平成27年度 1級土木施工管理技術検定試験  午前問題(問題A) Page2

※ 問題番号No.16〜No.49 までの34 問題のうちから10 問題を選択し解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No16 鋼道路橋の架設作業に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 部材の組立に使用する仮締めボルトとドリフトピンは、架設応力に十分耐えるだけの本数を用いるものとし、片持ち式架設の場合の本数の合計はその箇所の連結ボルト数の20%を原則とする。
2 部材の玉掛けを行う場合には、部材及び吊金具に過大な応力や変形が生じないように配慮して、適切な吊り形式により作業を行うものとする。
3 高力ボルトの締付けは、接合面の処理、継手部材間の肌すき、ボルトの締付け方法及び締付け順序などに十分注意して、所定の締付け力を導入する。
4 I 形断面部材を仮置きする場合は、転倒ならびに横倒れ座屈に対して十分に配慮し、汚れや腐食に対する養生として15 cm 以上地面より離すものとする。

解答と解説: 

答え--- 1
部材の組立に使用する仮締めボルトとドリフトピンの合計は、その箇所の連結ボルト数の 1/3 程度を用いるのを標準とし、そのうちの 1/3 以上をドリフトピンとするものとする。



No17 鋼道路橋における高力ボルト締付け作業に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 ボルト軸力の導入は、ナットを回して行うのを原則とし、やむを得ず頭回しを行う場合にはトルク係数値の変化を確認する。
2 トルシア形高力ボルトを使用する場合は、予備締めに電動インパクトレンチを使用し、本締めにはエアーインパクトレンチを使用する。
3 ボルトの締付け順序は、連結板の中央のボルトから順次端部ボルトに向かって行い、2度締めを行う。
4 ボルトの締付けをトルク法によって行う場合は、締付けボルト軸力が各ボルトに均一に導入されるよう締付けトルクを調整する。

解答と解説: 

答え--- 2
本締めにエアーインパクトレンチを使用することはない。これは調整しにくいことが理由である。予備締めはエアーインパクトレンチを使用することはあるが、最近は電動インパクトレンチは機能性がよく予備締め、本締めとも利用されることが多い。



No18 下図は3径間連続非合成鋼板桁におけるコンクリート床版の打設ブロックを示したものである。一般的なブロックごとのコンクリートの打設順序として、適当なものは次のうちどれか。
1
2
3
4

解答と解説: 

答え--- 3
基本的に支承部分は後で打設する。連続非合成鋼板桁なので最初に中央部、次に両端の中央部、中央部支承箇所、両端部が適当である。


No19 コンクリート構造物の補修・補強に用いられる連続繊維シート工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 連続繊維シートの重ね継手部は、せん断耐力やじん性の向上を目的として重ね継手長を200 mm程度とし、繊維間・シート間に含浸接着樹脂が十分含浸され一体となるようにする。
2 連続繊維シート工法に使用する材料は、プライマー、不陸修正材、含浸接着樹脂などの材料で、エポキシ樹脂の施工に適した環境条件は、気温5℃以上、湿度85% 以下である。
3 連続繊維シートと既設コンクリート面の接着又は密着を確保するために、不陸や突起ははつり落とし不陸修正材を用いて平坦にする。
4 連続繊維シートは、接着工による含浸・硬化させる前には傷つきやすく、連続繊維の種類によっては赤外線や窒素により劣化するものもあるのでその取扱いには注意する。

解答と解説: 

答え--- 4
繊維にかかわらず、劣化の原因は赤外線でなく紫外線である。窒素は不活性ガスで劣化性は少ない。酸素や二酸化炭素のほうが劣化が進む。



No20 下図に示す(1)〜(4)のコンクリート構造部のひび割れのうち、水和熱に起因する温度応力により施工後の比較的早い時期に発生すると考えられるものは、次のうちどれか。
1
2
3
4

解答と解説: 

答え--- 1
セメントの水和熱に伴うコンクリート温度の上昇・降下がコンクリートの変形を引き起こす。表面は内部の膨張を拘束するので引張応力が発生しヒビが発生する。3の「温度ひび割れ」も似たような割れ方だが、1のほうが打設厚さが厚いので「水和熱ひび割れ」と考えられる。
2のセパレータ部分に発生が考えられるのは「沈下ひび割れ」。4の網状のヒビは時期が遅ければ「アルカリ骨材反応ひび割れ」だが、比較的早い時期に発生なら「乾燥収縮ひび割れ」だと考えられる。


