市街地建築物法施行規則

市街地建築物法施行規則 現代文へ訳します
市街地建築物法
市街地建築物法施行令
戦時特例
市街地建築物法施行規則
第1章
通則
第2章
建築物の突出部
第3章
構造設備
第1節
一般構造設備
第2節
構造強度

第1~第4
構造強度
第5~第7
第4章
第5章
第6章
市街地建築物法施行細則
東京都
大阪府
京都府
神奈川県
愛知県
兵庫県

第三章 建築物ノ構造設備 第三章 建築物の構造設備
第二節 構造強度 第二節 構造強度
第五 鐵筋「コンクリート」構造 第五 鉄筋コンクリート構造

第八十八條 (材料)
鐡筋「コンクリート」構造ニ使用スル「コンクリート」ハ左ノ規定ニ依ルヘシ
一 砂又ハ泥土、鹽分等ヲ含マサルモノナルコト
二 砂利又ハ碎石ハ硬質ニシテ二糎二分ノ一目篩ヲ通過シ且鐵筋相互間及鐵筋ト假構トノ間ヲ自由ニ過過スルモノナルコト
三 煉瓦屑、石炭爐ノ類ハ之ヲ使用セサルコト
四 「コンクリート」ノ調合割合ハ「セメント」ノ容積一ニ對シ砂ト砂利又ハ碎石トノ容積ノ和六ヲ超過セサルコト但シ「セメント」ハ干四百瓩ヲ以テ一立方米トス

2 鐵筋「コンクリート」構造ニ使用スル鐵筋ノ品質ハ第八十二條ノ規定ニ依ルヘシ
第88条
鉄筋コンクリート構造に使用するコンクリートは以下の規定によること
1 砂又は泥土、塩分等を含まないもの
2 砂利又は砕石は硬質にして、2.5cmの目くしを通過し、且つ、鉄筋相互間及び鉄筋と型枠との間を自由に通過するものであること
3 レンガ屑、石炭炉の類は使用しないこと
4 コンクリートの調合割合は、セメントの容積1に対して砂と砂利又は砕石との容積の和が6を超過させること。ただしセメントは1400kgをもって1m3とする。

2項
鉄筋コンクリート構造に使用する鉄筋の品質は第82条の規定によること


第八十九條 (端部の構造)
鐵筋「コンクリート」構造ニ於テハ鐵筋ノ兩端ヲ他ノ構造部ニ緊結スルカ又ハ之ヲ曲ケテ適當ニ「コンクリート」中二碇着スヘシ
第89条
鉄筋コンクリート構造においては鉄筋の両端を他の構造部に緊結するか、又はこれを曲げて適当にコンクリート中に定着させること

第九十條 (せん断補強筋の配置)
鐵筋「コンクリート」ノ梁、版等ニ生スル應剪力度「コンクリート」ノ許容應剪力度ヲ超過スルトキハ其ノ部分ニ左記ノ規定ニ依リ繋筋ヲ配置スヘシ
一 繋筋ハ應剪力ノ分布ニ從ヒ適當ニ之ヲ配置シ其ノ間隔ハ梁、版等ノ厚ノ三分ノ二ヲ超過セサルコト
二 繋筋ハ應張鐵筋下端ヨリ應壓力中心迄達スルコト
2
主筋ヲ適當ニ曲ケタルモノハ其ノ部分ヲ繋筋ト看徹ス
第90条
鉄筋コンクリートの梁、版等に生ずるせん断応力は、コンクリートの許容せん断力を超過するときは、その部分に以下の規定によりせん断補強筋を配置すること
1 繋筋はせん断力の分布に従い適当に配置し、その間隔は梁、版等の厚さの2/3を超過させること。
2 繋筋は引張鉄筋下部より圧縮力中心まで達すること

