市街地建築物法施行規則

市街地建築物法施行規則 現代文へ訳します
市街地建築物法
市街地建築物法施行令
戦時特例
市街地建築物法施行規則
第1章
通則
第2章
建築物の突出部
第3章
構造設備
第1節
一般構造設備
第2節
構造強度

第1〜第4
構造強度
第5〜第7
第4章
第5章
第6章
市街地建築物法施行細則
東京都
大阪府
京都府
神奈川県
愛知県
兵庫県

第三章 建築物ノ構造設備 第三章 建築物の構造設備
第二節 構造強度 第二節 構造強度
第一  概則

第四十四條 (セメント材料)
「コンクリート」及「モルタル」ノ原料ト爲スヘキ「セメント」ハ農商務省告示「ポルトランドセメント」試験方法ノ規定ニ條リ合格シタルモノナルコトヲ要ス
第44条
コンクリート及びモルタルの原料となるセメントは農商務省告示「ポルトランドセメント試験方法」の規定に合格したものでなければならない。

第四十五條 (基礎に用いる木材)
建築物ノ基礎ニ使用スル木材ハ常水面下ニ在ルヲコトヲ要ス但シ規模小ナル建築物又ハ短期間使用ノ建築物ニ在リテハ此ノ限ニ在ラス
第45条
建築物の基礎に使用する木材は常に水面下にあることとする。ただし小規模な建築物又は短期間使用する建築物についてはこの限りでない。

第四十六條 (木材の防腐処理)
主要ナル構造用木材ニシテ石、煉瓦、「コンクリート」、土ノ類ニ積込ム部分又ハ之ニ接スル部分ニハ防腐方法ヲ施スヘシ但シ木造建築物ノ眞壁二接スル木部ニ對シテハ此ノ限ニ在ラス


第46条
主要な構造用木材で石、レンガ、コンクリート、土の類に積み込む部分又はこれに接する部分は防腐処理を施すこと。ただし木造建築物の真壁に接する木部に対してはこの限りでない。
第四十七條 (地方細則による規定)
地方長官ハ建築物ノ構造強度ニ關シ土地ノ状況ニ依リ本節ニ定ムルモノノ外必要ナル規
定ヲ設クルコトヲ得


第47条
地方長官は建築物の構造強度に関し、土地の状況により本節に定めるものの外、必要な規定を設けることが出来る。
第二 木構造及木骨構造

第四十八條 (木造の継ぎ手)
柱、梁其ノ他之ニ類スル構材ノ繼手及仕口ニシテ主要ナルモノハ「ボールト」締其ノ他適當ナル方法ニ依リ緊着スヘシ

第48条
柱、梁その他これに類する構成材の継ぎ手及び仕口にて主要なものはボルト締めその他適当な方法により緊結すること


第四十九條 (掘っ立て柱の禁止)
建物ノ主要ナル柱ハ掘立ト爲スヘカラス但シ適當ナル防腐方法ヲ施シタルモノハ此ノ限ニ在ラス

第49条
建物の主要な柱は掘っ立てとしてはならない。ただし、適当な防腐方法を施したものはこの限りでない。
直接土等に接してはならない規定が別途ありますので、当然のことですが、主要でない柱なら認めていたことになりますね。

第五十條 (主要な柱の固定)
掘立晶非サル柱ノ下部ニハ土臺又ハ脚固ヲ使用スヘシ但シ柱ヲ其ノ基礎ニ緊着シタルトキハ此ノ限ニ在ラス

第50条
掘っ立てでない柱の下部には土台又は脚固めを使用すること。ただし柱を基礎に緊着したときはこの限りでない。
許容応力度計算の原点のような規定ですね。

第五十一條 (土台の緊結)
石、煉瓦其ノ他ノ腰積ヲ有スル建物ハ之ヲ土臺敷構造ト爲シ土臺ハ腰積ニ緊結スヘシ
2
石、煉瓦、「コンクリート」ノ類ノ束ヲ以テ前項ノ腰積ニ代フルモノハ其ノ構造ニ付特ニ地方長官ノ許可ヲ受クヘシ
第51条
石、レンガその他の腰積みを有する建物は、土台敷構造とし、土台は腰積みに緊結すること。
2 
石、レンガ、コンクリートの類の束をもって前項の腰積みに代わるものは、その構造に付き地方長官の許可を受けること