No21 河川堤防の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 既設の堤防に腹付けを行う場合は、新旧法面をなじませるため段切りを行い、一般にその大きさは堤防締固め一層仕上り厚の倍の50〜60 cm 程度とする。
2 築堤土は、粗い粒度から細かい粒度までが適当に配合されたものがよく、土質分類上は粘性土、砂質土、礫質土が適度に含まれていれば締固めも満足する施工ができる。
3 築堤の施工中は、降雨により雨水が一部に集中して施工中の法面の浸食を防ぐため、堤体の縦断方向に3〜5%程度の勾配を設けながら施工する。
4 堤防法面が急な場合、芝などが活着するまで堤体と表層との間に分離を生じやすく、表層すべりを起こしすいので、堤体と表層が一体となるように締め固めなければならない。

解答と解説: 

答え--- 3
堤体縦断方向でない。堤体横断方向に3〜5%程度の勾配を設ける。


No22 多自然川づくりにおける護岸に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 かごマット護岸は、屈とう性があり、かつ空隙があるので生物に優しい護岸構造である。
2 コンクリート護岸は、現地の表土を用いて覆土を行うことにより、河岸の植生が回復、維持され、川の生き物たちに住みよい環境を提供することが可能である。
3 自然石を利用した石積みや石張り護岸は、強度もあり当該河川に自然石がある場合にはこれを活用することにより、周辺と調和した優れた工法となる。
4 空石張(積み)護岸は、河川環境面で優れているので、外力に対しての安定性を確認し、目地は少しでも生物に優しい構造になるように浅目地とする。

解答と解説: 

答え--- 4
空石張護岸で生物に優しい構造は深目地で可能化な限り隙間がある方が良い。



No23 堤防を開削して行う構造物の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 非出水期間中に仮締切り工を施工する場合は、施工期間中の設計対象水位に余裕高をとって仮締切り高を決定する。
2 仮締切り工の撤去は、構造物の築造後、締切り内と外との土圧、水圧をバランスさせつつ撤去する必要があり、流水の影響がある場合は、流水側、上流側、下流側の順で撤去する。
3 函渠などの構造物の埋戻しは、急速に行うと偏土圧が発生して函体などにねじれ、クラック、変位などが発生することがあるので、構造物周辺での埋戻しは特に慎重に行う。
4 鋼矢板の二重締切りに使用する盛土、中埋め土については、堤体の剛性を増す目的と、鋼矢板などの壁体に作用する土圧を低減するという目的のため、良質の砂質土を用いることを原則とする。

解答と解説: 

答え--- 2
流水は上流から下流へあるはず。流水の影響は大きく上流側から撤去していけば常に流水の影響を受けながら撤去することになり、不経済である。


No24 砂防えん堤に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 砂防えん堤の水抜き暗渠は、一般には施工中の流水の切替えと堆砂後の浸透水圧の減殺を主目的としているが、後年に補修が必要になった際に施工を容易にする。
2 砂防えん堤の水通しは、えん堤下流部基礎の一方が岩盤で他方が砂礫層や崖錐の場合、流水による洗掘により流路を固定するため、砂礫層や崖錐側に寄せて設置する。
3 砂防えん堤の基礎地盤が岩盤の場合で、基礎の一部に弱層、風化層、断層などの軟弱部をはさむ場合は、軟弱部を取り除き礫で置き換える必要がある。
4 不透過型重力式砂防えん堤の材料のうち、コンクリートブロックや鋼製は、屈とう性があるため、地すべり地帯での使用は避ける必要がある。

解答と解説: 

答え--- 1
砂防えん堤の水抜き暗渠は、後年に補修が必要になった際の施工の容易性は全く関係ない。


No25 地すべり防止工事に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 排土工は、排土による応力除荷に伴う吸水膨潤による強度劣化の範囲を斜面表層部に限定するため、地すべり全域に渡って、斜面に平行に施工するのが基本である。
2 地すべり地域内に設ける地表水排除工は、柔軟な構造とし、ある程度の変状に対してもそれに応じて機能を維持でき、また修理の容易なものとする。
3 地下水遮断工は、遮水壁の後方に地下水を貯留することがあるので、地すべり地内でこれを用いることは、逆に地すべりを誘発する危険がある。
4 押え盛土工は、盛土部の下方斜面に潜在性の地すべりがある場合、下方斜面の地すべりを誘発する可能性があるので、盛土部基盤の安定性について十分に検討を行う。

