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※ 問題番号No.1〜No.18 までの18 問題のうちから16 問題を選択し解答してください。


No1 地盤の液状化に影響を及ぼす要因となる地盤材料特性として適当でないものは、次のうちどれか。
1 粒度特性
2 透水係数
3 単位体積重量
4 強熱減量

解答と解説: 

答え--- 4
強熱減量試験は、土壌や鉱物中に含まれる有機物の質量を質量の減少率から算出されるもの。地盤材料特性とは関係ない。


No2 土の粒度に基づく土の分類方法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 均等係数は、粒径加積曲線の傾きを示し、この値が大きいほど広い範囲の粒径の粒子を含む土で、小さいほど粒径がそろっている土である。
2 有効径は、土に含まれる細粒分の大きさの程度を知る指標となるもので、砂を多く含む土の強度の推定に用いられる。
3 材料としての土と岩石は、粒径50 mm 以下の土質材料とそれより大きい岩石質材料に大別される。
4 粘土以下の細粒分の含有量が、質量比で50%以上の土を細粒土、砂や礫の粗粒分の含有量が50%を超える土を粗粒土という。

解答と解説: 

答え--- 1
均等係数は、全試料の60%が通過する砂の粒径と10%が通過する粒径の比。均等係数Uc=60/D10が1に近いほど粒子径が揃っていることになる。「小さいほど粒径がそろっている土」は誤り。



No3 土の湿潤密度と乾燥密度に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 湿潤密度は、土の間げきに含まれる水の量によって変化しない。
2 乾燥密度が大きい場合は、地盤はよく締まっており、小さいと緩く軟弱である。
3 乾燥密度は、土に含まれる土粒子の質量とは無関係である。
4 湿潤密度は、湿潤単位体積重量と同じ単位で表される。

解答と解説: 

答え--- 2
湿潤密度は、土の間隙に含まれる水量が多いと当然変化する。
乾燥密度は、土粒子に対する試料検査モール容積なので土粒子の質量は関係がある。
湿潤密度は、g/cm3。湿潤単位体積重量は、kN/m3

No4 標準貫入試験によって得られるN値から直接推定できる事項として適当でないものは、次のうちどれか。
1 粘土地盤のコンシステンシー
2 砂地盤の相対密度
3 粘土地盤の間隙比
4 砂地盤の弾性係数

解答と解説: 

答え--- 3
粘土地盤の間隙比は現地検査である標準貫入試験では推定できない。


No5 土留め壁を用いた掘削にともなう掘削底面の変状現象に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 ヒービングは、砂質土地盤を掘削する際に、土留め壁背面の土が掘削面にまわり込み、掘削底面が隆起する現象をいう。
2 ボイリングは、砂質土地盤で掘削面側と土留め壁背面側の水位差が大きい場合に、掘削面側の地盤の有効応力が失われ地盤が突発的に液状化して砂の粒子が湧き上がる現象をいう。
3 盤ぶくれは、掘削底面以深の難透水層の下に被圧帯水層がある場合に、その被圧水圧が被圧帯水層より上方の地盤の抵抗力に比べ大きいときに掘削底面が浮き上がる現象をいう。
4 パイピングは、土中の浸透水によって水みちができることによって生じる土粒子の移動現象をいう。

解答と解説: 

答え--- 1
ヒービングは粘性土に掘削底面が隆起する現象。




No6 地下水位低下工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 地下水位低下工法を採用する場合は、地下水位の低下による周辺井戸及び公共用水域への影響ならびに周辺地盤の沈下と構造物に与える影響を十分検討する。
2 地下水位低下工法は、対象とする砂層中に薄い不透水層の存在が確認されても目的とする水位低下の効果がある。
3 ウェルポイント工法は、ウェルポイントの打込みによる一様なサンドフィルタ径の形成やパイプ類の継手部分の気密保持、地表部のシールなどに留意する。
4 ディープウェルを設置する場合は、削孔によって水位低下させる帯水層の本来の透水性を低下させないように施工する。

解答と解説: 

答え--- 2
地下水位低下工法は、砂質シルト層など完全に不透水層でない場合は、鉛直方向の透水係数を試験して下部からの流入量を検討する等が必要である。



No7 水道、ガスなどの地下埋設物により生じた土留め(鋼矢板)の欠損部を防護するための薬液注入に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 既設埋設管の損傷を防ぐ方法としては、管が埋設されている深度では、ロータリーを使わずにジェットで削孔する方法がある。
2 地盤に礫が混入しているときには、ジェットによる削孔方法がとれないこともあるので、更に慎重に埋設管の位置を確認し、注意しながら削孔作業を進める。
3 薬液注入箇所において注入孔が、埋設管などにより垂直方向に確保できない場合は、注入孔を斜め方向に設置する。
4 薬液注入効果が確実に期待できる場合は、掘削中に欠損部には矢板を設置せずに改良体をむき出しで掘削を行うことができる。

