平成22年度 1級土木施工管理技術検定試験  午後問題(問題B) Page1

※ 問題番号No.1〜No.35 までの35 問題は必須問題ですから全問題を解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No 1 公共測量など一般的な測量における水平位置及び高さの基準に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 平面直角座標系において,水平位置を表示するX座標のX軸は,座標原点をとおる東西方向を基準としている。
2 水平位置を表示する平面直角座標系は,全国を19 の座標系に区分している。
3 道路,鉄道,河川などの土木工事の水平位置は,一般的に三角点(基本測量により設置される測量標)及び基準点(公共測量により設置される測量標)を基準として求められる。
4 道路,鉄道,河川などの特に精度を要する土木工事の標高は,一般的に水準点(基本測量及び公共測量により設置される測量標)から求められる。

解答と解説: 

答え--- 1
平面直角座標系(19座標系)は、縦軸方向(南北方向)をX軸とおき、横軸方向(東西方向)をY軸とする。
数学系とは逆なんです。
平面直角座標系(平成十四年国土交通省告示第九号)
座標系は、地点の座標値が次の条件に従ってガウスの等角投影法によって表示されるように設けるものとする。
1.座標系のX軸は、座標系原点において子午線に一致する軸とし、真北に向う値を正とし、座標系のY軸は、座標系原点において座標系のX軸に直交する軸とし、真東に向う値を正とする。
2.座標系のX軸上における縮尺係数は、0.9999とする。
3.座標系原点の座標値は、次のとおりとする。
   X=0.000メートル  Y=0.000メートル

No 2 公共測量など一般的な測量に使用される測量機器に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 トータルステーション(TS)は,測角部,測距部の測定機能及びデータ記録装置の機能を有する。
2 GPS測量機は,GPS衛星からの電波を受信し,受信点の座標や受信点間の相対的な位置関係を求めることができる。
3 鋼巻尺による精密な距離測定は,一定の張力をかけて測定し,測定時の温度を測って温度補正及び尺定数補正を行う。
4 自動レベル(オートレベル)は,2つの測点上に設置された標尺の目盛りを自動的に読み取り,2つの測点間の高低差を自動的に求めることができる。

解答と解説: 

答え--- 4
自動レベルとは、水準儀の望遠鏡を重力を利用して自動的に水平にする装置がついたもののこと。
「自動でない」なら、気泡を水平を示す位置にもってきたとき望遠鏡の視通線も水平になる水準器である。(簡易水準器ともいう)目盛を自動的に読み取る等はできない。

No 3 公共工事請負者が工事現場で行った行為に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 監督員の検査の結果,不合格と決定された工事材料について特に工事の施工に支障とならなかったので,1ヶ月間工事現場内に仮置きし,工事完成後の後片付け時に場外に搬出した。
2 各下請負人の施工の分担関係を表示した施工体系図を2枚作成し,工事関係者が見やすいように現場事務所の室内と工事現場仮囲いの内側に掲示した。
3 工事内容の変更により下請負人の追加や削除などが生じたため,速やかに施工体系図の変更を行い,現時点での現場の施工体系図を掲示した。
4 工事現場に搬入した工事材料を,他の作業の支障となったので監督員の承諾を得ず,一時的に工事現場外に搬出した。

解答と解説: 

答え--- 3
監督員の検査の結果,不合格と決定された工事材料は、速やかに場外へ搬出すること。
施工体系図はと工事現場仮囲いの外側など、見やすい場所へ掲示する
搬入した工事材料は監督員の承諾を得なければ場外へ搬出してはならない。

No 4 下図は,工事起点No. 0+00から工事終点No. 5+60(工事区間延長560m)の道路改良工事の土積曲線(マスカーブ)を示したものであるが,次の記述のうち適当でないものはどれか。
1 当該工事で発生する土量は,当該工事では使いきれない。
2 No. 1+20からNo. 1+40 は,切土区間である。
3 起点(No. 0+00)からNo. 3+20 まででは,発生土量と使用土量が均衡する。
4 当該工事では,盛土区間のほうが長い。

解答と解説: 

