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※ 問題番号〔No.01〕〜〔No.35〕までの35 問題は必須問題ですから全問題を解答してください。


No01 TS(トータルステーション)を用いて行う測量に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 TSでは、水平角観測、鉛直角観測及び距離測定は、1視準で同時に行うことを原則とする。
2 TSでの鉛直角観測は、1視準1読定、望遠鏡正及び反の観測を1対回とする。
3 TSでの距離測定にともなう気温及び気圧などの測定は、TSを整置した測点で行い、3級及び4級基準点測量においては、標準大気圧を用いて気象補正を行うことができる。
4 TSでは、水平角観測の必要対回数に合わせ、取得された鉛直角観測値及び距離測定値はすべて採用し、その最小値を用いることができる。

解答と解説: 

答え--- 4
水平角観測の必要対回数に合わせて、取得された鉛直角の観測値をすべて採用し、その平均値を最確値とする。


No02 公共工事標準請負契約約款に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 発注者は、受注者の責によらず、工事の施工に伴い通常避けることができない地盤沈下により第三者に損害を及ぼしたときは、損害による費用を負担する。
2 受注者は、原則として、工事の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。
3 受注者は、設計図書において監督員の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料が検査の結果不合格とされた場合は、工事現場内に存置しなければならない。
4 発注者は、工事現場における運営等に支障がなく、かつ発注者との連絡体制も確保されると認めた場合には、現場代理人について工事現場における常駐を要しないものとすることができる。

解答と解説: 

答え--- 3
検査の結果不合格と決定された工事材料については遅滞なくすみやかに工事現場外に搬出する。


No03 下図は、工事起点No. 0から工事終点No. 5(工事区間延長500 m)の道路改良工事の土積曲線(マスカーブ)を示したものであるが、次の記述のうち、適当でないものはどれか。
 
1 No. 0 からNo. 2 までは、盛土区間である。
2 当該工事区間では、盛土区間より切土区間の方が長い。
3 No. 0 からNo. 3 までは、切土量と盛土量が均衡する。
4 当該工事区間では、残土が発生する。

解答と解説: 

答え--- 2
工事区間では、盛土区間がNo.0〜No.2と、No.4〜No.5までの延長300m、切土区間は200mである。なので盛土区間のほうが長くなる。
No. 0 からNo. 2 までは、右下がりの曲線であるので盛土が必要な区間になる。No.2からNo.3までは切土区間だがNo.3でNo.0まで戻っているのでNo. 0 からNo. 3 までは、切土量と盛土量が均衡する。
No.5の時点でNo.0に戻っていないことから、残土が5000m3程度発生する計画になる。


No04 建設機械用エンジンの特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 ガソリンエンジンは、一般に負荷に対する即応性、燃料消費率及び保全性などが良好であり、ほとんどの建設機械に使用されている。
2 ガソリンエンジンは、エンジン制御システムの改良に加え排出ガスを触媒(三元触媒)を通すことで、窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素をほぼ100%近く取り除くことができる。
3 ディーゼルエンジンとガソリンエンジンでは、エンジンに供給された燃料のもつエネルギーのうち正味仕事として取り出せるエネルギーは、ガソリンエンジンの方が小さい。
4 ディーゼルエンジンは、排出ガス中に多量の酸素を含み、すすや硫黄酸化物を含むことから後処理装置(触媒)によって排出ガス中の各成分を取り除くことが難しい。

解答と解説: 

答え--- 1
建設機械の多くはディーゼルエンジンである。負荷に対する即応性、燃料消費率及び保全性などが良好なのはディーゼルエンジンのこと。



No05 施工計画に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 施工計画の検討は、現場担当者のみで行うことなく、企業内の組織を活用して、全社的に高い技術レベルでするものである。
2 施工計画の立案に使用した資料は、施工過程における計画変更などに重要な資料となったり、工事を安全に完成するための資料となるものである。
3 施工手順の検討は、全体工期、全体工費に及ぼす影響の小さい工種を優先にして行わなければならない。
4 施工方法の決定は、工事現場の十分な事前調査により得た資料に基づき、契約条件を満足させるための工法の選定、請負者自身の適正な利潤の追求につながるものでなければならない。

