平成25年度 1級土木施工管理技術検定試験  午前問題(問題A) Page1

※ 問題番号No.1〜No.15 までの15 問題のうちから12 問題を選択し解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No 1 土の特性に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 土のコンシステンシーは,含水比に左右され,かたい,やわらかい,もろいなどの言葉で表される。
2 トラフィカビリティーは,自然含水比と液性限界の相対関係から判定できる。
3 土の塑性指数(Ip)は,一般にその値が低いほど吸水による強度低下が著しい傾向にある。
4 コンシステンシー指数(Ic)は,粘性土の相対的なかたさや安定度を示す。

解答と解説: 

答え--- 3
土の塑性指数とは、土が液状から塑性状に移る限界の含水比(液性限界)- 土が塑性状から半固体に移る境界の含水比(塑性限界)  
この差にて表す。
一般に土の塑性指数(Ip)が高いほど吸水による強度低下が著しい。


No 2 土量の変化率に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 土量の変化率には,掘削・運搬中の損失及び基礎地盤の沈下による盛土量の増加は原則として含まれていない。
2 土量の変化率は,実際の土工の結果から推定するのが最も的確な決め方である。
3 岩石の土量の変化率は,測定そのものが難しいので,施工実績を参考にして計画し,実状に応じて変化率を変更することが望ましい。
4 土量の変化率Lは,土の配分計画を立てるときに必要であり,土量の変化率C は,土の運搬計画を立てるときに用いられる。

解答と解説: 

答え--- 4
土量の変化率で、L=ほぐし率、C=締め固め率で表す。
ほぐし率Lは土の運搬計画に、締固め率Cは土の配分計画を立てるときに必要となる。


No 3 盛土の締固めに関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 自然含水比が最適含水比より著しく高く施工の制約から含水量調整が困難である土については,空気間隙率や飽和度の管理が適用される。
2 土の締固めの特性は,締固め曲線で示され,一般に礫や砂では最大乾燥密度が低く曲線が平坦になる。
3 締め固めた土の強度特性は,締固め直後の状態では,一般に最適含水比よりやや低い含水比で強度が最大となる。
4 傾斜地盤上の盛土は,豪雨や地震時に変状が生じやすいので,締固め度の管理基準値を通常より高めに設定するとよい。

解答と解説: 

答え--- 2
最大乾燥密度は、最も締まる含水状態のときに得られる乾燥密度のことをいう。
粒径幅の広い砂質土ほど最大乾燥密度が大きく、締固め曲線も鋭くなる。


No 4 道路に使用される盛土材料に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 盛土の安定や沈下などが問題となる材料は,法尻・緑地などに使用し,岩塊や礫質土は,排水処理と安定性向上のため法面表層部へ使用する。
2 高含水比の粘性土により高い盛土を行うときは,盛土内の含水比を低下させるために,ある一定の高さごとに透水性のよい山砂を用い,盛土内に排水層を設ける。
3 支持力や施工性が確保できない現場発生土は,現場内で発生する他の材料と混合したり,セメントや石灰による安定処理を行う。
4 高含水比の現場発生土は,なるべく薄く敷き均した後,十分な放置期間をとり,ばっき乾燥や処理材の混合調整を行う。

解答と解説: 

答え--- 1
排水処理と安定性向上のため法面表層部へ使用するなら、粒子は比較的細かいほうが良い。よって、岩塊や礫質土は適さない。盛土の安定や沈下などが問題となる材料も用いるべきではない。


No 5 ジオテキスタイルを用いた補強盛土の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 盛土に用いる材料は,含水比試験などを適宜行うほか,最大粒径を超える岩塊が混入しないように管理する。
2 補強盛土の基礎底面は,摩擦効果を高めるため尖った礫などを使用し不陸を残した仕上面とする。
3 盛土の施工中の表面排水処理は,盛土の安定性や施工性を向上させるため,一般に盛土の表面に排水溝に向かって数%の勾配をつける。
4 補強盛土のサンドイッチ工法は,低品質の盛土材とジオテキスタイルによる排水層とを交互に盛り立てる。

解答と解説: 

答え--- 2
ジオテキスタイル補強工法にはシート状の繊維ジオテキスタイルを用いるので尖った礫は損傷する恐れがあるので適さない。



No 6 コンクリート用骨材に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 砕石の粒形の良否を判定する粒形判定実積率の値は,最大寸法20 mmのコンクリート用砕石に対しては55%以上でなければならない。
2 異なる種類の細骨材を混合して用いる場合の塩化物量については,混合後の試料で塩化物量を測定し規定に適合すればよい。
3 フェロニッケルスラグ細骨材は,密度が大きいことから消波ブロックや護岸ブロックへの利用に適している。
4 再生骨材Hは,骨材の表面にペーストやモルタル分が多く付着しているので,耐久性を必要としない無筋コンクリートには適用できる。