第五十二條 (火打ち材の使用)
建物ノ土臺及敷桁ノ隅角ニハ燧材ヲ使用スヘシ
第52条
建物の土台及び敷き桁の隅角には火打ち材を使用すること
燧は火打ちと読みます。建築雑学です。

第五十三條 (柱の小径)
柱ノ小徑ハ土臺、脚固、胴差、梁、桁其ノ他ノ主要横架材間ノ距離ニ對シ三階建ノ第三階、ニ階建ノ第ニ階又ハ平家建ニ在リテハ其ノ三十五分ノ一ヲ、三階建ノ第二階又ハ二階建ノ第一階ニ在リテハ其ノ三十分ノ一ヲ、三階建ノ第一階ニ在リテハ其ノニ十六分ノ一ヲ下ルヘカラス但シ庇ノ支柱其ノ他輕微ナル荷重ヲ承クルモノハ此ノ限ニ在ラス

2 木骨石造、木骨煉瓦造及土藏造二在リテハ前項ノ適用二關シ三十五分ノ一ヲ三十分ノ一、三十分ノ一ヲニ十五分ノ一、二十六分ノ一ヲ二十三分ノ一トス

第53条
柱の小径は土台、脚固め、胴差、梁、桁その他主要横架材間の距離に対して3階建ての第3階、2階建ての第2階、又は平屋建てにおいてはその1/35を、3階建ての第2階、2階建ての第1階においてはその1/35を、3階建ての第1階においてはその1/26を下回らないこと。ただし、ひさしの支柱その他軽微な荷重しかないものはこの限りでない。

木骨石造、木骨レンガ造及び土蔵造りにおいては前項の適用に関し1/35を1/30、1/30を1/25、1/26を1/23とする。
文字だけではわかりにくいですね。
これは様々な基準(ドイツなど)を当時、喧々諤々したようです。
対比表を作りました。現在の建築基準法施行令43条と比較してみてください。
現在は3階の基準ありませんが若干厳しくなっています。
市街地建築物法による柱の小径 建築基準法施行令43条
  階数が3の3階
階数が2の2階
平屋建て
階数が3の2階
階数が2の1階
階数が3の1階   最上階又は
階数が
1の建築物
その他の階
木造 1/35 1/30 1/26 木造
軽い屋根
1/33 1/30
土蔵
木骨石造
木骨レンガ
1/30 1/25 1/23 土蔵等 1/25 1/22
        木造
重い屋根
1/30 1/28
第五十四條 (柱の補強)
柱ニシテ其ノ必要ナル斷面積ノ三分ノ一以上ヲ缺取ル場含ニハ其ノ部分ヲ補強スヘシ

第54条
柱の必要な断面積の1/3以上を欠き取る場合には、その部分を補強すること
第五十五條 (筋かい)
三階建木造建物又ハ平家建ニ非サル木骨石造若ハ木骨煉瓦造建物ノ壁體ニハ適當ナル筋違ヲ使用スヘシ
第55条
3階建て木造建物又は平屋建てでない木骨石造もしくは木骨レンガ造建物の壁には適当な筋交いを設けること。
現行法では規定が定まっていますが、適当って・・・
それに2階以下の木造では特に必要なかったようですね。

第五十六條 (木骨造に貼り付ける石等の厚さ)
木骨石造又ハ木骨煉瓦造二於ケル貼付ノ石、煉瓦類ノ厚ハ二階以上二於テハ之ヲ七寸五分以下ト爲シ適當ナル方法ヲ以テ軸部ニ緊結スヘシ

第56条
木骨石造又は木骨レンガ造における貼付く石、レンガの厚さは2階建て以上においては7寸5分(22.5cm)以下とし、適当な方法をもって軸部に緊結すること
第五十七條 (適用の除外)
建築物ノ敷地ノ地盤堅牢ナルトキ又ハ規模小ナル建築物ニハ地方長官ノ許可ヲ受ケ第五十條及第五十二條ノ規定ヲ適用セサルコトヲ得

