平成22年度 2級土木施工管理技術検定試験  種別:薬液注入 学科試験問題 Page2

※ 問題番号No.1〜No.18 までの18 問題のうちから16 問題を選択し解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No 10 注入形態に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 礫や玉石層など大きな間隙が存在する場合は,懸濁型薬液で間隙をてん充注入して粗詰めし,その後溶液型薬液を浸透注入する。
2 浸透注入は,土粒子の間隙を埋める水を追い出し,そこに薬液が浸透して固化し,土粒子と一体化したサンドゲルを形成する。
3 砂質土は,粘性土に比べて間隙が多く,その間隙を埋める水が土粒子に吸着しているため,注入された薬液は,土粒子の間隙に浸透できずに割裂の形態となる。
4 N値の低い締まり具合のゆるい地盤では,ゲルタイムの短い瞬結タイプの薬液を使用し,締まり具合がよくなるにしたがって,ゲルタイムの長い緩結タイプの薬液を使用する。

解答と解説: 

答え--- 3

粘性土は砂質土に比べて間隙が多いが,その間隙にある水は土粒子と電気的に結びついた結晶水となっており,注入された薬液は土粒子の間隙に浸透できずに脈状の注入される割裂注入となる。


No 11 注入目的に応じた注入材の選定に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 砂質土を対象として止水を図る場合,浸透性に優れた溶液型の注入材を選定する。
2 砂質土の地盤を全体的に強化したい場合,浸透性に優れた溶液型の注入材ではなく,懸濁型薬液を選定する。
3 地下水に流れがあり,注入材が流出希釈されて効果が低下するおそれのある場合,ゲルタイムの短い浸透性の溶液型の注入材を選定する。
4 粘性土の地盤を全体的に強化したい場合,脈状注入による圧密効果を得るため,ホモゲル強度の大きい懸濁型の注入材を選定する。

解答と解説: 

答え--- 2
懸濁型薬液は、粘性土(シルト及び粘土)に適しており、割裂注入による。
砂質土の場合は溶液型を浸透注入する。

No 12 薬液注入工事における,注入順序に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 既設構造物に近接して注入を行う場合には,構造物の近傍から注入を開始する。
2 注入対象の地盤内に地下水の流れがある場合には,地下水流の下流側から注入を開始する。
3 二重管ストレーナ工法では,対象地盤内の深い場所から注入を開始する。
4 平面的に改良範囲が広い場合には,改良範囲の内側から注入を開始する。

解答と解説: 

答え--- 2
地下水の流れがある場合は上流側から開始する。

No 13 薬液注入の止水効果を確認する試験として次のうち,適当なものはどれか。
1 現場透水試験
2 標準貫入試験
3 三軸圧縮試験
4 プレシオメータ試験

解答と解説: 

答え--- 1
現場透水試験が最も適当。

No 14 薬液注入工法の施工管理に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 薬液の液体混合にあたっては,一般に比重の大きい材料を先に投入すると混合が容易である。
2 薬液注入の注入速度を一定に保ったままで,注入圧力が急上昇又は急低下した場合には注入を継続する。
3 土留め壁に近接して注入する場合には,注入圧力の挙動に注意し,注入材の漏洩や土留め壁の変状を観測する。
4 薬液のゲル化時間の測定は,毎日,午前の作業開始時に行うことを原則とする。

解答と解説: 

答え--- 3
液体混合は比重の小さいものから先に投入する。
注入圧力が急上昇又は急低下した場合には注入を中止する。
ゲルタイムは原則として作業開始前、午前、午後の各1回以上測定する。

No 15 薬液注入に用いる薬液の主剤と助剤の混合方式に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 主剤と助剤を別経路により注入管先端まで送り,合流混合させ注入する方式を1ショット方式という。
2 主剤と助剤を別経路により注入管頭部に送り,注入管内で混合し先端より注入する方式を1.5ショット方式という。
3 1.5ショット方式は,単相型の二重管ストレーナ工法で使用されている。
4 主剤と助剤を混合した後,1液状態で注入する方式を2ショット方式という。
 

解答と解説: 

答え--- 2
1ショット方式:A液とB液を混合調整してから、ポンプ、注入管を通じて地盤に注入する方法。1液1工程式ともいう。
1.5ショット方式:A液とB液を別に調整しそれぞれ別のポンプで圧送し注入管に通す時点で混合してから地盤に注入する方式。2液1工程式。
2ショット方式:2重管を用い、A液を地盤内に注入してからB液を地盤内に注入し、地盤内にてA液とB液を混合させる方式。2液2工程式。
単相型の二重管ストレーナ工法は2ショット方式。
主剤と助剤を混合した後,1液状態で注入する方式は1ショット方式

No 16 砂質地盤で,長さ10 m,幅10 m,深さ5m の領域を対象として薬液注入を行う場合,砂質地盤の間隙率60 %,薬液のてん充率50 %とした時の注入率λと注入量Qの組合せとして次のうち,適当なものはどれか。
なお,重要度率は,100% とする。

λ(%) Q(m3)
1 60 ……………… 300
2 50 ……………… 250
3 40 ……………… 200
4 30 ……………… 150

解答と解説: 

答え--- 4
注入量Qと、注入率λの求め方
Q=v・β
v:対象土量 A×h(m3)
A:対象面積(u)
h:注入高さ(m)
λ:注入率 p×α(%)
p:間隙率 (%)
α:てん充率 (%)

以上により
v=10×10×5=500 m3
λ=0.6×0.5=0.3 → 30%
Q=500×0.3=150 m3
注入率λ:30%
注入量Q:150m3


No 17 薬液注入の注入に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 透水係数が大きい砂質地盤では,薬液のゲル化時間が長く,注入速度が遅いほど浸透注入になりやすい。
2 砂礫地盤や地下水流のある地盤では,ゲル化時間の長い薬液は注入材の希釈や流出のおそれがある。
3 粘性土地盤での薬液注入では,注入改良範囲内に注入材を確実に残留させるために,ゲル化時間の長いものにする必要がある。
4 透水係数の小さい粘性土地盤の注入では,割裂注入が基本となるので,人為的に注入形態を制御することは難しい。

解答と解説: 

答え--- 3
粘性土地盤にはゲルタイムが短いものを注入することにより圧密効果が得られる。
粘性土地盤はゲルタイムが長くても浸透しにくいので、効果が薄い。


No 18 効果的な薬液注入を行うための現場注入試験に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 小規模工事では,試験注入を行うと煩雑になる場合が多いので,試験注入を割愛できる。
2 現場注入試験の目的は,設計計画の妥当性の確認と現場に適した注入方法の選定に分けられる。
3 大規模又は重要工事では,試験注入により目標とする透水係数などの性能を満足する工法の選定を行う。
4 試験項目には,工法,注入材,注入率,注入孔間隔,注入速度,注入圧力などがある。

解答と解説: 

答え--- 1
薬液注入工事は、注入計画地盤又はこれと同等の地盤において設計どおりの薬液の注入が行われるか否かについて、調査を行う。割愛規定は無い。


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