2項
主筋を適当に曲げたものはその部分を繋筋とみなす

繋筋:フープ筋(帯筋)やスターラップ筋(腹筋)のような、せん断補強筋のこと
第九十一條 (柱の構造)
鐡筋「コンクリート」柱ノ構造ハ左ノ規定ニ依ルヘシ
一 主筋ハ四本以上タルコト
二 繋筋ノ中心距離ハ一尺以下トシ且主筋直徑ノ十五倍ヲ超過セサルコト
三 柱ノ小徑ハ其ノ主要支點間距離ノ二十分ノ一以上ナルコト
第91条
鉄筋コンクリート柱の構造は以下の規定によること
1 主筋は4本以上とすること
2 フープ筋の中心距離は1尺(30cm)以下とし、且つ主筋直径の15倍を超過させないこと
3 柱の小径はその主要支点間距離の1/20以上とすること。

現在は施行令77条にて定めてありますが、帯筋間隔は15cm以下で小径の支点間距離は1/15以上です。当時は結構ユルい規定でしたね。
当然地震などでせん断破壊が生じたから、現在ではこの規定になっています。

第九十二條 (鉄筋のかぶり厚さ)
鐵筋「コンクリート」構造ニ於テ主筋ニ對スル「コンクリート」ノ被覆厚ハ版ニ在リテハニ糎未滿ト、梁及柱ニ在リテハ三糎未滿ト、基礎ニ在リテハ五糎未滿ト爲スヘカラス
第92条
鉄筋コンクリート構造において主筋に対するコンクリートの被覆厚は版においては2cm未満、梁及び柱においては3cm未満、基礎においては5cm未満としてはならない。
現在は令79条に記載あるが、土に接する部分の厚さ規定が増えている。

第九十三條 (型枠の除去)
鐵筋「コンクリート」ノ床、屋根其ノ他ノ横架材ノ上二假構ヲ設クルトキハ其ノ假構ヲ除去スルニ先チ其ノ下階ノ主要假構ヲ除去スヘカラス但シ「コンクリート」施工後二月ヲ經過セルモノニ在リテハ此ノ限ニ在ラス
第93条
鉄筋コンクリートの床、屋根その他の横架材の上に型枠を設けるときは、その型枠を除去するより先に下階の主要な型枠を除去してはならない。ただしコンクリート施工後2ヶ月を経過したものについてはこの限りでない。
2ヶ月ですか・・・現在は1ヶ月(28日)又は基準強度の85%でOKなんですが。当時は現場練りも一般的でしたので品質管理の問題も結構あったのかもしれません。

第九十四條 (軽微な構造のもの)
高十二尺未滿ノ墻壁其ノ轍建築上輕微ナルモノニ在リテハ地方長官ノ認可ヲ受ケ第八十八條乃至第九十二條ノ規定ニ依ラサルコトヲ得
第94条
高さ12尺(3.6m)未満の垣壁その他建築上軽微なものにおいては、地方長官の許可を受け、第88条から第92条の規定によらないことができる。

第六 獨立煙突 第六 独立煙突

第九十五條 (煙突の構造)
高五十尺ヲ超過スル自立煙突ニシテ鐵造又ハ鐵筋「コンクリート」造ニ非サルモノハ鐵材ヲ以テ之ニ適當ナル補強ヲ爲スヘシ

2
高百尺以上ノ煙突ハ之ヲ鐵造又ハ鐵筋「コンクリート」造ト爲スヘシ

第95条
高さ50尺(15m)を超過する自立煙突を鉄造又は鉄筋コンクリート造以外のものは鉄材を用いて適当な補強をすること
2項
高さ100尺(30m)以上の煙突は鉄造又は鉄筋コンクリート造とすること
第九十六條 (鉄板の厚さ)
鐵造煙突ニシテ高五十尺ヲ超過スルモノハ鐵板ノ厚ヲ四粍以上ト爲スヘシ
第96条
鉄造煙突にて高さ50尺を超えるものは鉄板の厚さを4mm以上とすること

