平成27年度 1級土木施工管理技術検定試験  午前問題(問題A) Page3

※ 問題番号No.16〜No.49 までの34 問題のうちから10 問題を選択し解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
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No34 コンクリートダムの施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 RCD工法は、超硬練りコンクリートをダンプトラック、ブルドーザ、振動目地切り機、振動ローラなどの機械を使用して打設する工法である。
2 PCD工法は、ダムコンクリートをポンプ圧送し、ディストリビュータによって打設する工法である。
3 SP-TOMは、管内部に数枚の硬質ゴムの羽根をらせん状に取り付け、管を回転させながら、連続的にコンクリートを運搬する工法である。
4 ELCMは、有スランプのダムコンクリートを、ダム軸方向の複数のブロックに一度に打設し、振動ローラを用いて締め固める工法である。

解答と解説: 

答え--- 4
コンクリートダムのELCM(エルコム)は拡張レヤ工法のこと。複数ブロック(区画)を一度に打設し、打設ブロック内の横継目を打設後、または打設中に造成することにより、堤体を面状に打ち上げる工法で、連続施工を可能とする合理化施工法である。締固めは有スランプコンクリートなのでバイブレーターを用いる。振動ローラなどはスランプの少ないものなどに用いる。


No35 トンネルの山岳工法における補助工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 仮インバートは、切羽近傍及び後方で上半盤あるいはインバート部に吹付けコンクリートなどを行うもので、上半鋼アーチ支保工と吹付けコンクリートの脚部支持地盤の強度が不足し、変形が生じるような場合の脚部の安定対策として用いられる。
2 鏡ボルトは、鏡面に前方に向けてロックボルトを打設するもので、大きな断面で施工をはかるために切羽の安定性を確保する場合の鏡面の安定対策として用いられる。
3 フォアポーリングは、掘削前にボルト、鉄筋、単管パイプなどを切羽天端方向に挿入するもので、切羽天端の安定が悪く、支保工の施工までに崩落するような場合の地表面沈下対策として用いられる。
4 水抜きボーリングは、先進ボーリングにより集水孔を設けて排水するもので、湧水により切羽の自立性の不足や吹付けコンクリートなどの施工が困難な場合の湧水対策として用いられる。

解答と解説: 

答え--- 3
フォアポーリングは近隣構造物対策に用いられることはあるが、地表面沈下対策には用いることはない。地表面沈下対策はパイプルーフ工法など。


No36 トンネルの山岳工法における覆工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 型枠の取外し時期を決定するコンクリートの材齢強度は、標準養生の供試体を用いた試験によって確認した強度とする。
2 覆工コンクリートの打込みは、施工体制や型枠の剛性を考慮した適切な打上がり速度で打ち込み、型枠に偏圧がかからないよう左右均等に、できるだけ水平に連続して打ち込む。
3 天端部のコンクリートの打込みでは、天端部背面に空隙を残さないために、空隙の発生しそうな部分には空気抜きなどの対策を講ずる必要がある。
4 覆工の施工時期は、内空変位が収束したことを確認した後に施工することを原則とするが、膨張性地山の場合には変位収束を待たずに早期に覆工を施工する場合もある。

解答と解説: 

答え--- 1
型枠の取り外し時期の決定にあたり、条件を同じくした供試体によりコンクリートの強度特性を把握し、脱型時強度に達していることを確認すること。


No37 海岸の傾斜型護岸の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 緩傾斜護岸は、堤脚位置が海中にある場合に汀線付近で吸出しが発生することがあるので、層厚を厚くするとともに上層から下層へ粒径を徐々に大きくして、噛合せをよくして施工する。
2 沿岸漂砂の均衡が失われたことによって侵食が生じている海岸では、海岸侵食に伴う堤脚部の地盤低下量を考慮して施工する。
3 表法に設置する裏込め工は、現地盤上に栗石・砕石層を50 cm以上の厚さとして、十分安全となるように施工する。
4 緩傾斜護岸の法面勾配は1:3より緩くし、法尻については先端のブロックが波を反射して洗掘を助長しないようブロックの先端を同一勾配で地盤に突込んで施工する。

解答と解説: 

答え--- 1
裏込工は、吸出しを防止するため上層から下層へ粒径を徐々に小さくする。


No38 海岸保全施設の養浜の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 養浜の施工方法は、養浜材の採取場所、運搬距離、社会的要因などを考慮して、最も効率的で周辺環境に影響を及ぼさない工法を選定する。
2 養浜の投入土砂は、現況と同じ粒径の細砂を用いた場合、沖合部の海底面を保持する上で役立ち、汀線付近での保全効果も期待できる。
3 養浜の陸上施工においては、工事用車両の搬入路の確保や、投入する養浜砂の背後地への飛散など、周辺への影響について十分検討し、慎重に施工する。
4 前浜養浜、沖合養浜の施工時は、海水汚濁により海域環境や水生生物に大きな影響を与える可能性があるので、陸上において予め汚濁の発生源となるシルト、有機物、ゴミなどを養浜材から取り除いて施工する。

