と解説: 

答え--- 4
全天空照度には直射日光を含まない。全天空照度は大気中の雲や塵で散乱されてから地表面にくる光(天空日射)のみが対象である。


No3 音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 建物の床、梁、壁などを伝わる振動が最後に空気中に放射される音を固体音という。
2 人が知覚する主観的な音の大小をラウドネスといい、音圧レベルが一定の場合、100 Hzの音よりも1,000 Hzの音の方が大きく感じる。
3 音波が障害物の背後に回り込む現象を回折といい、周波数が高くなるほど回折しやすい。
4 ある音が別の音によって聞き取りにくくなるマスキング効果は、両者の周波数が近いほどその影響が大きい。

解答と解説: 

答え--- 3
音波は、周波数が高くなるほど回折作用が弱くなる。


No4 積層ゴムを用いた免震構造の建物に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 水平方向の応答加速度と上下方向の応答加速度の双方とも大きく低減することができる。
2 地震時に免震層の変形に対して設備配管等が追従できるようにする必要がある。
3 免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合せることで、ねじれ応答を低減することができる。
4 免震層を中間階に設置する場合は、火災に対して積層ゴムを保護する必要がある。

解答と解説: 

答え--- 1
積層ゴムの免震構造は垂直方向では硬く変形しないので、水平方向には有効だが、上下方向にはほとんど低減しない。


No5 鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 壁板のせん断補強筋比は、直交する各方向に関して、それぞれ0.25%以上とする。
2 柱の主筋の断面積の和は、コンクリートの断面積の0.8% 以上とする。
3 床スラブの配筋は、各方向の全幅について、鉄筋全断面積のコンクリート全断面積に対する割合を0.1 %以上とする。
4 柱梁接合部内の帯筋間隔は、原則として150 mm以下とし、かつ、隣接する柱の帯筋間隔の1.5 倍以下とする。

解答と解説: 

答え--- 3
床スラブの鉄筋比は0.4%以上。柱の主筋は0.8%以上、梁端部引張鉄筋比は0.4%以上、柱梁のせん断補強は0.2%以上、耐力壁のせん断補強筋比は0.25%以上である。




No6 鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 H形鋼は、フランジやウェブの板要素の幅厚比が大きくなると局部座屈を生じやすい。
2 中間スチフナは、梁の材軸と直角方向に配置し、主としてウェブプレートのせん断座屈補強として用いられる。
3 部材に作用する引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合の場合より普通ボルト接合の方が少ない。
4 内ダイアフラムは、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。

解答と解説: 

答え--- 3
高力ボルトの摩擦接合は、材片間の接合面での摩擦抵抗により力を伝達するので、一般的に部材の引張力によってボルト穴周辺に生じる応力集中の度合は、普通ボルト接合の場合より高力ボルト摩擦接合の方が少ない。


No7 杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 支持杭を用いた杭基礎の許容支持力には、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない。
2 杭と杭の中心間隔は、杭径が同一の場合、打込み杭の方が埋込み杭より小さくすることができる。
3 杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。
4 地盤から求める杭の引抜き抵抗力に杭の自重を加える場合は、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。

解答と解説: 

答え--- 2
杭の中心間隔は、既製打込み杭は2.5dかつ75cm以上、埋め込み杭は2.0d以上で、打込み杭のほうが大きくなる。(既製打込み杭で開端は2.0dだが、75cm以上は要求される)


No8 建築物に作用する荷重及び外力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
   
1 劇場、映画館等の客席の積載荷重は、固定席の方が固定されていない場合より小さくすることができる。
2 雪止めがない屋根の積雪荷重は、屋根勾配が60度を超える場合には0とすることができる。
3 倉庫業を営む倉庫の床の積載荷重は、実況に応じて計算する場合、2,900 N/m2とすることができる。
4 防風林などにより風を有効に遮ることができる場合は、風圧力の算定に用いる速度圧を低減することができる。

解答と解説: 