第57条
建築物の敷地の地盤が堅牢なとき、又は規模の小さな建築物には地方長官の許可を受け第0条、第52条の規定を適用させることができる。
地盤が堅牢な場合は、柱の固定と火打ち材の規定は適用除外の規定があったようです。


第三  石構造、煉瓦構造及「コンクリート」構造 石構造、レンガ構造及びコンクリート構造

第五十八條 (組石による構造物規定)
石、煉瓦其ノ他之ニ類スル材料ヲ以テ築造スル建築物ノ部分ハ「セメント」入「モルタル
第58条
石、レンガその他これに類する材料をもって築造する建築物の部分は、セメント入りモルタルを用いて積むこと。ただし高さ9尺(2.7m)以下の垣壁その他構造の軽微なものは、この限りでない。
維積とは「つないで積む」ことです。現在では鉄筋入りは勿論ですが、ブロック塀は1.2m以下が軽微なものとなっています。


第五十九條 (組石による上下階の厚さ)
建物ノ壁體石造又ハ煉瓦造ナルトキ下階ノ壁厚ハ其ノ上階ノ壁厚ヨリ小ナルへカラス
第59条
建物の壁体が石造又はレンガ造のとき、下階の壁厚はその上階厚より小さくしてはならない。
下のほうが厚くするのは、あたりまえっぽいですね。

第六十條 (最低壁厚)
石造又ハ煉瓦造壁體ノ壁厚ハ之ヲ一尺未滿ト爲スヘカラス
第60条
石造又はレンガ造の壁体の壁厚は1尺(30cm)未満としてはならない。
最近でこそブロック造が多く、このような構造はほとんどありませんが、30cmくらいは必要だったんですね。地震規定が無いころの時代ですね。


第六十一條 (壁の長さ)
建物ノ壁體石造又ハ煉瓦造ニシテ高十五尺以上ノモノハ其ノ壁長三十六尺ヲ超過スヘカラス但シ地盤堅牢ナル場合又ハ適當ナル補強方法ヲ施シタルモノハ地方長官ノ許可ヲ受ケ之ヲ四十八尺迄ト爲スコトヲ得

2
壁厚特ニ大ナルモノハ地方長官ノ許可ヲ受ケ前項ノ規定ニ依ラサルコトヲ得

3
壁長ハ其ノ壁體ニ接着スル對隣壁ノ接着部分ノ中心距離ヲ以テ之ヲ度ル

4
地方長官適當ト認ムル補強方法ヲ施シタル控壁ハ前項ノ適用ニ關シ之ヲ對隣壁ト看徹ス
5
壁高ハ其ノ壁體ノ接着スル地盤面ヨリ之ヲ度ル
第61条
建物の壁体が石造又はレンガ造のとき、高さ15尺(4.5m)以上のものは、その壁長さ36尺(10.8m)を超えてはならない。ただし地盤が堅牢な場合又は適当な補強方法を施したもので地方長官の許可を受けたものは48尺(14.4m)までとすることができる。

2 
壁厚が特に大きいものは、地方長官の許可を受け、前項の規定によらない。

3 
壁長さはその壁体に接着する対隣壁の接着部分の中心距離をもってとする。

4 
地方長官が適当と認める補強方法を施した控え壁は、前項の適用に関しこれを対隣壁とみなす。

5 
壁高さはその壁体の接着する地盤面よりとする。

第六十二條 (壁の細長比)
建物ノ壁體「コンクリート」造以外ノ石造ニシテ其ノ高十五尺未滿ノモノ、壁厚ハ其ノ高ノ十二分ノ一未滿ト爲スヘカラス
第62条
建物の壁体がコンクリート造以外の石造にて高さ15尺(4.5m)未満のもの、壁厚はその高さの1/12未満としてはならない。

