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※ 問題番号〔No.16〕〜〔No.49〕 までの34 問題のうちから10 問題を選択し解答してください。


No16 鋼道路橋の架設上の留意事項に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 曲線桁橋は、架設中の各段階において、ねじれ、傾き及び転倒などのないように重心位置を把握し、ベントなどの反力を検討する。
2 I形断面の鋼桁橋は、水平曲げ剛度、ねじり剛度が低いため、桁を1本のみで仮置きやつり上げをする場合には、横倒れ座屈に注意する。
3 箱形断面の桁は、重量が重くつりにくいので、つり状態における安全性を確認するため、つり金具や補強材は一般に現場で取り付ける。
4 斜橋は、たわみや主桁の傾きなどは架設中の各段階について算定し、架設中の桁のそりの管理を行う。

解答と解説: 

答え--- 3
吊り金具等は、RC床版打設、塗装作業および架設後の維持管理を考慮し、工場製作の段階で取り付けるものとする。これは足場用のものも同様である。


No17 鋼道路橋における溶接施工上の留意事項に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 組立溶接は、本溶接と同様の管理が必要ない仮付け溶接のため、組立溶接終了後ただちに本溶接を施工しなければならない。
2 開先溶接及び主桁のフランジと腹板のすみ肉溶接は、原則としてエンドタブを取り付け、溶接の始端及び終端が溶接する部材上に入らないようにしなければならない。
3 溶接を行う部分は、溶接に有害な黒皮、さび、塗料、油などは除去したうえで、溶接線近傍は十分に乾燥させなければならない。
4 開先形状は、完全溶込み開先溶接からすみ肉溶接に変化するなど溶接線内で開先形状が変化する場合、遷移区間を設けなければならない。

解答と解説: 

答え--- 1
組立溶接は、本溶接の場合と同様に管理して施工しなければならない。


No18 鋼道路橋における高力ボルトの締付け作業に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 曲げモーメントを主として受ける部材のフランジ部と腹板部とで、溶接と高力ボルト摩擦接合をそれぞれ用いるような場合には、高力ボルトの締付け完了後に溶接する。
2 トルシア形高力ボルトの締付けは、予備締めには電動インパクトレンチを使用してもよいが、本締めには専用締付け機を使用する。
3 高力ボルトの締付けは、継手の外側のボルトから順次中央のボルトに向かって行い、2度締めを行うものとする。
4 高力ボルトの締付けをトルク法によって行う場合には、軸力の導入は、ボルト頭を回して行うのを原則とし、やむを得ずナットを回す場合にはトルク計数値の変化を確認する。

解答と解説: 

答え--- 2
溶接と高力ボルト摩擦接合をそれぞれ用いるような場合には、溶接の完了後に高力ボルトを締め付けるのがよい。
継手の外側からボルトを締付けると連結板が浮き上がり,密着性が悪くなる傾向がある。なので中央から締め付ける。
トルク法のボルトの締付けはナットをまわして行うのが原則である。


No19 コンクリートのアルカリシリカ反応の抑制対策に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 JIS R 5211「高炉セメント」に適合する高炉セメントB種の使用は、アルカリシリカ反応抑制効果が認められない。
2 鉄筋腐食を防止する観点からも、単位セメント量を増やしてコンクリートに含まれるアルカリ総量をできるだけ多くすることが望ましい。
3 アルカリシリカ反応では、有害な骨材を無害な骨材と混合した場合、コンクリートの膨張量は、有害な骨材を単独で用いるよりも小さくなることがある。
4 海洋環境や凍結防止剤の影響を受ける地域で、無害でないと判定された骨材を用いる場合は、外部からのアルカリ金属イオンや水分の侵入を抑制する対策を行うのが効果的である。

解答と解説: 

答え--- 4
高炉セメントはアルカリシリカ反応抑制効果がある。
アルカリシリカ反応の抑制にはアルカリ総量を減らすほうが良い。
総アルカリ量が多い場合には,反応性骨材の混合率が高いほど膨張量は大きくなる。



No20 コンクリート構造物の補修対策に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 シラン系表面含浸材を用いた表面含浸工法を適用すると、コンクリートの細孔を塞ぐため、コンクリートの吸水性を低下させるとともに、コンクリート内部からの水蒸気透過も防止する。
2 吹付け工法による断面修復工法は、型枠の設置が不要であり断面修復面積が比較的大きい部位に適している。
3 塩害に起因して鉄筋の腐食による顕著なさび汁やかぶりコンクリートのはく離が発生したコンクリート構造物に対しては、有機系被覆材による表面被覆工法だけを施せばよい。
4 電気防食工法は、コンクリート中の塩化物イオンを除去する目的で適用する電気化学的補修工法である。