解答と解説: 

答え--- 2
粗い粒径を多く含んだ投入土砂は汀線付近に留まるので海浜安定には効果がある。細砂の投入砂は広く拡散する。


No39 港湾工事におけるケーソンの製作・進水方式に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 吊り降し方式では、吊り鉄筋の大きさと埋込み長さは、ケーソンの空中重量、ケーソンのふくらみによる付加重量及び底面付着力に耐えることが必要である。
2 浮ドック方式では、係留場所の背後に型枠置場、鉄筋加工場などの作業用地を必要としないが、浮ドックの吃水に十分な水深がある静穏な係留場所が必要である。
3 吊り降し方式では、既設護岸の背後などでケーソンを製作するため、計画時にケーソンの自重による既設護岸の安定などを確認しておく必要がある。
4 浮ドック方式では、ケーソン進水時は適当な水深の場所に船体を引出し、船艙内に注入し船体を沈下させ、ケーソンを進水させることができる。

解答と解説: 

答え--- 2
浮ドック方式でも型枠置場、鉄筋加工場などの作業用地は必要である。型枠などは作業資材ヤードで組み立てた後、クレーン等で吊り込むのが一般的な施工方法である。



No40 浚渫船の特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 ポンプ浚渫船は、掘削後の水底面の凹凸が比較的小さいため、構造物の築造箇所の浚渫工事に使用されることが多い。
2 バックホウ浚渫船は、バックホウを台船上に搭載した浚渫船で、比較的規模の小さい浚渫工事に使用されることが多い。
3 グラブ浚渫船は、適用される地盤の範囲はきわめて広く、軟泥から岩盤まで対応可能で、浚渫深度の制限も少ない箇所に使用されることが多い。
4 ドラグサクション浚渫船は、自航できることから機動性に優れ、主に船舶の往来が頻繁な航路などの維持浚渫に使用されることが多い。

解答と解説: 

答え--- 1
ポンプ浚渫船はカッター付きのものと付いていないものがある。カッター付きなら岩盤等の掘削も可能だが、付いていない場合は土砂の吸い上げが主な作業になるので水面底の形状のままである。構造部の築造浚渫はカッター付などの浚渫船が必要。


No41 鉄道工事における砕石路盤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 敷き均した路盤材は、雨水などによる含水比の変化が生じないように、原則として敷き均した日のうちに排水勾配をつけて平滑に締め固める。
2 構造物の取付け部や路肩付近での施工は、路盤材のまき出しや敷均しに十分注意し、転圧に小型機械を用い入念に締め固める。
3 盛土材料が良質土で路盤材料として適合した同一材料を路盤上に使用する場合は、路盤の施工は盛土の施工と一体として行う。
4 路盤材料は、列車荷重を支えるのに十分な強度が必要であることを考慮して、クラッシャランなどの砕石やクラッシャラン鉄鋼スラグを用いる。

解答と解説: 

答え--- 3
路盤の施工において、盛土材料が良質土で適合した路盤材料で、同一材料を路盤に使用する場合であっても、路盤の施工は盛土の施工と分離して施工する。



No42 鉄道の軌道における維持管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 軌道変位の通り変位の測定は、直線部では線路の起点を背にして左側レールを、また、曲線部では車両走行特性への影響が大きい内軌側レールを測定する。
2 軌道変位の状態は、日常の巡回検査や検測車による定期的な検測により常に把握し、不良箇所は速やかに適切な補修作業を行う。
3 レールの摩耗は、直線区間ではレールの頭部が、また、曲線区間では外側のレールの頭部が顕著に摩耗する。
4 バラストは、列車通過のたびに繰返しこすれ合うことにより、次第に丸みを帯び、軌道に変位が生じやすくなるため、丸みを帯びたバラストは順次交換する。

解答と解説: 

答え--- 1
軌道変位の通り変位とは、レールの左右方向の変位のこと。カーブの場合、輪重変動が外軌側にかかるため外軌側レールを高くする。曲線部での車両走行特性の影響は外軌側のほうが大きい。


No43 営業線路内及び営業線近接工事の保安対策に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 列車の振動や風圧等によって不安定、危険な状態になるおそれのある工事は、列車の接近時から通過するまでの間、施工を一時中止する。
2 き電停止の手続きを行う場合は、その手続きは軌道作業責任者が行う。
3 線路閉鎖、保守用車使用の手続きを行う場合は、その手続きは線閉責任者が行う。
4 既設構造物に影響を与えるおそれのある工事の施工にあたっては、異常の有無を検測し、これを監督員等に報告する。

解答と解説: 

