平成23年度 1級造園施工管理技術検定試験  午前問題(問題A) Page2

※ 問題はすべて必須ですから、36問題全部を解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No13 造園樹木の移植に関する記述のうち,適当でないものはどれか。
1 移植不適期に落葉樹を移植する場合は,鉢に土を付けて掘り回し,土を落とさないよう「根巻き」を行うのがよい。
2 根鉢の種類は,根系の状態により異なり,浅根性の場合は皿鉢,深根性の場合は貝尻,中庸のものは並鉢とするのが普通である。
3 植え穴の大きさは,直径は根鉢の約1.5 倍程度,深さは根鉢よりやや深めに掘り,客土とのなじみをよくするため,底面や側面は特に滑らかに仕上げなくてもよい。
4 土極めで埋め戻した場合は,水鉢は切らないが,水極めで埋め戻した場合は,水鉢を切り,活着後でもできるだけ長く残しておくのがよい。

解答と解説: 

答え--- 4
水鉢は、植付後の鉢の外周に沿って溝や土盛りを行い、潅水時、根鉢まわりに水を確保し外側へ流出しないようにするもので、大体2〜3回程度水を注いだ後に踏み固める。そのほうが根の活着がよくなる。


No14 造園樹木の剪定に関する記述のうち,適当なものはどれか。
1 落葉樹の冬期剪定は,生長が止まっているので樹形の骨格をつくるための剪定は避け,軽い剪定にとどめるのがよい。
2 枝抜き剪定は,主として込み過ぎた枝の中透かしのために行い,樹形,樹冠のバランスを考慮しつつ,不必要な枝の付け根から切り取る。
3 生垣の刈込みは,裾を美しい線に保つため,下枝を強く,上枝を弱く刈り込むようにする。
また,時には深く切戻しを行って,不定芽の萌芽を促すとよい。
4 切詰め剪定は,主として樹冠を小さくするために行い,枝の適正な分岐点において長いほうの枝を付け根から切り取る。

解答と解説: 

答え--- 2
枝抜き剪定は枝の付け根から切ることはあまりしない。

No15 当年枝に花芽分化し,翌年に開花する花木の組合せとして,最も適当なものはどれか。
1 ハナミズキ,ボタン
2 キンモクセイ,クチナシ
3 サザンカ,ムクゲ
4 サルスベリ,ドウダンツツジ

解答と解説: 

答え--- 1
ハナミズキの花芽分化期は7月上旬から9月上旬。ボタンは9月下旬〜10月であり、開花は翌年春になる。
クチナシも翌年開花。
ドウダンツツジは8月〜9月に花芽分化で、翌年春に開花。
条件に合うのは上記の4種である。

キンモクセイ・ムクゲは夏に花芽分化で、その年の秋に開花。
サザンカは夏に花芽分化で、11月〜12月の開花。
サルスベリは春に花芽分化でその夏に花が咲く。


No16 芝生の造成及び管理に関する記述のうち,適当でないものはどれか。
1 ブラウンパッチは,ベントグラス類の芝生で高温多湿時に発生する病害で,土壌伝染する。
2 整地に伴う基肥は,張芝の場合には必ずしも必要ではないが,植芝の場合は,その後の生育を促進し,早く,密な芝地とするために基肥を行う必要がある。
3 芝草は,一般に,弱酸性から中性の土壌でよく生育し,それ以下になると肥料の効きが悪くなるので,土壌が強酸性の場合は,ピートモス等を用いて土壌改良を行う。
4 カリは,芝草の発根や耐暑性,耐病性などの環境抵抗性を高める効果があり,その要求量は窒素に次いで高い。

解答と解説: 

答え--- 3
ピートモスによる土壌改良は、中性土を酸性側へ(pH4.5〜4.8程度)する効果がある。強酸性の土壌であれば石灰等を用いる。ピートモスでは意味がない。


No17 日本庭園の役木に関する次の記述の(A),(B)に当てはまる語句の組合せとして,適当なものはどれか。
   「( A ) は,灯籠の明かりがその枝葉で見え隠れするように配植される樹木で,枝葉がしなやかな落葉樹が主に用いられる。( B ) は,池泉にのぞくように枝を伸ばし,水面と地表が連絡しているように植栽される樹木で,キャラボク,ハイビャクシンなどを用いることもある。」
   (A)   (B) 
 1  灯籠控えの木   ----  流枝の松
 2  灯障りの木   ----  流枝の松
 3  灯障りの木   ----  飛泉障りの木
 4  灯籠控えの木   ----  飛泉障りの木

解答と解説: 

答え--- 2
灯障りの木は,灯籠の明かりがその枝葉で見え隠れするように配植される樹木。
流枝の松は,池泉にのぞくように枝を伸ばし,水面と地表が連絡しているように植栽される樹木。



No18 B.M.(標高20.00 m)と測点間の水準測量を行った結果,下表に示す数値を得た。
測点No.2 の地盤高として,正しいものはどれか。
ただし,誤差はないものとする。
1 18.78 m
2 18.95 m
3 21.05 m
4 21.22 m

解答と解説: 

答え--- 1
KMB1からBSは1.75なのでIHは20.0+1.75=21.75
そこからのFSは21.75-2.26=19.49
KMB2へ移動し、KMB1のBSが1.83なので19.49+1.83=21.32
その点からのFSは21.32-2.54=18.78m
 このようになる。
側点2のB.Sは次のポイントからの読みだから、計算してはダメです。

