平成20年度 2級土木施工管理技術検定試験  種別:鋼構造物塗装 学科試験問題 Page2

※ 問題番号No.1〜No.18 までの18 問題のうちから16 問題を選択し解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No 10 外面塗装仕様に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 一般環境で,20年以内に架け替えが予定されている場合は,一般塗装系の鉛系さび止めペイントを使用する。
2 新設塗装系は,工場塗装した塗膜と現場塗装した塗膜間での付着力の低下を防ぎ,均質で良好な塗膜を形成させるため全工場塗装とする。
3 超厚膜形塗料は,遮断性に優れており高い防せい(錆)性が期待できるが,可使時間が短いことやスプレー詰まりが生じやすいことなど施工が難しい。
4 一般外面塗装系には,架橋地点の腐食環境に十分耐えられる防食性能と美観・景観性を長期間保つ耐候性の良好な上塗塗料を用いた重防食塗装系を適用する。

解答と解説: 

答え--- 1

例外的だが、20年以内に架け替えが予定されている場合は「A−5塗装系」を使用してもよい。鉛・クロムフリーさび止めペイントが該当する。

No 11 鋼桁の現場連結部の塗装仕様に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 現場連結部は,塗料が付きにくく一般部に比べ塗膜の弱点となりやすいのでステンレスボルトを用いる。
2 現場連結部に超厚膜形エポキシ樹脂塗料を適用する場合,防食性の向上と工程短縮をはかることができ,一般部と同程度の仕上り外観が得られる。
3 現場溶接部の塗装は,塗装品質を確保するため必要な範囲と溶接焼けの関係から,開先面から概ね50 cm の部分を超厚膜形エポキシ樹脂塗料で塗装する。
4 防せい(錆)処理トルシアボルトを用いる場合,ピンテール跡が鋭利な形状をすることが多く塗膜が十分に付きにくいので,ピンテール跡はグラインダで平滑にする。

解答と解説: 

答え--- 4
記述どおり

No 12 素地調整に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 ブラスト処理では,研削材粒子が大きいほど粗さは大きくなり,粗さが大きいと,その上に塗られる塗膜の耐久性が低下する。
2 ブラスト加工された鋼材面は,さびの発生が早いのでブラスト後はできるだけ速やかに塗料を塗付する。
3 ブラスト時の相対湿度が高く,鋼材と気温の温度差が大きい場合には,ブラスト処理した鋼材表面に赤さびが浮き上がるチョーキング現象が生じるので,ブラストは行わない。
4 ブラスト処理された鋼材面には,鋼砕粉などの研削材が食い込んでいるので,圧縮空気やワイヤーブラシなどを併用して清掃し除去する。

解答と解説: 

答え--- 3
チョーキング現象とは熱、紫外線、風、雨などのために塗膜が劣化し、塗装表面が次第に粉状に消耗していく現象をいう。赤さびが浮き上がる現象ではない。

No 13 塗料の可使時間と希釈に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 多液形塗料は,使用直前に主剤,硬化剤,金属粉などを混合した後,徐々に反応が進行して固化するので可使時間内に使用しなければならない。
2 多液形塗料の中には,混合後一定時間塗料を熟成させてから使用するものがある。
3 塗料の希釈は,原則として塗料と同じメーカーの指定されたシンナーを使用し,定められた希釈率以上に希釈しない。
4 塗装作業時の粘度調整は,湿度,塗付方法,塗付面の状態,塗装工の技量を考慮して行う。

解答と解説: 

答え--- 4
粘度調整は温度が大きくかかわる。

No 14 塗付方法と塗重ね時間に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 塗装間隔が短いと下層の未乾燥塗膜は,塗り重ねた塗料の溶剤によって膨潤してしわを生じやすくなる。
2 現場塗装で広い平滑面をはけ塗りする場合には,ローラーブラシを併用してもよいが,塗料によってはローラー目や泡などを生じやすいので,ローラーの選定や施工に十分注意する。
3 工場塗装におけるエアレススプレー塗装では,小物部材や部材の凹凸部,エッジ部等で塗膜が厚くなりやすいので,はけで塗装するとよい。
4 塗装間隔が長い場合には,下層塗膜の乾燥硬化が進むので上に塗り重ねる塗料との密着性が低下し,後日塗膜間で層間はく離が生じやすくなる。