解答と解説: 

答え--- 2
シラン系表面含浸材は、空隙は充填されないので、水蒸気透過性は保持される。よってコンクリート内部での水分の滞留に起因する劣化の抑制も期待できる。
すでに錆汁や剥離が発生しているなら、劣化因子の除去と鉄筋の腐食抑制処理をした後に表面被覆工法をする。原因除去せずに表面被覆工法だけを施しても劣化は止まらない。
電気防食工法の目的は、腐食が開始した鉄筋の腐食進行を抑制する工法で、塩化物イオン除去ではない。





No21 河川の掘削工事に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 河道内の掘削工事では、掘削深さが河川水位より低い場合や地下水位が高い場合、数層に分けて掘削するなど、土質や水位条件などを総合的に検討して掘削方法を決める必要がある。
2 河道内の掘削工事では、出水時に掘削機械が迅速に安全な場所に退避できるように、あらかじめ退避場所を設けておく必要がある。
3 低水路部の一連区間の掘削では、流水が乱流を起こして部分的に深掘れなどの影響が生じないよう、原則として上流から下流に向かって掘削する。
4 低水路の掘削土を築堤土に利用する場合は、地下水位や河川水位を低下させるための瀬替えや仮締切り、排水溝を設けた釜場での排水などにより含水比の低下をはかる。

解答と解説: 

答え--- 3
河川の掘削など、工事は下流から上流へ施工することが原則である。


No22 河川護岸前面に設置する根固工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 根固工は、流体力に耐える重量であり、護岸基礎前面の河床の洗掘を生じさせない敷設量とし、耐久性が大きく、河床変化に追随できる屈とう性構造とする。
2 根固工の敷設天端高は、平均河床高と同じ高さとすることを基本とし、根固工と法覆工との間に間げきを生じる場合には、適当な間詰工を施すものとする。
3 根固工のブロック重量は、平均流速及び流石などに抵抗できる重さを有する必要があることから、現場付近の河床にある転石類の平均重量以上とする。
4 根固工に用いる異形コンクリートブロックの乱積みは、河床整正を行って積み上げるので、水深が深くなると層積みと比較して施工は困難になる。

解答と解説: 

答え--- 1
根固工の敷設天端高は、最低の河底高さに揃える。根固工のブロック重量は過積載側に安全なものでなければならない。平均重量では不足する。乱積みの場合は河床整正を行わず積み上げる。


No23 河川の柔構造樋門の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 キャンバー盛土の施工は、キャンバー盛土下端付近まで掘削し、新たに適切な盛土材を用いて盛土することが望ましい。
2 樋門本体の不同沈下対策としての可とう性継手は、樋門の構造形式や地盤の残留沈下を考慮し、できるだけ土圧の大きい堤体中央部に設ける。
3 堤防開削による床付け面は、荷重の除去にともなって緩むことが多く、乱さないで施工するとともに転圧によって締め固めることが望ましい。
4 基礎地盤の沈下により函体底版下に空洞が発生した場合は、その対策としてグラウトが有効であることから、底版にグラウトホールを設置する。

解答と解説: 

答え--- 2
可とう性継手を設ける位置は土圧の小さい箇所へ設ける。



No24 砂防えん堤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 岩盤にコンクリートを打ち込む場合は、基礎掘削によって緩められた岩盤を取り除き岩屑や泥を十分洗い出し、たまり水をふき取る作業が必要である。
2 砂礫の上にコンクリートを打ち込む場合は、転石などの泥を洗浄し、基礎面は十分水切りを行って泥濘によるコンクリート汚染が起こらないようにしなければならない。
3 砂防えん堤の上下流の岩盤余掘部をコンクリートで充てんするための間詰めは、風化していない岩盤までコンクリートを打ち上げる。
4 コンクリートの打継ぎ面は、砂防えん堤の堤体の一体化をはかるため、コンクリート打込み時には乾燥した状態でなければならない。

解答と解説: 

答え--- 4
コンクリートの打継ぎ面の処理は、粗面の形成、湿潤化等である。


No25 渓流保全工の各構造に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 床固め工は、コンクリートを打ち込むことにより構築される場合が多いが、地すべり地などのように柔軟性の必要なところでは、枠工や蛇かごによる床固め工が設置される。
2 帯工は、渓床の固定をはかるために設置されるものであり、天端高と計画河床高の差を考慮して落差を設ける。
3 護岸工は、渓岸の侵食・崩壊を防止するために設置されるものであり、床固め工の袖部を保護する目的では設置しない。
4 水制工は、荒廃渓流に設置される場合、水制頭部が流水及び転石の衝撃を受けることから、堅固な構造とするが、頭部を渓床の中に深くは設置しない。