第六十三條 (壁厚の規定)
建物ノ外壁煉瓦造ニシテ其ノ高十五尺以上長二十四尺以下ノモノ、壁厚ハ左ノ規定二依ルヘシ

高二十五尺以下ノモノニ在リテハ一尺以上ト爲スコト

高二十五尺ヲ超過シ四十尺以下ノモノニ在リテハ第一階ハ一尺四寸以上ト、第二階以上ハ一尺以上ト爲スコト
三 
高四十尺ヲ超過シ五十尺以下ノモノニ在リテハ第一階及第二階ハ一尺四寸以上ト、第三階以上ハ一尺以上ト爲スコト

2 長二十四尺ヲ超過シ三十六尺以下ノモノノ壁厚ハ前項ノ厚ニ三寸ヲ加フヘシ

3 長三十六尺ヲ超過シ四十八尺以下ノモノノ壁厚ハ第一項ノ厚ニ七寸ヲ加フヘシ

4
地階ノ壁厚ハ第一階ノ壁厚ニ三寸以上ヲ加フヘシ

第63条
建物の外壁レンガ造にてその高さ15尺(4.5m)以上長さ24尺(7.2m)以下のもの、壁厚は以下の規定によること
1号
高さ25尺(7.5m)以下のものについては1尺(30cm)以上とすること
2号
高さ25尺を超え40尺(12m)未満のものは、1階は1尺4寸(42cm)以上、2階以上は1尺以上とすること
3号
高さ40尺を超え50尺(15m)以下のものについては、1階及び2階は1尺4寸(42cm)以上、3階以上は1尺(30cm)以上とすること

2項
長さ24尺(7.2m)を超え、36尺(10.8m)以下のものの壁厚は前項の厚さに3寸(9cm)を加えること

3項
長さ36尺(10.8m)を超え、40尺(12m)以下のものの壁厚は前項の厚さに7寸(21cm)を加えること

4項
地階の壁厚は1階の壁厚に3寸(9cm)以上を加えること

第六十四條 (間仕切壁の厚さ)
煉瓦造間壁ノ厚ハ前條ノ厚ヨリ三寸ヲ滅スルコトヲ得

第64条
レンガ造の間仕切壁の厚さは前条より3寸を減ずることができる
第六十五條 (開口部による壁厚の加算)
建物ノ壁體煉瓦造ナルトキ或ル階ニ於ケル出入口、窓其ノ他ノ開口ノ幅ノ總和カ壁長ノニ分ノ一ヲ超過スルトキハ其ノ壁厚ハ前三條ノ厚ニ三寸ヲ加フヘシ但シ其ノ壁體ニ幅三尺以上ノ柱形(控壁ヲ含ム以下同シ)ヲ有スル揚合ニ於テ其ノ柱形間及之ト對隣壁トノ中心距離十五尺以下ナルトキハ此ノ限ニ在ラス

第65条
建物の壁体がレンガ造のときに、その階における出入口、窓その他の開口部の幅の総和が壁長さの1/2を超えるときは、その壁厚は前3条の厚さに3寸(9cm)を加えること。
ただし、その壁体に幅3尺(90cm)以上の柱形(控え壁を含む。以下同じ)を有する場合においてその柱形間及び対隣壁との中心距離15尺(4.5m)以下なるときはその限りでない。
現在の建築基準法でも防火区画に接するスパンドレル等の措置があります。これも90cm以上です。(庇などは50cm)

第六十六條 (外壁厚さの軽減)
建物ノ壁體煉瓦造ニシテ左記各號ノ一ニ該當スル場合ニハ各階ノ壁厚ハ第六十三條及第
六十四條ノ厚ヨリ三寸ヲ減スルコトヲ得

一 
其ノ階ノ床及其ノ階ノ直上階ノ床又ハ屋根鐵筋「コンクリート」造ナルトキ

二 
地方長官適當ト認ムル控壁、鐵骨又ハ鐵筋「コンクリート」ノ臥梁其ノ他ノ補強方法アルトキ

第66条
建物の壁体がレンガ造のときに、以下の各号の1に該当する場合には各階の壁厚は第63条及び第64条の厚さより3寸を減じることができる。

1号 
その階の床及びその階の直上階の床又は屋根が鉄筋コンクリート造のとき

2号 
地方長官が適当と認める控え壁、鉄骨又は鉄筋コンクリートの臥梁その他の補強方法があるとき
第六十七條 (壁の最小厚)
建物ノ壁體煉瓦造ナルトキ其ノ壁厚ハ第六十三條乃至第六十六條ノ規定ニ拘ラス其ノ階高ノ十五分ノ一未滿ト爲スヘカラス