答え--- 4


No 5 締固め機械に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 タイヤローラは,タイヤの空気圧を変えて輪荷重を調整し,バラストを付加して接地圧を増加させ締固め効果を大きくすることができ,路床,路盤の施工に使用される。
2 ロードローラは,鉄輪を用いた締固め機械でマカダム型とタンデム型があり,アスファルト混合物や路盤の締固め及び路床の仕上げ転圧など道路工事に使用される。
3 タンピングローラは,突起の先端に荷重を集中させることができ,土塊や岩塊などの破砕や締固めに効果があり,厚層の土の転圧に適している。
4 振動ローラは,自重による重力に加え,鉄輪を強制振動させて締め固める機械であり,比較的小型でも高い締固め効果を得ることができる。

解答と解説: 

答え--- 1
路床,路盤の施工はロードローラなどが適しており、タイヤローラは仕上げ段階に近い締固めに使用される。


No 6 施工計画立案にあたっての現地の事前調査に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 現地調査を行う場合には,過去の災害の状況とかその土地のかくれた面は現地踏査のみではわからないので,地元の古老などの意見を聞くことも必要である。
2 現地調査にあたっては,工事を施工するうえで関連する事項に注意し,施工方法,段取り,機械の選定などを念頭において踏査する。
3 現地調査を行う場合には,調査項目が多いので,調査を見落としなく効率的に行うために調査項目及び要点をまとめておく。
4 現地調査については,文献図書で現地の運搬路状況,工事現場周辺状況などの概略を把握したうえで工事着手後に行う。

解答と解説: 

答え--- 4
現地調査なので文章のみでなく実際に現地へ赴くこと。記述されていないものがあることが結構あるので。

No 7 仮設に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 仮設は,発注者が指定する指定仮設と,施工者の判断に任せる任意仮設があり,特殊な場合を除いては任意仮設が多い。
2 仮設計画の立案においては,本工事の工法・仕様などの変更にできるだけ追随可能な柔軟性のある計画とし,材料は一般の市販品を使用する。
3 仮設計画の立案においては,仮設物の運搬,設置,運用,メンテナンス,撤去の面から総合的に検討する。
4 仮設構造物は,一般に本体構造物と同等の安全率で設計する。

解答と解説: 

答え--- 4
仮設構造物は一般に使用期間の短さから安全率は多少割り引いて設計する。ただ、使用期間が長い場合など、一般利用などがあり重要性が大きい場合などは相応の安全率をとることとする。
「建設工事公衆災害防止対策要綱」に準じること。


No 8 施工体制台帳の作成等に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 発注者から直接建設工事を請け負った場合は,下請契約の請負代金の額にかかわらず施工体制台帳を作成し,工事現場ごとに備え置かなければならない。
2 施工体制台帳の作成を義務づけられた建設工事においては,その工事の下請負人は,請け負った工事を他の建設業を営む者に請け負わせたときは,元請負人に対して,その者の商号又は名称,請け負わせた建設工事の内容,工期などを通知しなければならない。
3 施工体制台帳の作成を義務づけられた者は,発注者から請求があったときは,その施工体制台帳を発注者の閲覧に供しなければならない。
4 施工体制台帳の作成を義務づけられた者は,再下請負通知書に記載されている事項に変更が生じた場合には施工体制台帳の修正,追加を行わなければならない。

解答と解説: 

答え--- 1
建設業法では、発注者から直接請け負った建設工事が建築一式4,500万円、その他の工事3,000万円以上の下請契約を締結して施工しようとする特定建設業者は施工体制台帳、施工体系図の作成を義務付けられている。


No 9 工事の原価管理に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 実行予算は,工事管理の方針,施工計画の内容を費用の面で裏付けて施工担当者が施工する基準を設定するものであり,実行予算の粗利計画は企業の利益計画と直結するものである。
2 施工担当者は,実行予算に対してコスト縮減目標や実行予算目標などを設定し,その目標に対して実績がどのようになっているかを追求し,目標達成に努めることが重要である。
3 原価管理では,実際原価と実行予算を比較してその差異を見いだし,これを分析・検討して適時適切な処置をとり,実際原価を実行予算以内とする。
4 原価管理体制は,工事の規模・内容によって担当する工事内容ならびに責任と権限を明確にするため,工事現場と本社の各部門を切り離して独立させることが大切である。