答え--- 3
実況に応じて計算出来るのは「倉庫業を営わない倉庫」の場合。倉庫業の場合は令85条3項の3,900 N/m2として計算しなければならない。


No9 図に示す荷重が作用する片持ち梁の支点Cに生じるモーメント反力MCの値の大きさとして、正しいものはどれか。
   
1 Mc= 1 kN・m
2 Mc= 4 kN・m
3 Mc= 5 kN・m
4 Mc= 9 kN・m

解答と解説: 

答え--- 3
MC=-3kN×5m+5kN×2m=-5kN・m→5kN・m


No10 単純梁に荷重が作用したときの梁のせん断力図が下図のようであるとき、そのときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。
ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。
   
1
2
3
4

解答と解説: 

答え--- 3
ピンローラーの単純梁で1/3ごとにせん断力が発生しているので、1/3位置に下方向qの荷重が発生している。




No11 建築に用いられる金属材料に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1 鉛は、酸その他の薬液に対する抵抗性やX線遮断効果が大きく、耐アルカリ性にも優れている。
2 ステンレス鋼は、ニッケルやクロムを含み、炭素量が少ないものほど軟質で、耐食性に優れている。
3 銅は、熱や電気の伝導率が大きく、湿気中では緑青を生じ耐食性が増す。
4 純度の高いアルミニウムは、展延性に富み加工しやすく、空気中では表面に酸化被膜を生じ耐食性が増す。

解答と解説: 

答え--- 1
鉛は、塩酸,硫酸,濃硝酸にはほとんど侵されないが,水酸化カルシウム,水酸化ナトリウムなどのアルカリに侵される。


No12 石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1 大理石は、ち密で磨くと光沢が出るが、風化しやすく、耐酸性、耐火性に劣る。
2 花こう岩は、耐磨耗性、耐久性に優れるが、耐火性に劣る。
3 砂岩は、耐火性に優れるが、吸水率の大きなものは耐凍害性に劣る。
4 凝灰岩は、強度、耐久性に優れるが、光沢がなく、加工性に劣る。

解答と解説: 

答え--- 4
凝灰岩は、強度、耐久性に劣るが耐火性がある。柔らかい分、加工性も良い。


No13 日本工業規格(JIS)のドアセットに規定されている性能項目に関する記述として、不適当なものはどれか。
1 スイングドアセットでは、「気密性」が規定されている。
2 スイングドアセットでは、「鉛直荷重強さ」が規定されている。
3 スライディングドアセットでは、「ねじり強さ」が規定されている。
4 スライディングドアセットでは、「開閉力」が規定されている。

解答と解説: 

答え--- 3
スイングドアセットでは、ねじり強さ、鉛直荷重強さ、開閉力、気密性など性能項目であるが、スライディングドアセットでは、ねじり強さ、鉛直荷重強さの性能項目は無い。


No14 アスファルト防水材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 アスファルトルーフィング1500の数値1500は、1巻当たりのアスファルトの含浸量(g)を表している。
2 ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
3 改質アスファルトシートは、合成ゴム又はプラスチックを添加して性質を改良したアスファルトを原反に含浸・被覆させたシートである。
4 有機溶剤タイプのアスファルトプライマーは、ブローンアスファルトなどを揮発性溶剤に溶解したものである。

解答と解説: 

答え--- 1
数値1500は、単位面積質量で1mあたりの含浸量(g)を表している。


No15 塗料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 合成樹脂エマルションペイントは、水と樹脂粒子が融合し、塗膜を形成する。
2 アクリル樹脂系非水分散形塗料は、溶剤の蒸発とともに分散された粒子が結合し、塗膜を形成する。
3 2液形ポリウレタンワニスは、溶剤の蒸発とともに反応が進み、ウレタン結合を有する透明塗膜を形成する。
4 合成樹脂調合ペイントは、溶剤の蒸発とともに油分の酸化重合が進み、硬化乾燥して塗膜を形成する。

解答と解説: 

答え--- 1
合成樹脂エマルションペイント(EP)は水が蒸発する際に、エマルション粒子が凝集・融着して連続した塗膜を形成する。水と樹脂粒子が融合するものではない。




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