解答と解説: 

答え--- 3
施工手順の検討は、全体工期、全体工費に及ぼす影響の大きい工種を優先にして行う。小さい工事でも重要な工事であれば優先度は高いが一般的ではない。





No06 建設工事の施工にともなう関係機関への届出及び許可に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 道路上に工事用板囲、足場、詰所その他の工事用施設を設置し、継続して道路を使用する場合は、所轄の警察署長に道路占用の許可を受けなければならない。
2 型枠支保工の支柱の高さが3.5 m以上のコンクリート構造物の工事現場の場合は、所轄の労働基準監督署長に計画を届け出なければならない。
3 車両の構造又は車両に積載する貨物が特殊である車両を通行させる場合は、地方運輸局長に特殊車両の通行許可を受けなければならない。
4 つり足場、張出し足場以外の足場で、高さが10 m以上、組立から解体までの期間が60日以上の場合は、市町村長に計画を届け出なければならない。

解答と解説: 

答え--- 2
警察署長に提出するのは道路使用許可である。占用許可は道路管理者(県・市町村など)である。
車両の構造又は車両に積載する貨物が特殊である車両を通行させる場合、道路管理者に申請し、申請し許可を得る。
足場の高さが10m以上で組立から解体までが60日以上の場合は、設置工事開始の30日前までに所轄の労働基準監督署長に届出る。


No07 公共工事における施工体制台帳に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 元請業者は、工事を施工するために下請契約を締結した場合、下請金額にかかわらず施工体制台帳を作成しなければならない。
2 元請業者は、施工体制台帳と合わせて施工の分担関係を表示した施工体系図を作成し、工事関係者や公衆が見やすい場所に掲げなければならない。
3 施工体制台帳には、建設工事の名称、内容及び工期、許可を受けて営む建設業の種類、健康保険等の加入状況などを記載しなければならない。
4 下請業者は、請負った工事をさらに他の建設業を営む者に請け負わせたときは、施工体制台帳を修正するため再下請通知書を発注者に提出しなければならない。

解答と解説: 

答え--- 4
下請業者が再下請負通知書を提出するのは元請業者である。発注者でない。


No08 工事の原価管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 原価管理は、天災その他不可抗力による損害について考慮する必要はないが、設計図書と工事現場の不一致、工事の変更・中止、物価・労賃の変動について考慮する必要がある。
2 原価管理は、工事受注後、最も経済的な施工計画をたて、これに基づいた実行予算の作成時点から始まって、工事決算時点まで実施される。
3 原価管理を実施する体制は、工事の規模・内容によって担当する工事の内容ならびに責任と権限を明確化し、各職場、各部門を有機的、効果的に結合させる必要がある。
4 原価管理の目的は、発生原価と実行予算を比較し、これを分析・検討して適時適切な処置をとり、最終予想原価を実行予算まで、さらには実行予算より原価を下げることである。

解答と解説: 

答え--- 1
原価管理では、ある程度の不可抗力による損害も考慮すべきであるし、条件変更などの工事の変更、中止、物価、労賃の変動については逆に考慮する必要はない。


No09 建設機械の選定に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 建設機械の選定は、作業の種類、工事規模、土質条件、運搬距離などの現場条件のほか建設機械の普及度や作業中の安全性を確保できる機械であることなども考慮する。
2 建設機械は、機種・性能により適用範囲が異なり、同じ機能を持つ機械でも現場条件により施工能力が違うので、その機械が最大能率を発揮できるように選定する。
3 組合せ建設機械は、最大の作業能力の建設機械によって決定されるので、各建設機械の作業能力に大きな格差を生じないように規格と台数を決定する。
4 組合せ建設機械の選択では、主要機械の能力を最大限に発揮させるため作業体系を並列化し、従作業の施工能力を主作業の施工能力と同等、あるいは幾分高めにする。

解答と解説: 

答え--- 3
組合せた一連の作業の作業能力は、組合せた建設機械の中で最小の作業能力の建設機械によって決定される。各建設機械の作業能力に大きな格差が生じないよう建設機械の規格と台数を決め、バランスをとる。