解答と解説: 

答え--- 4
現場と本社の情報共有により原価管理等の状況を簡易に把握することができる仕組みづくりが必要である。工事規模が大きい現場の場合、本社と独立採算制が大きくなるので、どのように情報共有化を図るかといった工夫が必要になる。


No10 場所打ち杭基礎の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 地下水のない粘性土で素掘り可能なときには,アースドリル工法が適しているが,ケリーバの長さには限度があるので長い杭の施工には不向きである。
2 リバース工法は,ビットを上下動する必要がなく連続的に掘削でき,水上や狭い場所でも施工できるが,大きな礫や玉石などの掘削は困難であり適用地質は限られる。
3 敷地が狭い場合や傾斜地及び重機搬入が不可能な場所などに適している深礎工法は,一般に人力掘削なので,他工法が困難な場所での施工が可能である。
4 オールケーシング工法は,ケーシングチューブを使用して施工するため,孔壁の崩壊のおそれがあり適用地盤が限られる。

解答と解説: 

答え--- 4
オールケーシング工法は孔壁の崩壊のおそれがある土質に対してケーシングチューブを貫入しながら掘削するので堅い土質以外で向いている工法である。

No11 工程計画立案に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 施工手順の検討は,全体工期や全体工事費に及ぼす影響の大きい工種を優先させ,環境,立地,部分工期などの制約条件を考慮して労働力,材料,機械など工事資源の円滑な回転に留意する。
2 建設機械の合理的組合せを計画するためには,組合せ作業のうち主作業を明確にし,主作業を中心に各分割工程の施工速度を検討するよう留意する。
3 組合せ機械の選択計画は,可能な限り繰返し作業を増やすことによって習熟を図り効率を高めるとともに,従作業の機械の施工能力は主作業の施工能力を下回るよう留意する。
4 組合せ機械による流れ作業の各分割工程の所要時間を一定化することが必要であり,その場合の施工効率は単独作業の場合よりも低下し,その最大施工速度は各分割工程のうち最小の施工速度によって決まるので留意する。

解答と解説: 

答え--- 3
効率を高めるなら、従作業の機械の施工能力を主作業の施工能力を下回る必要はない。


No12 工事の各種工程表とその特徴を表す事項に関して次のうち,適当でないものはどれか。
工程表 作業の手順 作業に必要
な日数
作業の進行
の度合い
工期に影響
する作業
バーチャート 判明 判明 不明 判明
ガントチャート 不明 不明 判明 不明
曲線式 不明 不明 判明 不明
ネットワーク 判明 判明 判明 判明
1 バーチャート
2 ガントチャート
3 曲線式
4 ネットワーク

解答と解説: 

答え--- 1
バーチャート工程表は簡易に作業の関連性や日数を把握できるので用いられる機会が多いが、作業の手順は一見では分かりにくく、工期に影響する作業は判明しない。


No13 ネットワーク手法に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 スラックが0のイベントでは,最早結合点時刻と最遅結合点時刻は等しくならない。
2 クリティカルイベントを通る経路は,すべてクリティカルパスであるということはない。
3 イベント番号は,先行結合点より後続結合点が大きいことを満足している場合,連続番号でも飛び番号でも可能である。
4 ダミーは,所要時間を持たない擬似作業で,並行する複数のアクティビティの順序関係を明確にする役割がある。

解答と解説: 

答え--- 1

スラックとは余裕のこと。最遅結合点時刻と最早結合点時刻の差がスラック値なので、0ならば等しいはずである。

No14 下図のネットワーク工程図において,E の作業に 日の遅延が発生した場合の次の記述のうち,適当なものはどれか。
ただし,図中のイベント間のA〜Nは作業内容,また,数字は作業日数を表す。
1 クリティカルパスは2本となる。
2 Nの作業の最遅開始時刻は着手時刻から63 日目となる。
3 作業Kが5日遅延した場合も,全体工期に影響はしない。
4 結合点G(8)において最遅結合点時刻と最早結合点時刻との差は3日である。