解答と解説: 

答え--- 4
管路掘削工における土留欠損部からの出水も考えられるので、矢板の設置は必要。



No8 薬液注入材料に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 使用する材料及び混合したものや固化したものは、高い安全性を確保できることが必要である。
2 地盤中で固化したものは一定の必要な期間の間は、安定していることが必要である。
3 粒子を含む溶液型薬液と粒子を含まない懸濁型薬液を使い分ける地盤の区分の目安は、砂質土分と粘性土分の含有比率で決定する。
4 アルカリである水ガラスに弱酸性の硬化剤を加えて、中性に近づけてゲル化させる薬液をアルカリ系薬液と呼ぶ。

解答と解説: 

答え--- 3
粒子を含む懸濁型薬液と粒子を含まない溶液型薬液を使い分ける地盤の区分の目安を、砂質土分と粘性土分の含有比率で決定することができる。薬液の記述が逆。


No9 薬液注入に用いる水ガラスの特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 水ガラスは、非常に広い用途に用いられ、安全性が高い化学材料である。
2 水ガラスの製造工程は、溶融工程と溶解工程の2工程で構成されている。
3 薬液注入に用いられる水ガラスは、一般にJIS2号水ガラスが用いられている。
4 水ガラスは、けい酸ソーダ又はけい酸ナトリウムとよばれる化学物質の俗称である。

解答と解説: 

答え--- 3
JIS K 1408に規定されている1号が多く用いられる。差は
1合は二酸化けい素(SiO2)の量が、35〜38%
2号の二酸化けい素(SiO2)の量が、34〜36%


No10 水ガラス系薬液の硬化剤の種類と特徴に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 溶液型硬化剤は、大部分が無機系の材料である。
2 溶液型硬化剤は、主として粘土層での割裂注入に用いられる。
3 懸濁型硬化剤は、主として砂層での浸透注入に用いられる。
4 懸濁型硬化剤は、水ガラスに粒子を含まない硬化剤を反応させて固化させる。

解答と解説: 

答え--- 1
溶液型硬化剤の大部分は無機系の材料であるが、一部有機系も使われている。
懸濁型硬化剤のうち、懸濁型は粘性土に適し、溶液型は砂質土に適す。
懸濁型硬化剤は、水ガラスに粒子を含む硬化剤を反応させて固化させる。




No11 注入目的に応じた注入材の選定に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 砂質土の地盤を全体的に強化したい場合には、浸透性にすぐれた溶液型の注入材を選定し、粘性土に対してはホモゲル強度の大きい懸濁液型の注入材を選定する。
2 地盤中の空げきの充てんを目的とする場合には、注入材の浸透性が問題となることが多いため、セメント・ベントナイト系や溶液型の注入材が有効である。
3 砂礫であっても細粒分がある程度以上混在する場合や一般の砂質土を対象として止水をはかる場合には、通常、浸透性にすぐれた溶液型の注入材を選定する。
4 粘性土の割れ目や土層の境界からの漏水を防止する場合には、一般に懸濁液型の注入材が有効である。

解答と解説: 

答え--- 2
地盤中の空げきの充てんを目的とする場合、ホモゲル強度の大きい懸濁液型の注入材を選定する。


No12 薬液注入工事における削孔の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 削孔深度の確認は、使用ロッド長(ロッド長+グラウトモニタ吐出口までの長さ)の測定値のみにより確認することが必要である。
2 削孔時に使用した水と切削した土砂の排出を良好に保つなど、注意深く観察しながら作業を進める必要がある。
3 機械の据付けにあたっては、削孔機の安定が悪い場合には削孔効率・削孔精度の低下などの影響が生じるので、施工足場を良好にすることが必要である。
4 削孔位置は、確実な改良効果を得るため、また埋設物に対する影響を避けるためにも正確に管理することが必要である。

解答と解説: 