解答と解説: 

答え--- 1と4
粒形判定実積率は特定の粒度の試料について求めた実積率のこと。JIS A 5005で定められているが、砕石の場合、以前は55%以上であった。しかし、2009年に改正され、56%以上へと改正されている。ちなみに砕砂の場合は54%以上である。
再生骨材にはH,M,Lといった種類がある。
再生骨材Hは、解体コンクリート中からほぼ原骨材だけを取り出すもので、鉄筋コンクリートを含む一般用用途に使用できるが高度な処理が必要。
結構な程度の耐久性を期待できる骨材である。
Mは中品質、Lは低品質のこと。ペーストやモルタル分が多く付着しているならLである。
※この問題は正解が2つあります。


No 7 コンクリートの配合設計に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 打込みの最小スランプは,打込み時に円滑かつ密実に型枠内に打ち込むために必要な最小のスランプで,鋼材量や鋼材の最小あきなどの配筋条件や施工条件などにより決定される。
2 スランプ8cm 程度のコンクリートを作る場合,粗骨材最大寸法が小さいほど細骨材率を小さくする。
3 単位水量は,その値が大きくなると材料分離抵抗性の低下,乾燥収縮の増加,コンクリートの品質低下につながるので,作業ができる範囲内でできるだけ小さくなるようにする。
4 水セメント比は,強度,耐久性,水密性,ひび割れ抵抗性,及び鋼材を保護する性能を考慮してこれらから定まる水セメント比のうちで最も小さい値とする。

解答と解説: 

答え--- 2
骨材の表面積が小さいほうが、つまり、細骨材率が小さいほどスランプは大きくなる。スランプ8cmは結構細骨材率が大きくないと実現は難しい。粗骨材最大寸法が小さいとなると細骨材の大きさは大きくすべき。

No 8 混和材を用いたコンクリートの耐久性に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
 1 膨張材は,コンクリートの乾燥収縮や硬化収縮に起因するひび割れ抑制に効果的である。
 2 高炉スラグ微粉末は,水密性を高め塩化物イオンのコンクリート中への浸透の抑制に効果的である。
 3 フライアッシュは,コンクリートの長期材齢における強度増進に効果的である。
 4 シリカフュームは,通常のコンクリートと比べてブリーディングが小さく単位水量が減少するので強度の増加や乾燥収縮の減少に効果的である。

解答と解説: 

答え--- 4
シリカフューム混和材を用いたコンクリートは水セメント比を小さくしても施工性が良い。単位水量が減少するので結果的に初期強度などは増加する。しかし、普通コンクリートは水和反応、ポゾラン反応などで水分消費を起こすが、シリカフュームコンクリートは緻密ゆえに水分移動が起こりにくい。よって硬化体内部で自己乾燥状態となることにより自己収縮が起こりやすい。設問の乾燥収縮の減少に効果的は誤り。自己収縮を起こさないように膨張材を併用する必要がある。
シリカフュームコンクリートの利点としてはポゾラン反応性が高い。(強度増加)
ベアリング効果により水セメント比を20%以下まで下げることが出来る。フィラー効果による緻密性もあるので、緻密で圧縮強度のあるコンクリートが出来る。又、水分移動が起こりにくい故に塩化物イオンの移動も抑制される効果あり。


No 9 コンクリートの打込み及び締固めに関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 壁厚の大きい部材では,棒状バイブレータ(内部振動機)は締固め効果が悪いので,型枠バイブレータ(型枠振動機)を用いた。
2 外気温が25℃以下の施工では,打重ね時間間隔を2.5時間以内と設定した。
3 柱とスラブが連続する部位では,打継目が生じないよう,柱とスラブを中断することなく一度にコンクリートを打ち込んだ。
4 型枠に作用する側圧を小さくするため,打上り速度を大きくした。

解答と解説: 

答え--- 2
外気温が25℃を超える場合は打重ね時間間隔2時間以内。25℃以下では打重ね時間間隔を2.5時間以内である。正しい。
型枠振動機のような外部振動機は原則用いない。建物の壁仕上げや二次製品で内部振動機が用いることができない場合に限られる。
柱とスラブが連続する部位ではそれぞれの部位でコンクリートに生じる沈下の程度に差が発生する。よって一度にコンクリートを打ち込むと断面の変わる境界面にひび割れが発生することがあるので一度中断し、コンクリートが沈下した後に打ち継ぐ。
型枠に作用する側圧を小さくするなら打上り速度は遅く(小さく)すること。


No10 コンクリートの養生に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 マスコンクリート構造物において,打込み後に実施するパイプクーリング通水用の水は,0℃を目処にできるだけ低温にする。
2 寒中コンクリートでの初期凍害を防止するためには,水でしばしば飽和される露出面の方を,普通の露出面よりも,養生期間を長く設定する。
3 混合セメントB 種を用いたコンクリート部材は,普通ポルトランドセメントを用いたコンクリート部材よりも,湿潤養生期間を長く設定する。
4 コンクリートの膜養生は,一般に打ち込まれたコンクリートの表面の水光りが消えた直後に膜養生剤の散布を行う。