第九十七條 (支線の控え杭)
煙突ノ構造上必要ナル支線ト地盤トノ接着ハ鐵筋「コンクリート」造其ノ他腐朽ノ虞ナキ控杭ニ緊着スヘシ但シ高七十五尺未滿ノ煙突ノ控杭ハ適當ナル防腐方法ヲ施シタル木材ト爲スコトヲ得
第97条
煙突の構造上主要な支線と地盤との接着は鉄筋コンクリート造その他腐朽の恐れのない控え杭に緊着すること。ただし高さ75尺(22.5m)未満の煙突の控え杭は適当な防腐方法を施した木材としてもよい

第九十八條 (土管煙突の構造)
土管煙突ハ高三十尺ヲ超過スヘカラス但シ堅固ナル鐵製支枠ヲ有スルモノハ地方長官ノ許可ヲ受ケ高五十尺迄ト爲スコトヲ得
第98条
土管煙突は高さ30尺(9m)を超過してはならない。ただし堅固な鉄製支枠を有するものは地方長官の許可を受けて高さ50尺までとすることができる。

第九十九條 (土管煙突の補強)
土管煙突ハ其ノ接合前ニ「モルタル」ヲ用ヰ支枠ニ緊結スヘシ
第99条
土管煙突はその接合前に、モルタルを用いて支枠に緊結すること

第百條 (高さの基点)
前四條ノ適用ニ關シテハ煙突ノ高ハ之ニ接着スル地盤面ヨリ之ヲ度ル

第100条
前4条の適用に関しては煙突の高さは接着する地盤面より測ること

第七 強度計算

第百一條 (材料の単位重量)

強度計算ニ適用スル各種材料ノ重量ノ最小限左ノ如シ
第101条
強度計算に適用する各種材料の最小限の重量は以下のように規定する
材料 重量(瓩)
練瓦積
一立方米ニ付  一九〇〇.〇
花崗岩及安山岩
一立方米ニ付  二五〇〇.〇
砂利又ハ碎石ヲ凝元體トセル
「コンクリート」及鐵筋「コンクリート」
一立方米ニ付  二三〇〇.〇
一立方米ニ付   五七〇.〇
杉、檜・樅、「オレゴンパイン」北海松ノ類
一立方米ニ付   四六〇.〇
百立方糎ニ付   〇.七八五
瓦葺(葺土ヲ除ク)
一立方米ニ付    六〇.〇
葺土、壁土及漆喰
一立方米ニ付  一六〇〇.〇
現代風にすると・・・
材料 重量(kg)
練瓦積 1900.0(m3)
花崗岩及安山岩 2500.0(m3)
コンクリート及び鉄筋コンクリート 2300.0(m3)
570.0(m3)
杉、檜・樅、オレゴンパイン、北海松の類 460.0(m3)
7850.0(m3)
瓦葺(葺土を除く) 60.0(m3)
葺土、壁土及漆喰 1600.0(m3)
比重ですからあたりまえですが、このあたりは現在と大差ありません。
第百二條 (材料の応力度)
強度計算ニ於テ建築物ノ各部分ニ生スヘキ應力度ハ各種材料二付左ノ限度ヲ超過スヘカラス
第102条
強度計算において建築物の各部分に生ずる応力度は各種材料につき以下の限度を超過してはならない
材料 應壓力度
(一平方糎
 ニ付瓩)
應張力度
(一平方糎
 ニ付瓩)
應剪力度
(一平方糎
 ニ付瓩)
應曲力度
(一平方糎
 ニ付瓩)
欅、栗 九〇.〇 九〇.〇 九.〇 九〇.〇
七五.〇 七五.〇 七.五 七五.〇
檜、檜葉
(元書では木偏に屠)
「オレゴンパイン」
六五.〇 六五.〇 六.五 六五.〇
杉、北海道松ノ類 五〇.〇 五〇.〇 五.〇 五〇.〇
花崗岩 一一〇.〇      一五.〇
硬質安山岩 八〇.〇     九.〇
煉瓦積 二二.〇      
「コンクリート」
(セメント一、
 砂二、
 砂利又ハ碎石四)
四五.〇 四.五 四.五
鐵筋「コンクリー
ト」構造ニ於テ主
筋ヲ横斷スル
面二對シテハ
九.〇
四.五
「コンクリート」
(セメント一、
 砂三、
 砂利又ハ碎石六)
三〇.〇 三.〇 三.〇 三.〇
軟鋼 一一五〇.〇 一一五〇.〇 七五〇.〇 一一五〇.〇
錬鐵 八五〇.〇 八五〇.〇 五五〇.〇 八五〇.〇
鑄鐵 八五〇.〇 二〇〇.〇 二〇〇.〇 二〇〇.〇
現代風にします。
材料 圧縮力
(cm3/kg)
引張力
(cm3/kg)
剪断力
(cm3/kg)
曲げ応力
(cm3/kg)
ケヤキ、クリ 90.0 90.0 9.0 90.0
75.0 75.0 7.5 75.0
ひのき、ヒバ、
オレゴンパイン
65.0 65.0 6.5 65.0
杉、北海道松の類 50.0 50.0 5.0 50.0
花こう岩 110.0     15.0
硬質安山岩 80.0     9.0
レンガ積 22.0      
コンクリート
(セメント1、
 砂2、
 砂利又は砕石4)
45.0 4.5 4.5
鉄筋コンクリート
造で主筋を横断
する面に対して
9.0
4.5
コンクリート
(セメント1、
 砂3、
 砂利又は砕石6)
30.0 3.0 3.0 3.0
軟鋼 1150.0 1150.0 750.0 1150.0
錬鉄 850.0 850.0 550.0 850.0
鋳鉄 850.0 200.0 200.0 200.0
2
前表ニ於ケル「コンクリート」ノ調合割合ハ容積ヲ以テシ「セメント」ハ千四百瓩ヲ以テ一立方米トス
3
品質特ニ劣等ナリト認ムルモノニ對シテハ地方長官ハ第一項ノ限度ヲ低下セシムルコトヲ得
2項
前表におけるコンクリートの調合割合は容積をもっての値とし、セメントは1400kgをもって1m3とする