解答と解説: 

答え--- 1
排土工は、原則として地すべり土塊の頭部の荷重を除去することにより地すべりの滑動力を低減させるもの。地すべり全域に渡って施工するものではない。


No26 急傾斜地崩壊防止工事に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 縦排水路工は、地形的にできるだけ凹部に設けた掘込み水路とし、周囲からの水の流入を容易にすることが望ましいが、水路勾配が1:1より急なところなどでは水が跳ね出さないように蓋付き水路とする。
2 もたれ式コンクリート擁壁工は、擁壁背面が比較的良好な地山で用いられるので、施工性を考慮し、コンクリートの打継ぎ面は水平にする。
3 がけ崩れ防止のための切土工は、斜面を構成している不安定な土層や土塊をあらかじめ切り取るかあるいは斜面を安定な勾配まで切り取るように施工する。
4 現場打ちコンクリート枠工は、桁には一般に鉄筋コンクリートが用いられ、桁の間隔は1〜4m が標準であり、桁の交点にはすべり止め杭又は鉄筋を法面に直角に入れて補強する。

解答と解説: 

答え--- 2
コンクリート擁壁の打継面はのり面に垂直にすることが原則である。水平にすると継手上部が滑り出すおそれがある。


No27 道路のアスファルト舗装における構築路床の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 構築路床の築造工法は、路床の必要とするCBRと計画高さ、残土処分地及び良質土の有無などに配慮して決定する。
2 構築路床の施工は、適用する工法の特徴を把握したうえで現状路床の支持力を低下させないように留意しながら、所定の品質、高さ及び形状に仕上げる。
3 構築路床の安定処理は、一般に路上混合方式で行い、所定の締固め度が得られることが確認できれば、全層を1層で仕上げる。
4 構築路床の安定処理の締固め作業において軟弱で締固め機械が入れない場合には、湿地ブルドーザなどで軽く転圧を行ったのち速やかに整形してタイヤローラなどで締め固める。

解答と解説: 

答え--- 4
軟弱湿地を軽く転圧を行ったのち速やかにタイヤローラ入れても締固めは出来ない。改良工など実施してトラフィカビリティー向上後にタイヤローラーは入れる。


No28 道路のアスファルト舗装における上層・下層路盤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 下層路盤の粒状路盤工法では、締固め前に降雨などにより路盤材料が著しく水を含み締固めが困難な場合には、晴天を待ってばっ気乾燥を行う。
2 下層路盤の路上混合方式による石灰安定処理工法では、施工に先立ち在来砂利層などをモーターグレーダのスカリファイアなどで所定の深さまでかき起こし、必要に応じて散水を行い、含水比を調整したのち整正する。
3 上層路盤のセメント安定処理工法では、セメント量が多くなると安定処理層の収縮ひび割れにより、上層のアスファルト混合物層にくぼみ、段差が発生するので注意する。
4 上層路盤の瀝青安定処理工法では、基層及び表層用混合物に比べてアスファルト量が少ないため、あまり混合時間を長くするとアスファルトの劣化が進むので注意する。

解答と解説: 

答え--- 3
くぼみ、段差が発生するのは逆にセメント量が十分でない場合である。


No29 道路のアスファルト舗装の舗設に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 アスファルト混合物の締固め作業は、敷き均し終了後、初転圧、継目転圧、二次転圧、及び仕上げ転圧の順序で行う。
2 仕上げ転圧は、締め固めた舗装表面の不陸修正やローラマークの消去のため行うものであり、振動ローラを振動させて2回程度行う。
3 締固めのローラは、一般にアスファルトフィニッシャ側に駆動輪を向けて、横断勾配の高い方から低い方へ向かって転圧する。
4 初転圧の転圧温度は、一般に110〜140℃で行い、ヘアクラックの生じない限りできるだけ高い温度で行う。