解答と解説: 

答え--- 3
はけで塗装するほうが厚くなりやすい。

No 15 塗装作業時の気象条件に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 結露は,気温,湿度,塗付面の関係が露点条件を満たすときに生じるので,相対湿度が85%以上のときには塗装は行わない。
2 気温が低い場合は,乾燥が遅くなり,塵あいや腐食性物質の付着あるいは気象の急変などにより悪影響を受けやすくなるが,塗料の粘度が低下するので作業性はよくなる。
3 塗装した塗料が十分乾燥する前に,降雨,降雪,降霜があると,一般に,塗料が流れたり,塗膜にクレーター状の凹凸や水ふくれを生じたりする。
4 気温が高く,炎天下で塗付面の温度が50℃以上になっている場合の塗装は,塗膜に泡を生じることがある。
 

解答と解説: 

答え--- 2
塗料の粘度が低下すると、作業性は悪くなる。

No 16 塗膜の劣化に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 はがれは,塗膜と鋼材面あるいは塗膜と塗膜の間の付着力が低下したときに生じ,通常,結露の生じやすい下フランジ上面に多く見られる。
2 さびは,塗膜劣化の中で最も重要な劣化指標となるものであり,膨れを伴わないさびと,膨れが破れて発生する膨れさびがある。
3 塗膜の割れ(チェッキング,クラッキング)は,塗膜内部のひずみによって生じ,チェッキングは塗膜の表層に生じる比較的軽度な割れである。
4 膨れは,塗膜の層間や鋼材面と塗膜の間に発生する気体,又は液体による圧力が塗膜の付着力や凝集力より大きくなった場合に発生する。

解答と解説: 

答え--- 1
水滴は下フランジ下面に多く見られる。


No 17 塗膜点検時の塗装の評価方法に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 汚れには,砂塵等による非油性の汚れと,自動車排気ガス等による油性の汚れとがあるが,油性の汚れで景観上問題となる場合には,下塗りに防汚性能を有する塗料等を用いた塗替えが必要となる。
2 はがれは,塗膜にとっては重大な欠陥となり,塗膜の外観上の問題に止まらず塗膜の防せい(錆)性能の低下に直結するものであり,はがれが鋼材面から生じている場合はさびとして評価する。
3 塗膜の変退色は,塗膜の防せい(錆)性能の低下を直接示すものではないが,景観上重要な点検事項で,部材の日射の受け具合や汚れ具合によって大きく異なる。
4 外部から飛来し塗膜表面に付着したもらいさびは,さびと評価せず汚れとして評価するが,目視による外観観察で判定が困難なものはさびとして評価する。

解答と解説: 

答え--- 1
防汚性能塗料は普通上塗り用である。

No 18 塗替え塗装仕様に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 素地調整程度1種により全面の塗膜を除去した場合は,下塗りから上塗りまでスプレー塗装を行う。
2 旧塗膜がC 及びc塗装系の塗替えは,素地調整程度3種で主として美観を改善するために行う。
3 素地調整程度2種は,効率が悪く大面積の施工には不向きであり,素地調整程度2種による塗替えは行わないほうがよい。
4 旧塗膜がA,a,B,b塗装系で,その塗膜寿命の延長をはかる場合には,素地調整程度1種で有機ジンクリッチペイントを塗付する。

解答と解説: 

答え--- 2
素地調整程度3種は劣化していない塗膜を残す調整法。C系塗装は厳しい環境用の塗装で、膜厚があるので美観目的なら1種調整すべきである。


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