3項
品質が特に劣っている等認められるものに対しては、地方長官は第1項の限度を低下させないことができる

現在の基準からみると引張力について高めですね。全体の数値も結構小さい部分あります。

第百三條 (弾率比)
鐵筋「コンクリート」構造ノ強度計算ニ於テハ鐵ト「コンクリート」トノ彈率比ヲ十五ト爲スダヘシ
第103条
鉄筋コンクリート構造の強度計算において鉄とコンクリートとの弾率比を15までとすること。
弾率比とは現在では聞いたことがない概念ですが、コンクリートの応力変形曲線(考え方では直線と仮定している)と、鉄筋の弾性係数との比をいいます。
コンクリートの応力変形は圧縮力に対するもの、鉄筋は引張力によるものですが、現在では材料ごとに告示指定されており、このような規定は必要無くなったようです。
コンクリート黎明期には第102条にもあるように、材料比率なども一定でなく、品質管理上問題点もあったので必要だったのでしょう。

第百四條 (鉄筋の付着)
鐵筋「コンクリート」構造ノ強度計算ニ於ケル應滑力度ハ一平方糎ニツキ七瓩ヲ超過スヘカラス但シ異形鐵筋ヲ使用スル揚合ニ在リテハ其ノ形状ニ依リ地方長官ノ許可ヲ受ケ之ヲ十瓩迄ト爲スコトヲ得
第104条
鉄筋コンクリート構造の強度計算における応滑力度は1cm2につき7kgを超過してはならない。
ただし異型鉄筋を使用する場合においては、その形状により地方長官の許可をうけてこれを10kgとすることができる。
応滑力度とは付着応力度ですね。現在は上端筋とその他の鉄筋により計算値が定められており、丸鋼7kg(上端)なら、現在の値に置き換えてもほぼ同じです。
異型についてはコンクリート強度により異なります。