1.75-2.26+1.83-2.54=-1.22
20.00-1.22=18.78mでも可です。


No19 飛石と延段の施工に関する記述のうち,適当でないものはどれか。
1 飛石を打つには,配石の中心線を決定したら,始点となる踏込みの石,次に終点となる踏止石,次に分岐点となる踏分石を置く。その後に間の石を,その中心線に石の中心を合わせながら,置いていく。
2 飛石の間隔は石の形状,大きさにより定まるが,一般に10 cm 程度を目安とし,合端は曲がりや凹凸を合わせ,石と石がよくなじむように置いていく。
3 延段の石を敷くには,まず隅に当たる部分に角のきいたやや大きめの石を選んでしっかりと決め,この角石になじませるよう縁に当たる部分に石を添え,次第に中央に向けて敷き詰めていく。
4 延段の天端の高さは,延段の幅ともかかわるものであり,幅の狭い場合は3〜5cm 程度,幅の広いものでも10 cm どまりとするのが一般的である。

解答と解説: 

答え--- 1
飛石は変化を持たせるほうが良い。途中の石はバランスを考えながら配置する。両端→真ん中→その間 これはよく考えたら納まり悪くなります。

No20 運動施設に関する記述のうち,適当でないものはどれか。
1 野球場のホームベースの方位を競技者を主体とするために本塁を北にとり,外野の排水勾配を塁線から外周に向かって0.4 % とした。
2 硬式テニスコートの長軸の方位を南北方向から北西〜南東方向へやや振るようにし,排水勾配を一方のサイドラインから他方のサイドラインへ片流れに0.5 %とした。
3 サッカー場の長軸の方位を南北に,メインスタンドを東側にとり,フィールドの排水勾配を中心から周辺に向かって0.8 % とした。
4 陸上競技場の長軸の方位を南北にとり,走路の排水勾配を横断方向ではフィールド側に1.0 %とした。

解答と解説: 

答え--- 3
サッカー場のメインスタンドは西側が望ましい。又、排水勾配も0.5%程度とする。


No21 公園内に設ける運動施設に配置する照明器具の位置として,適当でないものはどれか。
   ( :照明器具の位置を示す。)
(1)  野球場 (2)  サッカー場
(3)  テニスコート(2面並列配置) (4)  陸上競技場

解答と解説: 

答え--- 1
野球場の照明はプレイヤーに眩しくない位置が望ましい。中心ライン(ホームベースからセカンドベース)へかけて、左右15℃の範囲には照明設置を避ける。これはバッターに対する配慮である。(JIS Z 9120)
設問1はセンターのど真ん中に配置してあるので適当でない。


No22 公園の遊具に関する記述のうち,適当でないものはどれか。
1 頭部又は首が挟まって抜けなくならないよう,複合遊具の上向きのV字型開口部の角度を60°とした。
2 指先が抜けなくならないよう,高さ1m の位置に設けた穴の直径を2cm とした。
3 足が挟み込まれないよう,歩行用の平坦な通路の床面の隙間を2cm とした。
4 頭部及び胴体が挟み込まれないよう,落下防止柵の隙間を8cm とした。

解答と解説: 

答え--- 2

遊具表面には指の入る穴を設けてはならない。
「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」は確認しておきましょう。


No23 日本庭園における滝と流れの役石に関する次の記述の(A)〜(C)に当てはまる語句の組合せとして,適当なものはどれか。
   「 ( A ) は,滝の役石で,水落石の両側に据える。また,水落石は,枯れ滝では( B ) ともいい,水の落ちるのをかたどる。( C ) は,流れの役石で,水面を隠れて水を盛り上げ瀬落としなどをつくる。」
   (A)   (B)    (C) 
 1  脇石   ---  鏡石   ---  水越石
 2  横石   ---  清浄石   ---  水越石
 3  脇石   ---  鏡石   ---  底石
 4  横石   ---  清浄石   ---  底石

解答と解説: 

答え--- 1
脇石は,滝の役石で,水落石の両側に据える。
水落石は,枯れ滝では鏡石ともいい,水の落ちるのをかたどる。
水越石は,流れの役石で,水面を隠れて水を盛り上げ瀬落としなどをつくる。


No24 土工に関する記述のうち,適当でないものはどれか。
1 地山が土砂の場合の法面施工に当たっては,丁張にしたがって仕上げ面から余裕をもたせて本体を掘削し,その後人力やバックホウ等で仕上げる方法が用いられる。
2 切土法面の勾配は,一般に,地山が粘性土で切土高が10 m 以下の場合,標準値の1:0.8〜1:1.2 を参考として,切土部の調査及び用地条件等を総合的に判断して決定する。
3 軟弱で崩壊しやすく,浸食防止のため早期緑化の必要がある比較的緩勾配の切土法面の植生工による保護には,一般に植生筋工が適している。
4 切土の施工に当たり小段を設ける場合,排水設備を設置せず,維持管理上の問題の少ない小規模な法面のときは,法の下側に向かって5〜10%程度の横断勾配をつけるのが一般的である。

解答と解説: 

答え--- 3
植生筋工は、種子、肥料などを装着した帯状の布等の人工芝をのり面に一定間隔で土羽打ちしながら水平の筋状に挿入し固定する工法。
又、早期緑化を目的とするならマット系工法のほうが良い。


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