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1 |
労働災害の概要 |
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建設作業における労働災害は全産業の約30%を占めるといわれるが,建築工事において建物の高層化,工法の多様化などに伴い増加の傾向にある。その主なものには次のようなものがある。 |
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1 |
足場などからの転落による事故 |
2 |
機材運搬中の事故 |
3 |
車両による事故 |
4 |
溶接作業による事故 |
5 |
仮設電源などによる感電事故 |
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2 |
災害発生率の指標 |
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労働省では災害発生の程度を次の指標によって表している。 |
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@ 度 数 率 |
100万延労働時間当たりの労働災害による死傷者数で表す。 |
度数率= |
死傷者数 |
×1 000 000 |
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延労働時間数 |
A 強 度 率 |
1000延労働時間当たりの労働損失日数で表す。 |
強度率= |
労働損失日数 |
×1 000 |
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延労働時間数 |
損失日数の計算は次式による。 |
a |
休業のみの場合 |
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損失日数=暦日による休業日数× |
300 |
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365 |
b |
死亡または傷害を残す場合 |
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死亡および障害等級 1級〜3級 |
損失日数=7 500 日 |
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障害等級 4級〜14級 |
(下表参照) |
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障害等級 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
損失日数 |
5000 |
4000 |
3000 |
2200 |
1500 |
1000 |
600 |
400 |
200 |
100 |
50 |
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B |
年千人率 |
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年千人率= |
年間災害件数 |
×1000 |
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年間平均労働者数 |
B |
年万人率 |
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年万人率= |
月間災害件数 |
×10000 |
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月間平均労働者数 |
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3 |
建設作業の特徴 |
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建設現場が製造業等の現場と異なる点は数多くあるが,主な特徴は次のとおり。 |
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1 |
屋外作業であるので天候,気象に左右されやすい。 |
2 |
安全の基本的管理事項および現場の安全,衛生ルールが徹底しにくい。 |
3 |
各作業が請負方式によることが多く,仕事第一のきらいがあり,他職間の作業まで安全の配盧がいきわたらない。 |
4 |
作業員の入れ替えが多いため,災害手順,作業標準が守りにくい。 |
5 |
指揮命令系統の違う作業員が混在することにより,連絡調査の徹底がしにくい。 |
6 |
下請関係が多く,安全衛生管理上,管理のいき届かない面が多い。 |
7 |
元請が設置した設備,機械などが多職種間に使われるため,その維持管理の徹底に問題がある。 |
8 |
急に工程の変更,作業の変更などの場合,それに伴う対応策がスムーズにとりにくい。 |
9 |
機械の運転,移動などが不規則である。 |
10 |
材料などが一般に非定形的である。 |
11 |
仮設的設備が多い。 |
12 |
建設業では直傭形式がとられることが少ないため,安全衛生教育の効果が具体的にあがりにくい。 |
13 |
作業員の共同複合作業が多い。 |
14 |
屋外作業で作業場の環境変化が激しい。 |
15 |
高所作業,地下作業,海上作業など,特殊環境のものが多い。 |
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このように,建設業では不特定要素が多いが,これらを少しでも改善して災害の少ない職場にすることが重要なことで,安全,衛生管理は近代的施工管理の重要なポイントである。 |