第百五條 (積載荷重)
強度計算ニ適用スル各種床動荷重ノ最小限左ノ如シ
第105条
強度計算に適用する各種床動荷重の最小限値は以下のとおりである
床動荷重は積載荷重のことです。
床ノ種類 動荷重(一平方米二付瓩)
住家 二五〇
事務室、病院ノ類 三七〇
學校 四二〇
集會所、劇場、寄席ノ類 五〇〇
商品陳列室、陳列館ノ類 五五〇
現在っぽく置き換えます。
床の種類 積載荷重(m2/kg)
住宅 250
事務所、病院及びこれに類するもの 370
学校 420
集会所、劇場、寄席及びこれに類するもの 500
商品陳列室、陳列館及びこれに類するもの 550
2
倉庫、書庫、作業場等ニ付テハ其ノ實況二應スル適當ナル動荷重ニ依ルヘシ
3
本條ノ動荷重ハ其ノ實況ニ應シ小梁ニ對シテハ其ノ十分ノ一以内ヲ、大梁ニ對シテハ其ノ十分ノ二以内ヲ、柱ニ對シテハ其ノ十分ノ三以内ヲ減スルコトヲ得但シ倉庫、書庫、集會室、劇場棧敷、陳列室等ニ對シテハ本項動荷重ノ輕減ヲ爲スコトヲ得ス
2項
倉庫、書庫、作業場等については、その状況に応じて適当な積載荷重によること
3項
本条の積載荷重はその状況に応じ小梁に対してはその10%以内を、大梁に対しては、その20%以内を、柱に対してはその30%を減ずることが出来る。
ただし、倉庫、書庫、集会室、劇場桟敷、陳列室等に対しては本項積載荷重の軽減をすることはできない。


第百六條 (打設おもりの荷重)
杭打基礎ニ於ケル杭ニ對スル荷重ハ墜錘ヲ使用スル場合ニ在リテハ左式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス
第106条
くい打ち基礎における杭に対する荷重は、墜錘(おもり)を使用する場合においては以下の式により算定したものを超えてはならない
P 荷重
W  錘ノ重量
H 錘ノ落高(米)
D 杭ノ最終沈下(米)

P:荷重
W:おもりの重量
H:おもりの落下高さ(m)
D:杭の最終沈下量(m)

2
「コンクリート」杭ニシテ其ノ完全ニ凝結セサルモノニ對シテハ前項ノ算式ヲ適用セス
3
前項ノ場合及汽錘ヲ使用シタル揚合ニ在リテハ地方長官ハ荷重試験ノ施行ヲ命スルコトヲ得

2項
コンクリート杭にて完全に凝結したものに対しては前項の算定指揮を適用しない
3項
前項の場合及び汽錘を使用した場合においては地方長官は荷重試験の施行を命ずることが出来る

汽錘は動力式ハンマーです。蒸気機関やディーゼル機関などが該当します。

第百七篠 (鉄骨造の圧縮力)
應壓鐵材ニ對スル荷重ハ左式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス
第107条
圧縮鉄材に対する荷重は以下の式により算定した値を超えてはならない
P 荷重
A 斷面積
fc 第百二條ノ鐵材ニ對スル應壓力度
主要ナル支點間ノ矩離
斷面ノ最小二次率半徑但シ鐵柱ニシテ其ノ周圍ノ構造ニ依リ撓ミノ方向ニ制限アルモノハ其ノ斷面ノ適當ナル軸ニ對スル二次率半徑ト爲スコトヲ得
C 定數