解答と解説: 

答え--- 3
クリティカルパスは当初はA-C-J-N=58日と、A-B-E-G-H-N=58日で2本のクリティカルパスが存在していた。ところがEの工程が5日遅延するのでA-B-E-G-H-N=63日となる。
NのNの作業の最遅開始時刻は53日目になる。
作業Kが日遅延した場合でもA-B-K-L-N=60日なので全体工程には影響はない。
結合点G(8)はクリティカルパス上に存在するので差は発生しない。


No15 労働安全衛生法上,建設業の安全衛生管理体制に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 事業者は,政令に定めるものについて,都道府県労働局長の免許を受けた者又は技能講習修了者から作業区分に応じて作業主任者を選任した。
2 事業者として,関係請負人及びその労働者が当該仕事に関し,労働安全衛生法令に基づく規定に違反しないよう指導をした。
3 事業者は,下請会社を含む労働者数が常時80人程度の工事規模であることから,統括安全衛生責任者を選任せずに施工した。
4 常時50 人の労働者を使用する事業場に該当していたので,安全管理者を選任して事業をすすめた。

解答と解説: 

答え--- 3
元請下請合わせて常時50人以上の労働者を従事させる特定元方事業者は統括安全衛生責任者を選任する必要がある。

No16 労働安全衛生法上,次の記述のうち事業者が行う危険性又は有害性等の調査の時期に該当しないものはどれか。
1 建設物を設置し,移転し,変更し,又は解体するとき。
2 設備や原材料を新規に採用し,又は変更するとき。
3 作業方法又は作業手順を新規に採用し,又は変更するとき。
4 現場における工事がすべて完了したとき。

解答と解説: 

答え--- 4
工事がすべて完了したときは、危険性又は有害性等の調査の時期に該当しない。

No17 建設工事公衆災害防止対策要綱上,一般道路における交通対策に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 夜間施工では,高さ1m程度で,夜間150m前方から視認できる光度の保安灯を設置し,その設置間隔は交通流に対面する部分で2m程度とする。
2 歩行者通路は,幅0.75m以上,特に歩行者の多い箇所では幅1.5m以上を確保し,車道境に移動さくを設置する場合の高さは0.8m 以上1m以下とする。
3 道路上での工事を予告する道路標識,標示板等を工事箇所の前方50mから500m の間の路側,又は中央帯のうち視認しやすい箇所に設置する。
4 2車線で幅員5.5mある道路を1車線に規制し交互交通で工事を行う場合には,交通量を考慮し,制限区間はできる限り長くとるとともに,必要に応じて交通誘導員を配置する。

解答と解説: 

答え--- 4
建設工事公衆災害防止対策要綱によると、制限した後の道路の車線が1車線となる場合で、それを往復の交互交通の用に供する場合においては、その制限区間はできるだけ短くし、その前後で交通が渋滞することのないように措置するとともに、必要に応じて交通誘導員等を配置する。

No18 労働安全衛生法上,地上又は床からの高さ2m以上ある足場(一側足場は除く)からの墜落防止措置又は落下防止措置に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 わく組足場以外の足場においては,手すり下部からの墜落を防止するため,高さ85cm以上の手すりに加え,幅木か中さんのいずれかの設置が必要である。
2 わく組足場においては,交さ筋かい下部のすき間からの墜落を防止するため,交さ筋かいに加え,下さんや幅木等の設置,又は,手すりわくの設置が必要である。
3 足場上での作業のため物体の落下を防止する措置として,幅木,メッシュシート,防網の設置等が必要である。
4 足場の点検については,その日の作業開始前に作業箇所の手すり等の取りはずしや脱落の有無の点検を実施するほか,悪天候等の後に実施する点検内容等を記録し,これを保存する必要がある。

解答と解説: 

答え--- 1
墜落防止措置(安衛則第552条)によると、手すり(高さ85cm 以上の位置)+中さん(高さ35〜50cm の位置)+幅木(高さ10cm 以上)が必要。いずれかではない。
(平成21年6月より施行。それ以前は手すり高さ75cm以上だった)
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