答え--- 1
削孔深度の確認については、ロッド先端からグラウトモニタの吐出口までの長さを削孔深度の確認は、ロッドの全長、残尺の関係から、深度の確認をする。



No13 薬液注入における注入方式に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 上昇式(ステップアップ)注入方式と下降式(ステップダウン)注入方式の併用方式は、両者の長所を活かす方法である。
2 下降式(ステップダウン)注入方式は、上部の改良ゾーンが下で行う注入のカバーロック層となり、注入材の上部への逸脱を妨げる。
3 上昇式(ステップアップ)注入方式は、改良範囲の最上部から下部に向かって、順次ステップ注入する方法で作業が簡単である。
4 上昇式(ステップアップ)注入方式は、注入を開始したら完了まで水を使わない利点はあるが、注入材が層境などに集中しやすいので注意する。

解答と解説: 

答え--- 3
ステップアップ(上昇式)注入では、作業が複雑となるが注入材の層境への集中が生じにくい利点がある。


No14 薬液注入工法の施工管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 薬液の配合は、ゲル化時間との関係が強く、かつゲル化時間は温度などによって変化するため、配合にあたっては十分な配慮が必要である。
2 計量混合方法を含めた配合管理にあたっては、注入プラントに配合表、材料投入順序や材料の取扱い上のチェックシートを用意し、管理しなければならない。
3 ゲル化時間の調整は、注入材の種類による多少の違いはあるが、硬化剤、促進剤などの量の調整で行い、硬化剤を増量した場合は、ゲル化時間を短縮できる。
4 注入材料の比重の測定については、材料入荷時に実施し、一般に濃度測定も兼ねており、配合混練時には実施しなくても品質は確認できる。

解答と解説: 

答え--- 4
薬液管理における比重測定は、薬液配合管理の上で最も重要な事項である。なので配合混練時には必須である。


No15 薬液注入工事において、ダブルパッカー工法が二重管ストレーナー工法に比べて優位な工法となる選定の目安として適当でないものは、次のうちどれか。
1 ロータリー式ボーリングマシンによる削孔が必要な場合。
2 大規模開削の底盤改良の場合。
3 重要構造物の近接施工(軌道下、道路下、建設物直近など)の場合。
4 高い遮水性が要求される場合。

解答と解説: 

答え--- 1
ダブルパッカー工法が優位なケースは、ロータリーパーカッション方式の削孔が必要な場合がある。他に削孔深度が25m以上、重要構造物の近接施工、高い遮水性が要求される場合、大規模開削の底盤改良、高い注入効果を期待する場合などがある。




No16 薬液注入工事における注入時の施工管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 注入圧力と注入量は、記録計により時間の経過と関連して記録紙に連続的に記入され、データはそのままP - Q管理として使用される。
2 注入にあたっては、注入効果に大きな影響を及ぼすと考えられる注入ピッチ、注入速度、注入順序、注入量、注入圧、注入材の品質などについて十分管理する。
3 注入圧力が極端に低い場合や上昇傾向を示さない場合は、原因究明を行い、それに基づきゲル化時間の短縮、粘性の増加、注入仕様の変更などを検討する。
4 注入により地盤隆起が生じた場合は、地盤隆起を極力小さくおさえるために、注入速度を速くし、低注入圧で施工するなどの対策が必要である。

解答と解説: 

答え--- 4
地盤隆起を極力小さくおさえるためには注入速度を遅くするのが一般的である。


No17 薬液注入の効果を確認する試験及び方法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 標準貫入試験は、注入対象地盤において施工前と施工後に同一の試験方法で測定する。
2 薬液の浸透確認方法は、酸性系薬液の場合、フェノールフタレイン試薬を散布すると浸透部が薄い赤色に変色する。
3 一軸圧縮試験結果は、応力ひずみ曲線の形状や地盤の土質、注入工法などを十分検討した上で総合的に評価する。
4 現場透水試験は、注入仕様、土質別あるいは改良地盤の機能ごとに行う必要がある。

解答と解説: 

答え--- 2
フェノールフタレイン試薬は、アルカリにだけ薄赤く反応する試薬である。


No18 薬液注入工事における現場注入試験に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 現場注入試験の目的を大別すると、設計計画の妥当性の確認と現場に適した方法の選定に分けられる。
2 大規模又は重要工事、大深度の施工、礫層における孔曲がりなどが予想される工事においては、現場注入試験で注入計画の妥当性と改良効果の確認が重要である。
3 現場注入試験の試験項目としては、注入孔間隔、注入速度、注入圧力、注入工期、注入労力、改良特性などがある。
4 注入速度は、あらかじめ限界注入速度測定試験か、又は注入地盤の正確な透水係数から推定した限界注入速度以下に設定する。

解答と解説: 

答え--- 3
注入圧力、注入量、注入時間、単位吐出量などは現場注入試験の試験項目だが、注入工期、注入労力、改良特性などは現場試験の項目ではない。


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