P: 荷重
A: 断面積
fc: 第102条の鉄材に対する圧縮応力度
l: 主要な支点間の距離
r: 断面の最小二次半径、ただし鉄柱にて周囲の構造により、たわみの方向に制限があるものはその断面の適当な軸に対する二次半径とすることができる。
C: 定数
鋼及練鐵ニ在リテハ〇.〇〇三トシ其ノ兩支端囘轉自由ナルトキハ○・○〇四、鑄鐵ニ在リテハ○.○〇五トス 定数は、鋼及び練鉄においては0.003とし、その両端が回転端又は自由端のときは0.004、鋳鉄においては0.005とする。

第百八條 (木造の圧縮力)
應壓木材ニ對スル荷重ハ左式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス
第108条
圧縮木材に対する荷重は以下の式により算定したものを超えてはならない
P 荷重
A 断面積
fc 第百二條ノ木材二對スル應壓力度
l 主要ナル支點間ノ距離
d 斷面ノ最小徑
P: 荷重
A: 断面積
fc: 第102条の木材に対する圧縮応力度
l: 主要な支点間の距離
d: 断面の最小径

第百九條 (鉄筋コンクリート造の圧縮力)
應壓鐵筋「コンクリート」材ニ對スル荷重ハ左式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス
第109条
圧縮鉄筋コンクリートに対する荷重は以下の式により算定したものを超えてはならない
2
前項有効斷面積ハ其ノ主筋ノ外側線内ノ面積トス

3
適當ナル巻筋ヲ有スル應壓「コンクリート」材ニ在リテハ第一項ノ「コンクリート」ニ對スル應壓力度ヲ一平方糎ニ付五十五瓩迄增加スルコトヲ得但シ此ノ場合二於ケル巻筋ノ中心距離ハ八糎ヲ超過スヘカラス

4
應壓鐵筋「コンクリート」材ニシテ其ノ主要ナル支點間ノ距離其ノ最小徑ノ十五倍ヲ超過スルモノニ在リテハ別二適當ナル算式ニ依リ之ヲ算定スヘシ
2項
前項の有効断面積はその主筋の外側線内の面積とする

3項
適当な巻筋を有する圧縮コンクリート材においては、第1項のコンクリートに対する圧縮応力度を1cm2につき55kgまで増加することができる。ただしこの場合における巻筋の中心距離は8cmを超過してはならない。
巻筋はフープ、スターラップのことです。

4項
圧縮鉄筋コンクリート材にてその主要な支点間の距離は、その最小径の15倍を越えるものについては、別に適当な算式によりこれを算定すること。

第百十條(曲げモーメント)
應曲材ニ對スル曲能率ハ左式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス
第110条
曲げ応力材に対する曲げモーメントは以下の式により算定したものを超過してはならない
M 曲能率
fb 第百二條ノ應曲力度
S 斷面率
M: 曲げモーメント
fb: 第102条の曲げ応力度
S: 断面率


第百十一條(鉄筋コンクリート造の単筋梁の曲げモーメント)
鐵筋「コンクリート」ノ單筋矩形梁又ハ版内二中軸ヲ有スル單筋丁梁ニ對スル曲能率ハ左ノ各式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス
第111条
鉄筋コンクリートの単筋矩形梁又はスラブ内に中軸を有する単筋T型梁に対する曲げモーメントは以下の式により算定したものを超過してはならない


M 曲能率
n1 中軸比(梁ノ應壓端ヨリ中軸迄ノ距離ト梁ノ有効丈トノ比)
fc 第百二條ノ「コンクリート」ニ對スル應壓力度
ft 第百二條ノ鐵筋ニ對スル應張力度
m 對筋比
b 梁ノ幅
d 梁ノ有効丈
M: 曲げモーメント
n1: 中軸比(梁の圧縮応力端より中軸までの距離と梁の有効せいとの比)
fc: 第102条のコンクリートに対する圧縮応力度
ft: 第102条の鉄筋に対する引張応力度
m: 対筋比
b: 梁の幅
d: 梁の有効せい