解答と解説: 

答え--- 1
マスコンクリート温度のパイプクーリング冷却で、通水温度が低いと部材内部での温度差が大きくなりひび割れを助長する場合があるので注意が必要。ひび割れの制御対策としてコンクリート温度と通水温度の温度差の目安は20℃以下とすべきなので、0℃は低すぎ。


No11 鉄筋の加工組立に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 鉄筋は,組み立てる前に清掃し浮きさびなどを除去し,鉄筋とコンクリートとの付着を害しないようにする。
2 施工継目において一時的に曲げた鉄筋は,所定の位置に曲げ戻す必要が生じた場合,900〜1000℃程度に加熱して行う。
3 繰返し荷重を受ける構造物の鉄筋組立は,鉄筋が強固に組み上がるよう点溶接を用いる。
4 型枠に接するスペーサーは,本体コンクリートと同等以上の品質を有するコンクリート製のものを用いる。

解答と解説: 

答え--- 3
現場溶接による鉄筋組立は不可である。工場組立の場合で全強度溶接とする。


No12 既製杭の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 中掘り杭工法における掘削沈設では,最終打撃の場合は締固められた杭先端地盤がボイリングによってゆるまないように,オーガ引抜き時に土砂を杭中空部内に残さないようにする。
2 中掘り杭工法における掘削沈設では,砂質土層の場合ボイリングが生じやすいので,支持層手前から杭中空部に注水しながら掘削するようにする。
3 プレボーリング杭工法における杭の沈設では,杭が所定の深さ以上に自沈することのないように,試験杭での確認結果に基づき,一定の時間杭を所定の位置に保持するようにする。
4 プレボーリング杭工法におけるロッド引上げでは,拡大根固め球根築造完了後,オーガ駆動装置を正回転に戻してから杭周固定液の注入を開始するようにする。

解答と解説: 

答え--- 1
通常、中掘り杭工法の掘削沈設では杭周固定液を注入しつつ、支持層付近で根固め液の注入を実施する。



No13 鋼管杭の現場溶接継手部の施工管理に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 鋼管杭の現場溶接継手は,原則として板厚の異なる鋼管を接合する箇所に使用してはならない。
2 現場溶接完了後の有害な内部きず検査は,浸透探傷法で行う。
3 現場溶接は,溶接部が天候の影響を受けないような処置を行う場合を除いては,降雨,降雪あるいは10 m/sec 以上の風の場合は溶接作業をしてはならない。
4 現場溶接完了後の杭の打込みは,溶着金属の急冷を避けるため,少なくとも200℃程度まで自然放熱させた後に行うものとする。

解答と解説: 

答え--- 2
現場円周溶接部の検査による、浸透探傷法は外部傷検査である。
内部傷検査は超音波探傷試験、又は放射線透過試験により実施する。


No14 場所打ち杭の鉄筋かごの施工に関する記述のうち,適当でないものはどれか。
1 鉄筋かごの組立は,鉄筋かごの径が大きくなるほど変形しにくいため,組立用補強材は剛性の小さいものを使用する。
2 鉄筋かごの主鉄筋の継手方法は,重ね継手が原則でなまし鉄線を用い鋼材や補強鉄筋を配置して堅固となるように行う。
3 鉄筋かごの連結時には下側の鉄筋かごをスタンドパイプの天端などに仮置きするが,鉄筋かごの仮置き用治具は,鉄筋かごの全重量を支えても変形しない強度のものとする。
4 鉄筋かごの建込みは,鉛直度と位置を正確に保ち,孔壁に接触して土砂の崩壊を生じさせないように施工し,所要のかぶりを確保できるようスペーサーを配置しなければならない。

解答と解説: 

答え--- 1
一般的に鉄筋かごの径が大きくなるほど変形しやすい。組立用補強材も剛性の大きいものを使用するべきである。


No15 土留め支保工の計測管理の結果,土留めの安全に支障が生じることが予測された場合に,採用した対策に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 土留め壁の応力度が許容値を超えると予測されたので,切ばり,腹起しの段数を増やした。
2 盤ぶくれに対する安定性が不足すると予測されたので,掘削底面下の地盤改良により不透水層の層厚を増加させた。
3 ボイリングに対する安定性が不足すると予測されたので,背面側の地下水位を低下させた。
4 ヒービングに対する安定性が不足すると予測されたので,背面地盤に盛土をした。

解答と解説: 

答え--- 4
ヒービング=盤ぶくれ。掘削背面の土塊重量が掘削面下の地盤支持力より大きくなると起こりやすい現象なので、背面地盤に盛土は逆効果である。
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