解答と解説: 

答え--- 1
帯工は縦侵食を防止するための施設である。 帯工のの天端を計画される渓床高とし、落差を与えないことに留意する。
護岸工は、渓岸の侵食・崩壊などの防止を目的とした施設である。 床固め工の袖部なども水衝部などの渓岸の侵食又は崩壊が発生するので保護目的となる。
水制工は、流水の流向を制御したり、流路幅を限定することにより、渓岸の侵食・崩壊を防止する施設である。水制工は、原則として渓流の下流部など渓床勾配が急でないところに計画するものとする。




No26 急傾斜地崩壊防止工の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 急傾斜地崩壊防止を目的とした切土工を施工する場合は、切土の斜面表層の侵食防止・風化防止のため、法面保護工を施工する。
2 重力式コンクリート擁壁を施工する際には、擁壁背面の水を排除するために水抜き孔を水平に設置する。
3 張り工は、土圧に対抗するものではないので、土圧を考慮していないが、湧水の多い箇所では背面に水圧が生じないように排水対策を十分に実施する。
4 排水工のうち縦排水路を施工する際には、水路から溢れた流水などによる水路両側の洗掘を防止するために、側面に勾配をつけ、コンクリート張りや石張りを設置する。

解答と解説: 

答え--- 2
水抜き穴は、千鳥状に配置し、勾配を付けて排水しやすく設置する。


No27 道路のアスファルト舗装における路床に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 凍上抑制層は、凍結深さから求めた必要な置換え深さと舗装の厚さを比較し、置換え深さが大きい場合に、路盤の下にその厚さの差だけ凍上の生じにくい材料で置き換えたものである。
2 切土路床は、表面から30 cm程度以内に木根、転石などの路床の均一性を損なうものがある場合はこれらを取り除いて仕上げる。
3 安定処理材料は、路床土とセメントや石灰などの安定材を混合し路床の支持力を改善する場合に用いられ、一般に粘性土に対してはセメントが適している。
4 安定処理工法は、現状路床土と安定材を混合し構築路床を築造する工法で、現状路床土の有効利用を目的とする場合はCBR が3未満の軟弱土に適用される。

解答と解説: 

答え--- 3
セメント系固化材は砂質土、粘性土ともに利用されるが、どちらかといえば砂質土に向いている。粘性土の場合は特殊土用固化材が活用される。


No28 道路のアスファルト舗装における路盤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 上層路盤の安定処理に用いる骨材の最大粒径は、60 mm以下でかつ1層の仕上り厚の1/2以下がよい。
2 下層路盤の粒状路盤工法では、締固め前に降雨などにより路盤材料が著しく水を含み締固めが困難な場合には、晴天を待って曝気乾燥を行う。
3 下層路盤の粒状路盤の施工にあたっては、1層の仕上り厚さは20 cm以下を標準とし、敷均しは一般にモータグレーダで行う。
4 上層路盤にセメントや石灰による安定処理を施工する場合には、施工終了後、アスファルト乳剤などでプライムコートを施すとよい。

解答と解説: 

答え--- 1
上層路盤の安定処理に用いる骨材の最大粒径は、50 mm以下でかつ1層の仕上り厚の1/2以下とする。


No29 道路のアスファルト舗装における加熱アスファルト混合物の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 初転圧の転圧温度は、一般に110〜140℃で、ヘアクラックの生じない限りできるだけ高い温度とする。
2 ホットジョイントの場合は、縦継目側の5〜10 cm 幅を転圧しないでおいて、この部分を後続の混合物と同時に締め固める。
3 敷均し作業中に雨が降りはじめた場合には、敷均し作業を中止するとともに、敷き均した混合物を速やかに締め固めて仕上げる。
4 各層の継目位置は、既設舗装の補修・拡幅などの場合を除いて、下層の継目の上に上層の継目を重ねるようにする。

解答と解説: 