単筋梁とは引張側にしか鉄筋が入っていない梁のこと
丁梁とは、当時の技術解説本(鐵筋コンクリート構造設計規準 1932/07)に「矩形梁がスラブと一体として構造せられたる場合には之を丁梁と看做す事を得」とあるので、T型梁のことを指すのであり、決して丁張の誤りではありません。

2
前項ノ中軸比ハ左式ニ依ル
2項
前項の中軸比は以下の式による


第百十二條 (合成応力度算定)
應壓力ト曲能牽トヲ併有スル構材ノ合成應力度ハ左式ニ依リ算定セルモノヲ下ルヘカラス
第112条
圧縮力と曲げ牽引力とを併用する構材の合成応力度は以下の式により算定するものを下回らないこと
fc 合成應壓力度
M 曲能率
S 應壓側ニ對スル斷面率
P 應壓力
A 斷面積
l 主要ナル支點間ノ距離
r 曲能率ニ依ル斷面ノ中軸二對スル二次率半徑但シ木材ニ在リテハ曲能率二依ル面ノ中軸ニ直角ナル徑
C 第百七條ノ定數但シ木材二在リテハ之ヲ○.○二トス
fc: 合成圧縮応力度
M: 曲げモーメント
S: 圧縮側に対する断面率
P: 圧縮力
A: 断面積
l: 主要な支点間の距離
r: 曲げモーメントによる断面の中軸に対する二次半径、ただし木材においては曲げモーメントによる面の中軸に直角になる径
C: 第107条の定数。ただし木材においては0.02とする
2
前項ノ合成應壓力度ハ第百二條ノ應壓力度ヲ超過スヘカラス
2項
前項の合成圧縮応力度は第102条の圧縮応力度を越えてはならない

第百十三條(鉄筋コンクリート造の梁及びスラブの厚さ)
鐵筋「コンクリート」構造ニ於ケル梁又ハ版ノ張間ハ其ノ支承物間ノ中心距離ヲ以テ之ヲ度ルモノトス但シ支承物間ノ内法距離ニ梁ノ丈又ハ版ノ厚ヲ加ヘタルモノヲ以テ之ニ代フルコトヲ得
第113条
鉄筋コンクリート構造における梁又はスラブの張間は、支承物間の中心距離をもって求めることとする。ただし支承物間の内法距離に梁のせい、又はスラブの厚さを加えたものをもってこれに代えることが出来る
2
梁又ハ版ノ支端ニ持送アル場合ニ於ケル張間ハ持送ノ厚カ梁ノ丈又ハ版ノ厚ノ一・三倍ニ達スル部分ヨリ之ヲ起算ス
2項
梁又はスラブの支点端に片持ち梁(片持ちスラブ)がある場合における張間は、片持ち梁等の厚さが梁のせい又はスラブの厚さの1.3倍に達する部分より起算すること

第百十四條 (梁とスラブが一体となった場合の扱い)
鐵筋「コンクヲート」構造ニ於テ梁ト版トヲ適當ニ連結シタル場合ニ在リテハ之ヲ丁梁ト看做スコトヲ得但シ此ノ揚合二於ケル丁梁ハ其ノ張間ノ四分ノ一以内、版ノ厚ノ十二倍以内ノ幅ヲ有スルモノトシテ之ヲ算定スヘシ
第114条
鉄筋コンクリート構造において梁とスラブとを適当に連結した場合においては、丁梁とみなすことができる。ただしこの場合における丁梁はその張間の25%以内、スラブの厚さの12倍以内の幅を有するものとして算定すること