解答と解説: 

答え--- 4
初転圧の転圧温度は130〜140度前後で行い、ヘアクラックの生じない限りできるだけ高い温度で行う。仕上げ転圧は一般にタイヤローラあるいはロードローラが用いられる。振動ローラーは用いられない。ローラは、一般にアスファルトフィニィシャ側に駆動輪を向けて、横断勾配の低い方から高い方へ向かって転圧する。締固め作業は、一般的に継目転圧→初転圧→二次転圧→仕上げ転圧の順序で行う。

No30 道路の排水性舗装に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 ポーラスアスファルト混合物の敷均し作業は、混合物の供給計画をもとに敷均し速度を設定するなど、連続的に行う。
2 ポーラスアスファルト混合物の締固めでは、初転圧及び二次転圧のタンピングローラによる締固めで所定の締固め度を確保する。
3 ポーラスアスファルト混合物は、敷均し後の温度低下が早いため、温度管理には十分注意し、敷均し終了後速やか初転圧を行う。
4 タイヤローラによる仕上げ転圧は、転圧温度が高すぎるとポーラスアスファルト混合物の空隙つぶれが生じる懸念があるため、混合物がタイヤローラに付着しない程度の表面温度になってから行う。

解答と解説: 

答え--- 2
ポーラスアスファルト混合物の締固めでは、初転圧及び二次転圧はは10〜12tのロードローラ又はは6〜10tの無振動での振動ローラを用いる。タンピングローラは踏み跡をデコボコ状にするものでえ舗装の締固めに利用するものではない。


No31 道路のアスファルト舗装の補修工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 局部打換え工法は、既設舗装の破損が局部的に著しく、その他の工法では補修できない場合に、表層・基層あるいは路盤から局部的に打ち換える工法である。
2 路上路盤再生工法は、路上で既設アスファルト混合物層を破砕すると同時にセメントなどの安定材と既設路盤材料などとともに混合、転圧して新たに路盤を構築する工法である。
3 薄層オーバーレイ工法は、予防的維持工法として用いられることもあり、既設舗装の上に厚さ3cm未満の加熱アスファルト混合物を舗設する工法である。
4 シール材注入工法は、予防的維持工法として用いられることもあり、既設舗装の上に加熱アスファルト混合物以外の材料を使用して、封かん層を設ける工法である。

解答と解説: 

答え--- 4
シール材注入工法は舗装のひび割れにシール材を充填して補修する工法。既設舗装の上に,加熱アスファルト混合物以外の材料を使用して,3cm 未満の封かん層を設ける工法は、表面処理工法である。加熱アスファルト混合物を表面処理にするのはオーバーレイ工法である。


No32 道路の普通コンクリート舗装の施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 コンクリートをアジテータトラックで運搬する場合は、スランプは2.5 cm を標準とする。
2 コンクリートの敷均しは、鉄網を用いる場合は1層で、鉄網を用いない場合は2層で行う。
3 横目地に設けるダウエルバーは、路面及び道路軸に平行で、一般には版厚の1/2の高さに設置する。
4 横収縮目地に設ける目地溝は、カッタにより切削する場合には材齢28日の曲げ強度を確認した後に行う。

解答と解説: 

答え--- 3
アジテータトラックは一般のミキサー車のこと。スランプ6.5cmならミキサー車で運ばれるが、スランプ2.5cmの場合はダンプトラックで運ばれる。コンクリートの敷均しは、鉄網を用いる場合が2層で行う。カッタは硬化後早い時期に行う。


No33 ダムの基礎処理として行われるグラウチングに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 重力式コンクリートダムのコンソリデーショングラウチングは、着岩部付近において、遮水性の改良、基礎地盤弱部の補強を目的として行う。
2 グラウチングのセメントミルクの配合は、水セメント比W/C で表わされ、一般に濃い配合から順に注入していく。
3 ブランケットグラウチングは、ロックフィルダムのコア着岩部付近を対象に、カーテングラウチングと相まって遮水性を改良することを目的として行う。
4 ダム基礎地盤の透水性は、通常ボーリング孔を利用した水の圧入によるルジオンテストにより調査され、ルジオン値(Lu)で評価される。

解答と解説: 

答え--- 2
セメントミルクは密度なのでW/Cではない。


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