No10 工事の工程管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 工程管理は、品質、原価、安全など工事管理の目的とする要件を総合的に調整し、策定された基本の工程計画をもとにして実施される。
2 工程管理は、工事の施工段階を評価測定する基準を品質におき、労働力、機械設備、資材などの生産要素を、最も効果的に活用することを目的とした管理である。
3 工程管理は、施工計画の立案、計画を施工の面で実施する統制機能と、施工途中で計画と実績を評価、改善点があれば処置を行う改善機能とに大別できる。
4 工程管理は、工事の施工順序と進捗速度を表す工程表を用い、常に工事の進捗状況を把握し計画と実施のずれを早期に発見し、適切な是正措置を講ずることが大切である。

解答と解説: 

答え--- 2
工程管理は、工事の施工段階を評価測定する基準を時間におき、労働力、機械設備、資材などの生産要素を、最も効果的に活用することを目的としている。
「基準を品質におき」でなく「基準を時間におき」が正しい。




No11 工程管理に使われる工程表の種類と特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 ガントチャートは、横軸に各作業の進捗度、縦軸に工種や作業名をとり、作業完了時が100%となるように表されており、各作業ごとの開始から終了までの所要日数が明確である。
2 斜線式工程表は、トンネル工事のように工事区間が線上に長く、しかも工事の進行方向が一定の方向にしか進捗できない工事に用いられる。
3 ネットワーク式工程表は、コンピューターを用いたシステム的処理により、必要諸資源の最も経済的な利用計画の立案などを行うことができる。
4 グラフ式工程表は、横軸に工期を、縦軸に各作業の出来高比率を表示したもので、予定と実績との差を直視的に比較するのに便利である。

解答と解説: 

答え--- 1
ガントチャートは,各作業の完了時点を100%として横軸にその達成度をとって示したもので,各作業に必要な日数が何日であるか分らない。


No12 下図のネットワーク式工程表に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
ただし、図中のイベント間のA〜Kは作業内容、日数は作業日数を表す。
1 クリティカルパスは、0→1→2→4→5→9である。
2 1→6→7→8の作業余裕日数は4日である。
3 作業Kの最早開始日は、工事開始後26日である。
4 工事開始から工事完了までの必要日数(工期)は28 日である。

解答と解説: 

答え--- 4
クリティカルパスは0→1→2→3→5→9の28日である。(必要日数)
1→6→7→8の最早完了日は5+2+7+7=21日、最遅完了日は全工程-工事Kで、28-4=24日。よって作業余裕日数は24-21=3日となる。
作業Kの最早開始日はイベント5の完了と同じなので工事開始後22日目である。



No13 工程管理に用いられるバーチャート工程表に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
 
1 バーチャート工程表は、簡単な工事で作業数の少ない場合に適しているが、複雑な工事では作成・変更・読取りが難しい。
2 バーチャート工程表では、他の工種との相互関係、手順、各工種が全体の工期に及ぼす影響などが明確である。
3 バーチャート工程表は、各工種の所要日数がタイムスケールで描かれて見やすく、また作業の工程が左から右に移行しているので、作業全体の流れがおおよそ把握できる。
4 バーチャート工程表では、工事全体の進捗状況を表現することができないため、工程管理曲線を併記することにより、全体工程の進捗状況を把握できる。

解答と解説: 

答え--- 2
他の工種との相互関係、手順、各工種が全体の工期に及ぼす影響などが明確であるのはネットワーク工程表である。


No14 労働安全衛生法令上、元方事業者の講ずべき措置等として次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行わなければならない。
2 元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正の措置すべてを自ら行わなければならない。
3 元方事業者は、機械等が転倒するおそれのある場所において、関係請負人の労働者が当該事業の仕事の作業を行うときは、当該場所に係る危険を防止するための措置が適正に講ぜられるように、技術上の指導その他の措置を講じなければならない。
4 元方事業者の講ずべき技術上の指導その他の必要な措置には、技術上の指導のほか、危険を防止するために必要な資材等の提供、元方事業者が自ら又は関係請負人と共同して危険を防止するための措置を講じること等が含まれる。

解答と解説: 