第百十五條
鐵筋「コンクリート」構造ニ於テ縦横ニ鐵筋ヲ有スル長方形版四邊ヲ過シテ支承物ヲ有スル場合ニ於テハ左式ニ依リ算定シタルモノヲ下ラサル範團内二於テ其ノ荷重ヲ兩張間ニ分賦スルコトヲ得
第115条
鉄筋コンクリート構造において縦横に鉄筋を有する長方形スラブ4辺を固定としたした支承物を有する場合においては以下の式により算定したものを下回らない範囲内において荷重を両張間に2分割することができる
    
    
w  等布荷重
l  一方ノ張間
b  lニ直角ナル張間
W1 lヲ張間トスルモノニ分賦スル等布荷重
Wb  bヲ張間トスルモノニ分賦スル等布荷重
w: 等分布荷重
L: 一方の張間
b: Lに直角な張間
W1: Lを張間とするものに2分割する等分布荷重
Wb: bを張間とするものに2分割する等分布荷重

スラブ長辺をL、短辺をbとするようです。

第百十六條 (連続梁の曲げ応力算定)
鐵筋「コンクリート」構造ニ於テ三個以上ノ等張間ヲ有スル連梁又ハ連版等布荷重又ハ一様ナル對稱集中荷重ヲ受クル場合ノ強度計算ニ適用スヘキ正負曲能率ハ左ノ規定ニ依ルモノヲ下ルヘカラス
第116条
鉄筋コンクリート構造において3個以上の等張り間を有する連続梁又は連続スラブの等分布荷重又は一様な対称の集中荷重を受ける場合の強度計算に適用すべき正負曲げモーメントは以下の規定によるものを下回らないこと

兩端以外ノ張間二於ケル正曲能率ハ各張間ニ付單梁ト假定シテ得ヘキ曲能率圖二於テ最大曲能率ノ値其ノ位置ニ於テ其ノ三分ノ二トナル様基線ヲ平行ニ移動シタル場合ニ付テ之ヲ度ルコト
1号
両端以外の張間における正曲げモーメントは各張り間につき単純梁と仮定して曲げモーメント図を描き、最大曲げモーメントの値の位置において、その2/3となるように基線を平行に移動した場合についての値とする。

兩端以外ノ張間ニ於ケル負曲能率ハ各張間ニ付單梁ト假定シテ得ヘキ曲能率圖ニ於テ其ノ支點ニ於ケル負曲能率カ單梁トシテノ最大正曲能率ノ三分ノ二ニ達スル迄基線ヲ平行ニ移動シタル場合ニ付テ之ヲ度ルコト
2号
両端以外の張間における負曲げモーメントは各張り間につき単純梁と仮定して曲げモーメント図を描き、その支点における負曲げモーメントが単純梁としての最大曲げモーメントの2/3に達するまで基線を平行に移動した場合についての値とする。

最終支點單ニ支持セラレタル場合ニ在リテハ終端張間ニ於ケル最大正曲能率ハ第一號ノ規定ニ依リ定メタル最大正曲能率ニ其ノ十分ノ二ヲ加へ最終支點ノ曲能率ヲ零トシ次ノ支點二於テ第二號ノ規定ニ依リ定メタル負曲能率ニ其ノ十分ノ五ヲ加フルコト
3号
最終支点を単に支持された場合においては、終端張間における最大正曲げモーメントは第1号の規定により定めた最大正曲げモーメントに、その20%を加え最終支点の曲げモーメントを0とし、次の支点において、第2号の規定により定めた負曲げモーメントに、その50%を加えることとする。
2
荷重、張間又ハ支承ノ状態前項以外ノ場合ニ於テハ前項ノ主旨ニ基キ適當ニ其ノ正負曲能率ヲ定ムヘシ
2項
荷重、張間又は支承の状態は前項以外の場合においては、前項の主旨に基づき適当にその正曲げモーメントを定めること

第百十七條 (大きな曲げ応力が発生した場合の措置)
構造ノ状況ニ依リ大ナル曲能率ヲ生スヘキ柱ハ其ノ曲能率ニ依ル應力度ヲ加算シテ其ノ大サヲ定ムヘシ
第117条
構造の状況により大きな曲げモーメントが生じる柱、又は曲げモーメントによる応力度を加算して、その大きさを定めること。

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