答え--- 4
各層の継目位置は、上下で異なる位置に設ける。


No30 道路のアスファルト舗装における補修工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 表面処理工法は、一般に流動によるわだち掘れや線状に発生したひび割れが著しい箇所の補修に用いられる工法である。
2 路上表層再生工法は、既設アスファルト混合物層を路上破砕混合機などで破砕すると同時に、セメントなどの添加材料を加え、路盤を構築する工法である。
3 薄層オーバーレイ工法は、予防的維持工法として用いられることもあり、既設舗装の上に薄層で加熱アスファルト混合物を舗設する工法である。
4 線状打換え工法は、主として摩耗などによってすり減った部分を補うことを目的として、既設舗装のわだち掘れ部のみを加熱アスファルト混合物で舗設する工法である。

解答と解説: 

答え--- 3
わだち掘れの場合や著しい線状ひび割れは路床が変形していることが考えられる。なので表面処理工法は適当でない。
路上表層再生工法は、既設アスファルトを現位置において表層の加熱、かきほぐしを行い、必要に応じて新規アスファルト混合物や再生用添加剤を加えて表層を再生する工法。路盤の構築は行わない。
線状打換え工法とは、クラックが線状の場合、その狭い部分のみを打ち換える工法を言う。


No31 道路の排水性舗装に使用するポーラスアスファルト混合物の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 橋面上に適用する場合は、目地部や構造物との接合部から雨水が浸透すると、舗装及び床版の強度低下が懸念されるため、排水処理に関しては特に配慮が必要である。
2 ポーラスアスファルト混合物は、粗骨材が多いのですりつけが難しく、骨材も飛散しやすいので、すりつけ最小厚さは粗骨材の最大粒径以上とする。
3 締固めは、ロードローラ、タイヤローラなどを用いるが、振動ローラを無振で使用してロードローラの代替機械とすることもある。
4 タックコートは、下層の防水処理としての役割も期待されており、原則としてアスファルト乳剤(PK-3)を使用する。

解答と解説: 

答え--- 4
タックコートは下層との接着、付着のために用いる。表面水の浸透を防止するのはプライムコートである。


No32 道路のコンクリート舗装に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 プレキャストコンクリート版舗装は、工場で製作したコンクリート版を路盤上に敷設し、築造する舗装であり、施工後早期に交通開放ができるため修繕工事に適している。
2 薄層コンクリート舗装は、コンクリートでオーバーレイする舗装であり、既設コンクリート版にひび割れが多発している箇所など、構造的に破損していると判断される場合に適用する。
3 ポーラスコンクリート舗装は、高い空げき率を有したポーラスコンクリート版を使用し、これにより排水機能や透水機能などを持たせた舗装である。
4 コンポジット舗装は、表層又は表層・基層にアスファルト混合物を用い、直下の層にセメント系の版を用いた舗装であり、通常のアスファルト舗装より長い寿命が期待できる。

解答と解説: 

答え--- 2
薄層コンクリート工法は、交通荷重の増大に伴い、耐久性の向上が要求される箇所や騒音低減・すべり抵抗性機能の回復が要求される箇所に用いられる。構造的に破損していると判断される場合には向かない。


No33 下記に示す(イ)〜(ホ)の作業内容について、一般的なRCD工法(巡航RCD工法を除く)の施工手順として、適当なものは次のうちどれか。
(イ) RCD 用コンクリート打込み
(ロ) 外部コンクリート打込み
(ハ) 内部振動機で締固め
(ニ) 内部振動機で境界部を締固め
(ホ) 敷き均して振動ローラで締固め

1 (イ)→(ハ)→(ホ)→(ロ)→(ニ)
2 (イ)→(ハ)→(ロ)→(ニ)→(ホ)
3 (ロ)→(ハ)→(イ)→(ホ)→(ニ)
4 (ロ)→(ハ)→(イ)→(ニ)→(ホ)

解答と解説: 

答え--- 3
RCD工法はダムなどのコンクリート打設工法で、超硬練り貧配合コンクリートをブルドーザーで敷均し、振動ローラで締め固める工法である。
RCD工法と巡航RCD工法の違いであるが、外部コンクリート打込みを先行打設するのがRCD工法で、後打ちするのが巡航RCD工法である。
(ニ)を打設箇所との取り合い等を締め固めるものとするなら、
なので、(ロ)→(ハ)→(イ)→(ホ)→(ニ)はRCD工法の施工手順、
(イ)→(ハ)→(ホ)→(ロ)→(ニ)が巡航RCD工法の施工手順となる。
外部コンクリートとRCD用コンクリートと一体化を図るため、RCD工法では打ち継ぎ時間が4時間以内と制限があるが、巡航RCD工法ではその制約が無く(概ね2〜3日以内に打設すれば良い)、打ち止め用の型枠も不要なため施工の煩雑さが無い特徴がある。





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