答え--- 2
き電停止の手続きは、軌道作業責任者ではなく、停電責任者が行う。

No44 シールド工法におけるセグメントに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 セグメントの組立は、トンネル断面の確保、止水効果の向上や地盤沈下の減少などからセグメントの継手ボルトを定められたトルクで十分に締付けるようにする。
2 合成セグメントは、同じ断面であれば高い耐力と剛性を付与することが可能なことから、鉄筋コンクリートセグメントと比較してセグメントの高さを低減できる。
3 鋼製セグメントは、材質が均一で比較的軽量であるため施工性がよく、コンクリート系セグメントと比べると耐圧縮性に優れ、土圧、ジャッキ推力などによる座屈や変形の発生が少ない。
4 セグメントの損傷を防止するには、セグメントの強度を考慮して、1本当たりのジャッキ推力を小さくするため、多くのジャッキを使用して所要推力を得るようにするのが望ましい。

解答と解説: 

答え--- 3
鉄筋コンクリート製セグメントの特徴は、耐久性に富み、耐圧縮性に優れている点がある。鋼製セグメントはジャッキ推進の場合は圧力過大時の座屈や変形に特に配慮する必要がある。説明は逆である。


No45 鋼道路橋の現場塗膜除去の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 環境対応形塗膜はく離剤による塗膜除去は、塗膜にはく離剤成分を浸透させるので、既存塗膜の膜厚が大きい場合、塗付時及び塗膜浸透時の気温が低い場合には塗膜はく離がし難いことがある。
2 環境対応形塗膜はく離剤による塗膜除去は、塗膜をシート状に軟化させ塗膜を回収するので、塗膜ダストや騒音が発生しない。
3 環境対応形塗膜はく離剤による塗膜除去は、塗膜を溶解して除去する従来の塗膜はく離とは異なり、高級アルコールを主成分とするため毒性及び皮膚刺激性が少ない。
4 環境対応形塗膜はく離剤による塗膜除去は、塗替えの素地調整程度1種相当のブラスト法と比較すると、さびや黒皮、長ばく形エッチングプライマーによる塗膜や旧塗膜の除去に優れている。

解答と解説: 

答え--- 4
ブラスト法のほうが、塗膜はく離剤より除去は優れている。



No46 上水道の管布設工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 埋戻しは、片埋めにならないように注意しながら、厚さ30 cm以下に敷き均し、現地盤と同程度以上の密度となるように締め固める。
2 床付面に岩石、コンクリート塊などの支障物がでた場合は、床付面より10 cm以上取り除き、砂などに置き換える。
3 床付け及び接合部の掘削は、配管及び接合作業が完全にできるよう、えぐり掘りにより所定の形状に仕上げる。
4 既設管との連絡工事箇所(接続工事箇所)では、試掘調査を行い、既設管の位置、管種、管径など及び他の埋設物の確認を行う。

解答と解説: 

答え--- 3
えぐり掘りは横方向に掘り広げることで、後で完全に埋め戻すことが困難である。よって配管が傷ついたり上部に舗装する場合は沈下等があるのでしてはならない。


No47 下水道管きょの接合に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 管きょが合流する場合は、流水について十分検討し、マンホールの形状及び設置箇所、マンホール内のインバートなどで対処する。
2 地表勾配が急な場合には、管きょ径の変化の有無にかかわらず、原則として地表勾配に応じ、段差接合又は階段接合とする。
3 管きょの方向、勾配又は管きょ径の変化する箇所及び管きょの合流する箇所には、マンホールを設ける。
4 管きょ径が変化する場合又は2本の管きょが合流する場合の接合方法は、原則として管底接合又は管中心接合とする。

解答と解説: 

答え--- 4
管渠が変化する場合の接合は、水面接合がベスト。又は管頂接合が良い。管底接合は、どうしてもやむを得ない場合以外は原則として実施しない。


No48 小口径管推進工法の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 滑材の注入における誘導管の滑材吐出口の位置は任意に設定できるため、推進力の推移をみながら位置を決定し滑材注入を行う。
2 推進作業では、切羽を安定させ、推進管にかかる推進力を確認し、排土量が過多にならないよう留意する。
3 初期掘進時には、先導体や推進諸設備に固有の動作特性があるため、先導体の特性をできるだけ早く把握して、地山の変化や蛇行に迅速に対処できるように努める。
4 推進工法の管理では、一般に推進速度が速く方向制御のタイミングの遅れにより計測線からのずれや蛇行が生じやすいため、リアルタイムで先導体の位置を把握し、正確にオペレーションする。

解答と解説: 

答え--- 1
途中で任意に位置を決定することは出来ない。


No49 構造物などに近接して行う薬液注入に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 注入中は周辺地盤や構造物などの監視を十分に行い、注入圧力の上昇に注意しながら施工する。
2 注入孔の位置は、間隔を密に配置して、孔1本当たりの注入量を少なくする。
3 注入順序は、構造物に影響のないように、構造物の近くから遠くへ注入を進める。
4 注入材はゲルタイムを短くし、注入速度を速くして施工する。

解答と解説: 

答え--- 4
注入速度を速くすれば工期も短縮し、施工性も確かに向上するが、長いゲルタイムの薬液を、低い注入速度で地盤に浸透させる方式のほうが近接構造物を保護する場合は好ましい。

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平成27年度1級土木施工管理技士
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