第67条
建物の壁体がレンガ造のときに、その壁厚さは第63条から第66条の規定にかかわらずその階高さの1/15未満としてはならない。
第六十八條 (壁溝の厚さ)
建物ノ壁體煉瓦造ナルトキ其ノ階高ノ四分ノ三以上ノ高ヲ通シテ壁體ニ竪壁溝ヲ設クル場合ニハ其ノ壁溝部ノ壁厚ハ第六十條、第六十三條乃至第六十七條ノ厚ノ三分ノ二未滿ト爲スヘカラス

2
横壁溝ハ深三寸長九尺ヲ超過スヘカラス

第68条
建物の壁体がレンガ造のときに、その階高の3/4以上の高さを通して壁体に竪壁溝を設ける場合には、その壁溝部の壁厚は第60条、第63条から第67条の厚さの2/3未満としてはならない。

2項 
横壁溝は深さ3寸(9cm)長さ9尺(2.7m)を超過してはならない
第六十九條 (開口部の垂直距離間)
高十五尺以上ノ煉瓦壁體ニ於ケル出入口及窓相互間ノ垂直距離及之ト壁頂間ノ垂直距離ハ二尺以上ト爲スヘシ但シ鐵又ハ鐵筋「コンクリート」ノ臥梁ヲ以テ適當ナル補強ヲ爲ストキハ此ノ限ニ在ラス

第69条
高さ15尺(4.5m)以上のレンガ壁体における出入口及び窓相互間の垂直距離及びこれと壁頂間の垂直距離は2尺(60cm)以上とすること。ただし鉄又は鉄筋コンクリートの臥梁を適当な補強をすればこの限りでない。
構造上の配慮で垂直距離間の開口制限です。

第七十條 (二重壁の緩和)
煉瓦造二重壁ニ於テハ其ノ一方ノ壁ハ第五十九條乃至第六十一條及第六十三條乃至第六十九條ノ規定二依ルヘシ
第70条
レンガ造2重壁においてはその1方の壁は第59条から第61条及び63条から第69条の規定によること。
2重にある場合は1方について防火及び構造上の配慮を求めています。
第七十一條 (コンクリート造の壁体)
建物ノ壁體「コンクリート」造ナルトキハ第六十三條乃至第七十條ノ適用ニ關シ之ヲ煉瓦造ト看做ス
第71条
建物の壁体がコンクリート造のときは第63条から第70条の適用に関し、これをレンガ造とみなす。
コンクリート造(無筋でも可)の場合はレンガと同等とみなす規定です。厚さはレンガ造と同じです。

第七十二條 (石造の壁体)
建物ノ體壁「コンクリート」造以外ノ石造ナルトキ其ノ厚ハ第六十三條乃至第六十五條ノ厚ニ其ノ十分ノ二ヲ加フヘシ

2
第六十六條乃至第七十條ノ規定ハ之ヲ前項ノ壁體ニ準用ス

第72条
建物の壁体がコンクリート造以外の石造のとき、その厚さは第63条から第65条の厚さに2/10を加えること。
石造の場合はレンガより構造性能が劣るとみなしています。

2項 
第66条から第70条の規定は前項の壁体に準用する

第七十三條 (貼石の扱い)
貼石、貼瓦ノ類ハ之ヲ壁厚ニ算入セス

第73条
貼石、貼瓦の類は壁厚に算入しない
第七十四條 (帳壁の扱い)
鐡骨造又ハ鐵筋「コンクリート」造ニ於ケル石、煉瓦、「コンクリート」等ノ帳壁ニハ第五十九條、第六十條、第六十二條乃至第七十二條ノ規定ヲ適用セス
第74条
鉄骨造又は鉄筋コンクリート造における石、レンガ、コンクリート等の帳壁には第59条、第60条、第62条から第72条の規定を適用しない