答え--- 2
元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認められるときは、是正のため必要な指示を行わなければならない。
指示を受けた関係請負人又はその労働者は、当該指示に従わなければならない。
つまり、基本的な是正は関係請負人などが実施することになる。 元請けが下請け業者の労働環境の改善までする必要はない。



No15 施工中の建設工事現場における異常気象時の安全対策に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 現場における伝達は、現場条件に応じて、無線機、トランシーバー、拡声器、サイレンなどを設け、緊急時に使用できるよう常に点検整備しておく。
2 洪水が予想される場合は、各種救命用具(救命浮器、救命胴衣、救命浮輪、ロープ)などを緊急の使用に際して即応できるように準備しておく。
3 大雨などにより、大型機械などの設置してある場所への冠水流出、地盤の緩み、転倒のおそれなどがある場合は、早めに適切な場所への退避又は転倒防止措置をとる。
4 電気発破作業においては、雷光と雷鳴の間隔が短いときは、作業を中止し安全な場所に退避させ、雷雲が直上を通過した直後から作業を再開する。

解答と解説: 

答え--- 4
電気発破作業においては、雷光と雷鳴の間隔が短い時は、作業を中止し安全な場所に退避させること。また、雷雲が直上を通過した後も、雷光と雷鳴の間隔が長くなるまで作業を再開しないこと。「直上を通過した直後から」が誤り。


No16 建設工事の労働災害防止対策に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 作業床の端、開口部などには、必要な強度の囲い、手すり、覆いなどを設置し、床上の開口部の覆い上には、原則として材料などを置かないこととし、その旨を表示する。
2 土留支保工内の掘削において、切ばり、腹起しなどの土留支保工部材を通路として使用する際は、あらかじめ通路であることを示す表示をする。
3 上下作業は極力避けることとするが、やむを得ず上下作業を行うときは、事前に両者の作業責任者と場所、内容、時間などをよく調整し、安全確保をはかる。
4 物体の落下しやすい高所には物を置かないこととするが、やむを得ず足場上に材料などを集積する場合には、集中荷重による足場のたわみなどの影響に留意する。

解答と解説: 

答え--- 2
切梁、腹起し等の土留・支保工部材上の通行を禁止すること。必ず別途仮設通路を設けなければならない。


No17 型枠支保工に関する次の記述のうち、事業者が講じるべき措置として、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。
1 型枠支保工の支柱の継手は、重ね継手とし、鋼材と鋼材との接合部及び交差部は、ボルト、クランプ等の金具を用いて緊結する。
2 型枠支保工については、敷角の使用、コンクリートの打設、くいの打込み等支柱の沈下を防止するための措置を講ずる。
3 型枠が曲面のものであるときは、控えの取付け等当該型枠の浮き上がりを防止するための措置を講ずる。
4 コンクリートの打設について、その日の作業を開始する前に、当該作業に係る型枠支保工について点検し、異状を認めたときは補修する。

解答と解説: 

答え--- 1
型枠支保工の支柱の継手は、突合せ継手又は差込み継手とすること。重ね継手では圧縮応力を十分に伝えることが出来ない可能性がある。


No18 建設工事における墜落災害の防止に関する次の記述のうち、事業者が講じるべき措置として、適当なものはどれか。
1 移動式足場に労働者を乗せて移動する際は、足場上の労働者が手すりに要求性能墜落制止用器具(安全帯)をかけた状況を十分に確認した上で移動する。
2 墜落による危険を防止するためのネットは、人体又はこれと同等以上の重さの落下物による衝撃を受けた場合、十分に点検した上で使用する。
3 墜落による危険のおそれのある架設通路に設置する手すりは、丈夫な構造で著しい損傷や変形などがなく、高さ75 cm 以上のものとする。
4 墜落による危険のおそれのある高さ2m以上の枠組足場の作業床に設置する幅木は、著しい損傷や変形などがなく、高さ15 cm 以上のものとする。

解答と解説: 

答え--- 4
移動式足場に労働者を乗せて移動させることは禁止である。
墜落による危険を防止するためのネットは、人体又はこれと同等以上の重さの落下物による衝撃を受けた場合は使用してはならない。
手すりは85 cm以上、中さんは35 cm以上、50 cm以下とする。





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