第七十五條 (軽微な壁の扱い)
高十二尺未滿ノ間壁其ノ他構造上輕微ナル壁體ニ對シテハ第六十條乃至第七十二條ノ規定ヲ適用セス
第75条
高さ12尺(3.6m)未満の壁その他構造上軽微な壁体に対しては第60条から第72条の規定を適用しない

第七十六條 (垣壁の厚さ)
石造又ハ煉瓦造ノ墻壁ハ特殊ノ補強方法ヲ施シタル揚合ノ外左ノ規定二依ルヘシ

一 
煉瓦造又ハ「コンクリート」造ニ在リテハ其ノ厚ヲ其ノ部分ヨリ壁頂迄ノ垂道距離ノ十五分ノ一以上ト爲スコト


 「コンクリート」造以外ノ石造ニ在リテハ其ノ厚ヲ其ノ部分ヨリ壁頂迄ノ垂直距離ノ十二分ノ一以上ト爲スコト


 長二間未滿毎ニ適當ナル控壁ヲ設クルコト但シ其ノ壁厚前二號ノ規定ノ最小限ノ一倍半以上ナルトキハ此ノ限ニ在ラス
第76条
石造又はレンガ造の垣壁は特殊な補強方法を施した場合以外は下記の規定によること

1号
レンガ造又はコンクリート造においては、その壁厚をその部分より壁頂までの垂直距離の1/15以上とすること

2号
コンクリート造以外の石造についてはその壁厚をその部分より壁頂までの垂直距離の1/12以上とすること

3号
長さ2間(3.6m)未満毎に適当な控え壁を設けること。ただしその壁厚は前2号の規定の最小限の1.5倍以上のときはこの限りでない。

第七十七條 (複合構造の壁)
同一建築物ノ壁體二種以上ノ構造ヨリ成ルトキハ其ノ壁長及壁厚ニ付テハ地方長官之ヲ定ム
第77条
同一建築物の壁体2種以上の構造によるときは、その壁長さ及び壁厚については地方長官はこれを定める

第七十八條 (切妻壁に接する壁)
切妻壁體ハ之ニ接スル構材ニ緊結スヘシ
2 
地盤面上五十尺以上二在ル切妻壁體ノ部分ニ對シテハ適當ナル補強ヲ爲スヘシ
第78条
切り妻壁体はこれに接する構成材に緊結すること
2項
地盤面上50尺(15m)以上にある切り妻壁体の部分に対して、適当な補強をすること

第七十九條 (迫持アーチ)
張間五尺以上ノ開口上ニ架スル石造又煉瓦造ノ迫持ハ其ノ迫高ヲ張間ノ十分ノ一以上ト爲スヘシ但シ適當ナル補強ヲ爲シタルモノハ此ノ限二在ラス
第79条
張間5尺(1.5m)以上の開口上部に架かる石造又はレンガ造の迫持は、そのせり高さを張間の1/10以上とすること。ただし適当な補強をしたものはこの限りでない。

迫持(せりもち):煉瓦や石材を迫石として両側からもち出して円弧状等に積み上げて、梁間を架構する構法のこと。 アーチ状のもの。

第八十條 (役部の石の緊結)
壁體ノ隅角、蛇腹、窓、出入口脇其ノ他之ニ類スル部分ニ使用スル石、人造石ノ類ハ適當ナル方法ヲ以テ之ヲ其ノ接スル壁體ノ部分ニ緊結スヘシ
第80条
壁体の隅角、蛇腹、窓、出入口脇その他これに類する部分に使用する石、人造石の類は敵と運方法をもって、これに接する壁部分に緊結すること

第八十一條 
石造又ハ煉瓦造ノ桔出窓、桔出縁等ハ壁面ヨリ三尺以上突出セシムヘカラス但シ鐵骨又ハ鐵筋「コンクリート」ヲ以テ適當ナル補強ヲ爲シタルモノハ此ノ限二在ラス
第81条
石造又はレンガ造のはね出し窓、はね出し縁等は壁面より3尺(90cm)以上突出してはならない。ただし鉄骨又は鉄筋コンクリートをもって適当な補強を施したものはこの限りでない。
片持ちなど、組積造では90cm以上持ち出すことを禁止しています。

桔出:はねだし と読みます。

第四 鐵構造及鐵骨構造 鉄構造及び鉄骨構造
第八十二條 (鋼材の応力)
建物ノ構造二使用スル鋼材ノ品質ハ應張強度一平方糎ニ付三千六百瓩以上、伸度試驗片小徑ノ八倍以上ニ付百分ノニ十以上ノモノナルコトヲ要ス
第82条
建物の構造に使用する鋼材の品質は引張応力強度1cm2につき3600kg以上、伸度試験片小径の8倍以上につき20%以上のものを使用すること
現在とは異なり、部材引張試験結果により使用できる規定もありました。
現在は施行令90条およびH12告示2464号により許容応力強度が設定されています。
現在一般的に使用されている鋼材は400N/mm ですが、当時の基準を換算すると367N/mm になります。

第八十三條 (接合部材)
建物ノ構造ニ使用スル鋼又ハ錬鐵ノ主要ナル構材ノ接合ニハ已ムヲ得ナル場合ノ外「リベット」ヲ使用スヘシ

2項
接合用「リベット」又ハ「ボールト」ノ中心距離ハ其ノ直徑ノ二倍半未滿ト、其ノ中心ト材端トノ距離ハ其ノ直徑ノ一倍半未滿ト爲スヘカラス
第83条
建物の構造に使用する鋼又は錬鉄の主要な構材の接合には(一体の構造の外)リベットを使用すること。
現在ではリベット接合は絶滅していますが、当時は勿論主流でした。

2項
接合用リベット又はボルトの中心距離はその直径の2.5倍未満、中心と材端との距離は直径の1.5倍未満としてはならない。
穴中心距離は現在も2.5倍と同じですが、縁端距離は現在のH12告示1464号により径と仕上げによって定められています。手動切断は1.5倍より若干大きいですが機械切断は若干緩和されています。

第八十四條 (圧縮材の有効細長比)
建物ノ構造ニ使用スル鐵柱ハ其ノ斷面ノ最小二次半徑ヲ其ノ主要ナル支點間距離ニ對シ鋼又ハ錬鐵ニ在リテハ百五十分ノ一以上ト、鑄鐵ニ在リテハ七十五分ノ一以上ト爲スヘシ
2 
柱以外ノ應壓鋼材又ハ應壓錬鐵材ニ在リテハ前項ノ百五十分ノ一ヲ二百分ノ一トス
第84条
建物の構造に使用する鉄柱はその断面の最小2次半径を主要な支点間距離に対し鋼又は錬鉄においては1/150以上、鋳鉄においては1/75以上とすること。

2項
柱以外の応圧(圧縮)鋼材又は応圧錬鉄材にては、前項の1/150を1/200とする。
現在は令65条により柱は200以下、柱以外は250以下です。
細長比なら「以上」は誤りで「以下」なのではないのかな??

第八十五條 (添え板)
鋼柱又ハ錬鐵柱ノ接合ニハ其ノ小ナル柱ト同等以上ノ強ヲ有スル添鈑ヲ用ヰ柱ノ全應力ヲ傅フルニ足ルヘキ數ノ「リベット」ヲ使用スヘシ
第85条
鋼柱又は錬鉄柱の接合には、小径柱と同等以上の強度を有する添え板を用い、柱の全応力を伝えるに足りるべき数のリベットを使用すること

第八十六條 (基礎との緊結)
鐵骨造建物ニ於ケル主要ナル柱ハ之ヲ基礎ニ緊結スヘシ
第86条
鉄骨造建物における主要な柱はこれを基礎に緊結すること

第八十七條 (帳壁の連結)
鐵骨造建物ノ帳壁ハ之ヲ鐵骨ニ連結スヘシ
第87条
鉄骨造建物の帳壁は鉄骨に連結すること

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